アメリカ、カナダ、メキシコの16都市で共同開催となったFIFA World Cup 2026北中米大会。日本代表も日本時間6月15日、アメリカ・ダラスでオランダ代表とグループリーグ初戦に臨み、2回のリードを許しながら2対2のドローに持ち込む粘りの戦いを見せてくれた。
そんな試合後の興奮も冷めやらぬ午前6時57分頃、アメリカとイランが停戦に合意したとのニュース速報が画面に表示された。この瞬間から、一気に現実に引き戻されたという人も多いのではないか。実際、当日はダウ平均や日経平均などが、それぞれ過去最高値を更新するなど、大きな動きを見せている。
今回は、そんな米イラン紛争の終結と市場の動向に関する分析リポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので概要をお伝えする。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
米・イランの和平合意の報道を受けて日経平均、TOPIX、ダウ平均、SOXが過去最高値を更新
米東部時間6月14日、トランプ米大統領はイランと戦闘終結で合意したとSNSで発表。翌15日には米政府高官が、トランプ氏とバンス米副大統領、イランのガリバフ国会議長が覚書に署名して、正式な調印式は19日にスイスで開くと説明を行なった。
現時点で覚書の詳細は明らかになっていないが、米政府高官によると、24~48時間以内に公表される見通しとのことだ。
これら一連の報道を受け、WTI原油先物価格や北海ブレント原油先物価格が低下したほか、日米欧では10年国債利回りが低下、主要株価指数は上昇する動きが総じてみられた(図表1)。

日本では日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)が過去最高値を更新。米国でもダウ工業株30種平均と、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が過去最高値を更新した。
■日経平均の上昇は予想EPSの伸びに支えられた動きであり、7万円通過も視野に入りつつある
日経平均は6月15日の取引時間中に一時6万9682円23銭をつけ、7万円をうかがう展開となったが、引き続きソフトバンクグループやアドバンテスト、東京エレクトロンなどの値がさの人工知能(AI)・半導体関連株がけん引役となっている。
日経平均は、昨年10月に5万円に到達してから、6か月後の今年4月に6万円に到達しており、仮に今月中に7万円到達となれば、わずか2か月での大台突破となる。
このように、最近の日経平均の上昇ペースはかなり速く、相場の過熱感が懸念される状況にあることから、改めて日経平均の1株当たりの予想利益(EPS)と株価収益率(PER)の推移を確認してみたい。
図表2をみると、EPSがしっかりと伸びている一方、PERは相対的に低下しており、足元の日経平均の上昇は、良好な利益の伸びの見通しに支えられたものと判断され、7万円通過も視野に入りつつあると思われる。

■注意すべきは米利上げやAI・半導体関連企業の業績失速などだが現時点で過度な懸念は不要
ただ、株価は一般に、上昇と下落を繰り返しながらトレンドを形成するため、一本調子の右肩上がりの動きを期待することは難しいといえる。
日経平均もこの先、ところどころで売りに押される場面も予想され、注意すべきリスクとしては、
(1)米国が本格的な利上げ局面入りすること、
(2)AI・半導体関連企業の業績が失速すること、
(3)米・イランが合意を破棄すること、などが挙げられる。
(1)について、三井住友DSアセットマネジメントでは、年内9月と12月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつの予防的な利上げを予想しているが、本格的な連続利上げ局面入りまでは想定していない。
(2)は、関連企業の日々のニュースや四半期決算の内容を精査する必要があり、(3)は、今のところ生起確率は低いと思われる。
いずれも現時点で過度に警戒することはないが、引き続き注意してみておくことは大切と考えている。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希







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