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GTI 50th特別仕様車もお披露目!ゴルフGTI誕生50周年を記念したファンミーティングに参戦

2026.06.21

フォルクスワーゲンと言えばゴルフを想像する人が多いはずだ。その初代は1974年に誕生し、日本ではヤナセが1975年に正規輸入・販売を開始。そして1976年にコンパクトで実用的なハッチバックに胸を高鳴らせる走りを掛け合わせた、モータースポーツを意識して開発された高性能モデル、”ホットハッチ”の原点であるゴルフGTIが登場。GTIとはGran Turismo Injectionの略で、市販車でありながらレース参戦を前提としたDNAを持ち、発売前からニュルブルクリンクのレースでプロトタイプがペースカーを務めた経緯があるほどの1台だった。

しかし、「5000台も売れればいい。そんなに売れないだろう」という予想を覆し、46万台以上もの台数が世に出た大ヒット作となったのである。

初代から第8世代までのゴルフを振り返る

その理由は実用性を犠牲にしたスポーツモデルではなく、「運転の楽しさは日常性を融合」を掲げた高性能スポーツカーを誰もが楽しめる存在にした先駆者として、

(1)日常で使える実用性、5人乗車ができるパッケージ、十分な荷室

(2)前輪駆動の軽快なハンドリング、エンジンを始めとする優れたレスポンス、ドライバーとの一体感

(3)スポーツカーではなく誰でも手の届くスポーツモデル、速さだけではなく楽しさの追求

・・・といったコンセプトがあったからだ。そんな初代から現在まで変わらない3つの価値を持ち続けているのがGTIなのである。

モータースポーツの世界でもGTIは活躍し続けている。1986年FIA世界ラリー選手権Group Aチャンピオンの獲得を始め、2016年にはゴルフGTI Club sport SがドイツニュルブルクリンクFF最速記録を樹立。そして2024年のニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝を果たすなど、サーキットでも結果を残してきたのがゴルフGTIというわけだ。

ここで初代から現在の第8世代(正確には8.5世代)までのゴルフGTIを振り返ると、初代(1976-1983)は1975年のフランクフルトショーで初公開。1.6L SOHCエンジン+5MTを搭載し、ドイツでは13850ドイツマルク、つまり約160万円で発売されたという。

2代目のゴルフGTI(1984-1992)は1984年に登場。最高出力112psのエンジンを搭載し、初代が築いたデザインを継承。フロントグリルの赤いラインや今でも引き継がれるチェック柄のスポーツシートなどがそうだ。排ガス規制によって一時、エンジンは107psに落ちたものの、1986年には新開発16バルブエンジンを搭載したGTI 16Vを投入。触媒付きで129psを発揮し、さらなるパフォーマンスを手に入れたのである。ちなみに筆者は、GTIではないが、1984年にヤナセでゴルフⅡのMTモデルを、人生初の輸入車として手に入れている。

初代、2代目から一転、丸味を帯びたスタイリングで登場した3代目ゴルフのGTI(1991-1997)はボディサイズの拡大や装備の充実によって快適性、後席の居住性が向上。コンパクトなスポーツカーという位置づけから、高性能グランドツアラーとしてのキャラクターを強めることになる。当初は2L 8バルブエンジン、115psだったものの、その後、150psを発生する2L 16バルブエンジンを搭載したGTI 16Vを追加。一段とGTIらしい走りを取り戻すことになる。この世代では運転席エアバッグやABSなどの安全装備の充実も図られている。1996年にはレカロシートやBBS製ホイールなどが装備されたGTI誕生20周年記念モデルも登場。今ではコレクターズアイテムともなっている記念モデルだ。

4代目となるGTI(1998-2003)は1998年にデビュー。この世代はGTIに新しいデザインが採用され、初めてGTIのアイコンであったフロントグリルの赤いラインやハニカムグリルを廃止。そしてこの世代ではターボエンジンの採用によるパフォーマンスの進化も目覚ましい。2001年には180psを発生する、使いやすさとハイパフォーマンスを両列させた1・8L 20バルブターボエンジン搭載モデルが加わっている。

1991年に登場した5代目GTI(2004-2008)はよりシャープで迫力あるエクステリアデザイン、フロントマスク、最高出力200psを発生する2L直噴ターボエンジンを備え、クラス最高レベルのドライビングダイナミクスを携えることになる。6MT仕様で0-100km/h加速7.2秒、2ペダルMTの今ではおなじみのDSG搭載車では6.9秒を記録。最高速度は235km/hに達し、再びコンパクトスポーツカーのベンチマークの地位を確立。また、GTIの伝統的デザインであるフロントグリルの赤いラインやチェック柄のシートを現代的に再解釈し採用されることになる。

2009年には第6世代となるGTI(2009-2012)が登場。伝説のレーシングドライバーであるハンス=ヤアヒム・シュトゥックが最終的な走行性能のチューニングを担当。GTIにさらなる洗練とスポーツ性能の向上をもたらしている。この世代では電子制御ディファレンシャルロックXDSを採用し、コーナリング性能とトラクション性能が大幅に向上。2L TSIターボエンジンは210psを発生し、最高速度は240km/hにまで引き上げられている。2011年にはGTI誕生35周年記念モデル、GTI Edition35が発売され、最高出力は235psに高められた。

そして”フォルクスワーゲン・ゴルフの最高傑作”と今も自動車専門家から評される第7世代のゴルフ、第7世代のGTI(2013-2020)が2013年に登場(日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。専門家の評価がより高いのは7.5世代)。プラットフォームは新開発されたMQBとなり、軽量化、高剛性化を実現。発売当初は220psのGTIと230psを発生し機械式フロントディファレンシャルロックを採用したGTIパフォーマンスをラインナップ。2017年には310psを発生するGTIクラブスポーツSが登場し、ベンジャミン・ロイヒターのドライブによりニュルブルクリンク北コースで当時の前輪駆動車最速記録となる7分49秒21を樹立。この第7世代のGTIは標準型ゴルフとともに、MQBプラットフォームによって洗練を増し、GTIについては本格的なハイパフォーマンスモデルへと進化したことになる。

2020年に登場した第8世代のゴルフ(2020-)は伝統と最新技術を融合。新デザインのLEDヘッドライトとLEDリヤコンビランプを採用。GTIもよりシャープで先進的なデザイン、機能を携えることになる。インテリアは新世代インフォテイメントシステムを搭載し、大型ディスプレーと最新のコネクティッド機能により、デジタル時代のユーザー体験をもたらすGTIへと進化。電子制御システムとシャシー性能の磨き上げで、GTIならではの俊敏なハンドリング、高い安定性、さらにスポーツモデルとして類まれな快適性まで手に入れることになる。とくにゴルフ8・5世代となる最新のGTIはボディサイズ全長4295×全幅1790×全高1465mm。ホイールベース2620mmの3ナンバーサイズでありながら比較的コンパクトなサイズを維持。2L TSIターボエンジンと7速DSGの組み合わせで265psを発揮。モダンに研ぎ澄まされたデザインに刺激的な魅力を詰め込んだ1台となっている。価格は純正インフォテイメントシステム、同一車線内全車速運転支援システム”トラベルアシスト”、225/40R18タイヤ/7.5J×18アルミホイールなどを装備し557.9万円となる(2026年6月現在)。

2026年はGTI誕生50周年

そんな歴史あるフォルクスワーゲン・ゴルフGTIだが、今年、2026年はGTI誕生50周年の記念すべき年になる。そこで2026年6月13日にGTI誕生50周年を記念した、ファンミーティング=「GTI FAN FEST 2026」を豊橋本社にて開催。筆者もメディアとしてその会場を訪れた。

当日は朝から高倍率の抽選で来場が叶ったゴルフGTIを含むすべてのフォルクスワーゲンユーザーが、ここ豊橋のフォルクスワーゲン本社に集結。イベントの内容は、会場に並ぶ来場者の愛車の中から、GTI部門とフォルクスワーゲン全車部門を来場者が選ぶ「GTI Fan Fest 2026 Best Car Award」、フォルクスワーゲン車の展示のほか、スペシャルプログラムとして2026年5月1日付けでフォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社の代表取締役社長に就任したマーティン・ザーゲ社長とドイツを拠点にレース活動を行っているプロ・レーシングドライバーの木下隆之さんによるオープニング&クロージングセッション、木下氏によるGTIデモ走行(抽選)、試乗プログラム(最新のゴルフGTI、ゴルフR、ゴルフヴァリアントR、ポロGTI)、専用ふ頭+TSCツアー、Parts Depotツアー、ステージコンテンツとしてGTI Expert Talk、クイズラリーなど盛りだくさんのコンテンツを用意。GTI、フォルクスワーゲンユーザーにとってまたとない記念すべきイベントだ。しかも、特別なGTIのお披露目もあったりしたのだから、GTI、フォルクスワーゲンユーザーにとって最高にハッピーな1日となったに違いない。

遠路訪れたパサート・ヴァリアント
遠路訪れたパサート・ヴァリアント
レアなルポGTI
最新のポロGTI

実は、我々、プレス参加者は「GTI FAN FEST 2026」のスタート前に、明海ふ頭から陸揚げされたばかりの輸送のダメージを防ぐ白いカバーが被せられたフォルクスワーゲンやアウディの新車が並ぶ、最大1万台を超える収納数があるという76000m²にも及ぶヤードを視察。ちなみにカバーなしの車両はPDI(新車をユーザーに引き渡す前に行う出荷前点検(Pre-Delivery Inspection)」)の車両とのこと。

そしてVGJ(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)豊橋インポートセンターのTSC=テクニカルサービスセンターにも特別に立ち入ることが許された。ここで我々の手元に届くフォルクスワーゲン車がどのようにして日本への到着からユーザーの手元に届くかを説明すると、(1)明海ふ頭にドイツなどから船で車両が到着・陸揚げ、通関。(2)検査前準備としてTSCにてカバーを外し、ダメージを確認、取扱説明書や発煙筒などの車両の積み込み。(3)機能・走行試験。各機能が正しく働き作動するかを確認。走行は約1km、最高速度約80km/h。凸凹道を走らせる試験は日本独自の取り組み。(4)洗車、仕様、外観検査。(5)型式完成検査。国土交通省に届け出た内容に相違がなければ完成検査修了証が発行される。(6)バッテリー充電。(7)純正アクセサリー装着(ボディコーティング含む)。(8)保管、全国の販売店に陸路または船便で配送・・・という流れになる。

さて、「GTI FAN FEST 2026」は午前11時にオープニング。マーティン・ザーゲ社長がメインステージに登壇し、開会の挨拶を行い、プロ・レーシングドライバーの木下氏も登場。今回のイベントについてのトークを行った。

しかし、ステージ横にはベールを被った車両が佇んでいる。これこそ、ここ「GTI FAN FEST 2026」に来場したGTIファン、フォルクスワーゲンユーザーに初披露、アンベールされる、GTI 50th特別仕様車であることは、この時点ではシークレットだった。そしてアンベール。展示されたGTI 50th特別仕様車はあくまで参考出品されたイメージ車両であり、スペックなど未公表。しかしGTIファンにとって特別なサービス、サプライズだったのである。

GTI 50th特別仕様車(参考出品)

そして会場は抽選により木下氏の運転の隣でGTIの限界走行を体験できるGTIデモ走行、GTI トークショー、キッチンカーなどのコンテンツで大いに盛り上がったのである。

プロ・レーシングドライバーの木下氏
キッチンカーはなんちゃってVW
けっこうレアなゴルフカブリオレ

そして14時30分からGTI FAN FEST 2026 Best Car Awardの発表である。来場者の投票によって、来場した全フォルクスワーゲン車から選ばれた1台は、若きカップルが所有するオリジナル・ビートル(300台限定車とか)。

GTI部門では45年以上も前のGTIにして素晴らしいコンディションが保たれた初代GTIが選ばれ、トロフィーの授与とともに受賞式が行われた。

クロージングは全参加者をドローンで撮影する集合写真撮影。GTI誕生50周年を記念した「GTI FAN FEST 2026」が閉幕した。すべての参加者にとって、気温28度の晴天の空の下、充実した1日となったはずである。すでにゴルフGTIを所有しているユーザーの満足度はもちろん、「いつかはGTI」と思っているフォルクスワーゲンユーザーにとっても、このフェスタは最高の思い出、GTIへと一歩踏み出すきっかけになったはずである。

2600名以上から選ばれた総勢230組のVWファン

実は、筆者も1984年型ゴルフⅡ MT、2014年型ゴルフ7ヴァリアントハイライン、2020年型ゴルフ7.5ヴァリアントハイラインマイスターの3台のゴルフを乗り継いできたゴルフフリークであり、モータージャーナリストとして世界のコンパクトカーのベンチマークであり続けるゴルフを愛用し、勉強させてもらった身でもあり、「GTI FAN FEST 2026」を大いに楽しませてもらったのである。

本社内にはこんなビートルも!!

文・写真/青山尚暉

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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