6月といえば、梅雨シーズンで気分も憂鬱になりがちだ。5月病を引きずりながらメンタル不調に落ちていないだろうか。
実は6月は不調に陥りやすいといわれている。果たしてその理由とは? 精神科専門医の広岡清伸医師に聞いた。
ゴールデンウィーク明けに罹患者が続出する五月病。最近はそれに加えて、「六月病」なる新たな病が、ビジネスパーソンの間で流行しているのをご存じだろうか? マイナビは…
6月のメンタル不調はなぜ起きる?5月病との違い3つ
広岡医師によれば、6月のメンタル不調の原因には、主に次の3つがあるという。
【取材協力】
広岡清伸氏
広岡クリニック院長
精神科専門医、指導医、精神保健指定医。
日本大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、堀ノ内病院、関東労災病院などを経て、1992年に横浜市港北区に広岡クリニックを開設。患者の目線に立って治療する独自の「肯定的体験療法」を提唱し、これまで1万人以上の診療に携わる。最新刊に『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません 生きづらい社会で傷ついた人が、再び「自分」を取り戻すまで』(アスコム)などがある。
1.梅雨の「低気圧・高温多湿」の影響
「6月特有の気象条件は、自律神経のバランスを崩す大きな要因です。日照時間の減少による脳内の神経伝達物質であるセロトニンの合成が低下し、気分の落ち込みや意欲低下を招くことが知られています。また低気圧が続くと自律神経のバランスが崩れやすくなり、体もだるくなりがちです」
2.初期適応期間の終了と「不条理」への直面
「入社や異動から約3ヶ月が経過する6月は、職場の実態や人間関係の不条理が現実味を帯びてくる時期。適応障害は環境変化から3ヶ月以内に発症するといわれます。また6月の祝日がないカレンダーは心理的な逃げ場がないことも、限界点に達しやすくなる要因です」
3.メンタル不調の遷延化と重症化
「5月の連休明けの不調を放置したり、無理に成果主義の職場に適応しようと奮起しすぎたりした結果、6月頃にエネルギーが枯渇し、本格的なうつ病や心身症へと進展し、当院を初診するケースが多くあります」
6月のメンタル不調の対策
広岡医師は、メンタル不調には様々な対策があるというが、基本的には次の方法をとることをおすすめしている。
●朝にカーテンを開けて光を浴び、睡眠リズムと生活リズムを整える
●たんぱく質やビタミンB群、タウリンを含む食品を意識して摂り、脳と神経の働きを支える
●ポイント
「以前の自分と比較して焦るのではなく、今ここでできることに目を向ける平常心を保つことが、6月のメンタル不調を予防する大切です」
6月の栄養失調対策
「今の時期は、4~5月の緊張と我慢で、体内のビタミンB群やミネラル、アミノ酸が激しく消費されている頃。6月に不調をこじらせるのは、いわば『心のガス欠』状態です。食事では脳の栄養を意識しましょう」
●トリプトファン
「6月の低気圧と日照不足に対抗するため、幸福ホルモン『セロトニン』の原料となるトリプトファン(タンパク質)や、その合成を助けるビタミンB6を意識しましょう」
忙しいビジネスパーソンが、コンビニや外食でも意識できる食品として、次のものがある。
トリプトファンを多く含む食品例:大豆製品、乳製品、米、卵、バナナ、ピーナッツなど
ビタミンB6を多く含む食品例:鶏胸肉、ささみ、赤身肉、鮭、サバ、マグロ、カツオ、バナナ、ごまなど
必要に応じてサプリメントなどをうまく利用しよう。
●タウリン
「魚介類などに多く含まれるタウリンは、疲労の蓄積と交感神経の過緊張を和らげる働きがあるといわれています。疲れがとれない、神経が高ぶっているなどの状態が続く場合は取り入れてみましょう」
タウリンを多く含む食品例:牡蠣、ホタテ、アサリ、タコ、タラ、イカなど
「栄養が不足して脳のレジリエンス(回復力)が低下すると、普段なら受け流せる上司の言葉や職場の不条理に対して過敏に反応してしまい、結果として引きこもりや新型うつを誘発するという『栄養×心理×社会構造』の問題もあると考えられます」
単なるメンタル不調と放置せず、生活習慣や食生活を正した上で、心理面でも見直してみるのも良さそうだ。自分で解決できない場合は、迷うことなく精神科を訪ねるほうが早期解決につながるだろう。
取材・文/石原亜香利







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