定年を迎え、子どもが独立し、長年慣れ親しんだ住まいと自分の暮らしを見つめ直す機会が訪れる50代・60代。人生の後半戦をどこで、どのように過ごすかの選択は快適な老後生活を左右する重要な要素となる。
そこでリクルートの住まい領域の調査研究機関である『SUUMOリサーチセンター』は、人生100年時代における50代・60代の住まい選びを明らかにするため、全国を対象にWEBアンケート形式で「50代・60代の住み替え実態調査」を行ったので、概要をお伝えしよう。
居住年数が長くなるほど「住生活満足度」は低下傾向
持ち家居住者の住生活満足度(10点満点)は、居住年数5年以内で7.2点と高く、35年以上で5.8点に下がっていた。
「35年以上」同じ持ち家に住み続けていた人が、仮に住み替え・建て替えを行った場合は、居住年数は「0」となるため、5.8点→7.2点、つまり1.4点ほど住生活満足度の改善が見込める。
50代・60代の住み替え・建て替え・大規模リフォームいずれかの実施率は約2割
50~69歳のタイミングでの住まいの見直し実施率は18.3%。大規模リフォーム実施率が9.8%、次いで住み替え実施率が8.6%、建て替え実施率は1.9%。
年代別で見ると、60代は住まいの見直し実施率が26.8%と、50代と比べて高く、大規模リフォーム実施率が14.8%、住み替え実施率が12.1%となっていた。エリア別で見ると、首都圏で住み替え実施率が高く、東海で建て替え実施率が高い。
住み替えの実施理由は、「定年退職や働き方の変化」が19.7%で最も高い。次いで、「自宅の老朽化」「買い物など生活利便性向上」「公共交通機関の利便性向上」「断熱性・耐震性向上」が続く。
性別で見ると、多くの項目で男性より女性のほうがスコアが高く、特に「買い物・行政・金融機関など生活利便施設が近い場所に住みたかったため」「親や子ども世帯の近くに住む(近居)ことを希望したため」は約10pt高くなっている。
現住居種別で見ると、持ち家マンション層は「買い物・行政・金融機関など生活利便施設が近い場所に住みたかったため」「公共交通機関(駅・バス停)が便利な場所に住みたかったため」が全体と比べて10pt以上高くなっていた。
住み替えパターンは、「持ち家→持ち家」が42.3%で最も高いが、「賃貸→持ち家」も23.3%
住み替え前後のパターンを「持ち家」と「賃貸」の組み合わせで見ると、「持ち家→持ち家」の割合が42.3%で最も高い。「賃貸→賃貸」の割合が25.2%、「賃貸→持ち家」の割合が23.3%で続き、「持ち家→賃貸」というパターンも9.1%存在する。
住み替え前後のパターンを「戸建て」と「集合住宅(マンション・アパートなど)」の組み合わせで見ると、「集合住宅→集合住宅」の割合が40.2%で最も高く、「戸建て→戸建て」の割合が26.7%で続く。現住居種別が持ち家マンションの層は、31.5%が戸建てからの住み替えであった。
子どもに住まいを残したい親は少数派、親の資産について「残してほしい」と考える子世代も少数派
自分の死後の住まいについて、「子どもに引き継いでほしい」または「子どもに住んでほしい」親は、計11.7%。「自分の代で整理したい」が24.5%、「具体的に考えていない」が17.2%という結果に。
資産について、自分はぜいたくせず「一定額を子どもや孫に残したい」と考える親が24.2%である一方、子世代は親の資産について「一定額を残してほしい」が7.4%と、親と子の世代間に認識ギャップがあることが判明。
■SUUMO編集長・池本洋一コメント
50歳以降の住み替え市場が拡大の兆し。50代・60代のうちに、この先の住まいを考えて生涯の住み替え回数は米国が11~12回(※1)に対し、日本は3~4回。2024年の全米不動産協会の調査によると、二次取得以上の割合は76%に。
一方、日本では二次取得以上は38%と米国よりは低いですが、2020年と比較すると7pt増加しています(※2)。背景には50代・60代の住み替え・建て替え層の台頭がありそうです。
SUUMOカウンターの来場者や、弊社の「新築マンション契約者動向調査」の年代別シェアでも、50代・60代の比率は増加傾向でした。今後さらにこの層の住み替えが広がる可能性があると考え、本調査を実施。
50歳以降の住み替え・建て替え・大規模リフォームの実施者は約2割でした。実施理由は、定年や住まいの老朽化のほか、買い物利便性や交通利便性、断熱性・耐震性の向上など、この先の人生を考える様子が見えました。
また、親子の認識ギャップも明らかに。親世代には、ぜいたくな生活をせず、子どもに一定の資産を残したいと考える層がいる一方で、子世代は「親の人生を楽しんでほしい」という意識が強い結果に。
“人生後半をどこでどう暮らすか?”。仕事や子育ての転換点となる50代・60代に一度考えてみてはいかがでしょうか?
※1 米国国勢調査局(U.S. Census Bureau)の統計
※2 住宅購入・建築検討者調査 2025年(リクルート)
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:
スクリーニング調査:25~69歳の男女
スクリーニング集計対象:50~69歳の男女
本調査:
1.50~69歳の男女
・配偶者がいる場合は、「自身も配偶者も日常生活に支障がない」
「配偶者と同居しており、ペット以外のその他同居家族なし」
・配偶者がいない場合は、「自身が日常生活に支障がない」「ペット以外の同居家族なし」
2.25~49歳の男女
「両親が在命で、いずれかが50~69歳」「両親とも日常生活に支障がない」
「両親がふたりで住んでおり、ペット以外のその他同居家族なし」「両親が持ち家戸建て・マンションに居住している」
有効回答数
スクリーニング調査:有効回答数:100,000人(集計対象:15,000人)
本調査:有効回答数:4,159人(集計対象:4,159人)
調査実施期間:2026年3月11日(水)~ 2026年3月16日(月)
調査機関:株式会社マクロミル
関連情報
https://suumo-research.com/work/resident-insights/resident-insights-2019/
構成/Ara







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