■連載/阿部純子のトレンド探検隊
ベイシアは、6月12日に新たなディスカウント業態となる、「劇安ワンダーランド ココトク!ふかや花園店」(以下、「ココトク!」)を埼玉県深谷市にオープンした。
新フォーマット店舗第3弾はディスカウントスーパー
近年、物価上昇が続く中で生活者の節約意識は高まる一方、日々の買い物において価格の変動や選び方への関心も高まっている。このような状況の中で、安さのみならず、納得して商品を選べる、安心して手に取れる品質など、新たな価値が求めるニーズに応えるため、ベイシアが新業態のディスカウントスーパー「ココトク!」を新たにオープンさせた。
2026年2月にオープンした「オトナリマート」、同3月にオープンした「Beisia Town」に続く新フォーマット店舗となる。
「私も日々買い物をする生活者ですが、ここ数年、食費の負担が本当に大きくなったと感じています。欲しい商品があっても、価格を見て棚に戻してしまう、品質を見て迷ってしまう、そんな経験が以前より増えたような気がしていまして、これは多くのお客様も感じておられることだと思います。
できるだけ安く買いたい。でも品質は妥協したくない。その思いにもっと応えられるお店が必要ではないか。既存のスーパーマーケットだけでは十分に満たしきれないニーズがあるのではないか。その答えが『劇安ワンダーランド ココトク!』です。
従来のディスカウント業態は『安いから選ぶ』という買い物になりがちで、どこか我慢や妥協を感じることがありました。私たちが目指したのは、全く逆で、単に安いから選ぶのではなく、思わず手に取りたくなる。店内を歩くだけで楽しい。そして、お得なお買い物ができた!と感じられる、そんな買い物体験を大切にしました。
従来のスーパーマーケットの枠組みにとらわれず、新しい価値を届けるという意志を形にしたのが『ココトク!』ですので、今回、あえてベイシアという屋号を使っていません。
『オトナリマート』、『Beisia Town』、今回の『ココトク!』と、立地やお客様のニーズに合わせて、最適なフォーマットを展開していくことが、私たちの基本的な考え方です。
『ココトク!』に関してはふかや花園店を皮切りに、今後1~2年かけて複数店舗の展開を進めながら、業態としての完成度を高めていき、将来的には商圏や立地ごとの最適なモデルを確立し、本格展開につなげていきたいと考えています」(株式会社ベイシア 代表取締役社長 相木孝仁氏)
「ココトク!」プロジェクトを推進してきた、株式会社ベイシア 執行役員 出店戦略本部営業企画本部長 安田恵一氏は、既存フォーマットの店舗だけでは、まとめ買い・時短など多様化する買い物ニーズに十分対応できないとし、新規出店時には既存店との競合や建築費高騰が課題になっていることから、よりシンプルな店舗企画でコスト削減し、物件特性に合わせた出店を可能にするマルチフォーマット戦略を推進する必要があったと話す。
「既存のベイシアでは商品を一つずつ段ボールから取り出して棚へ並べるオペレーションですが、『ココトク!』では、野菜や果物売場、飲料や酒売場、パン売場などでは段ボールなど開けた状態で陳列しています。
お惣菜や冷凍食品、日配商品など、従来のベイシアでは部門ごとに売り場を配置していましたが、お客様のターゲットを意識した商品を入り口付近に集合展開し、便利さを追求していきます。
一方で、お客様への提供サービスについても再考しており、サービスカウンター業務では、既存のベイシアで行っているラッピングサービスや宅配の受付などは行わず、チラシ販促についても基本的には実施しません。毎日この価格として、お客様のご都合に合わせてご来店していただくことになります。
また、飲料や酒売り場では、冷蔵管理を中止し、電気料金の削減に取り組んでいます。さらにベイシアのポイントも未扱いにすることで、安さを実現していきます」(安田氏)
激安商品だけじゃない!ジャパニーズタコスが楽しめる「タココステーション」も
ベイシアのPB商品が豊富に並ぶ中、総菜や弁当も低価格で提供。おにぎり、総菜バイキングは97円(税込み104円)の均一料金の商品を展開する。
「ココトク!モリモリ弁当」(320円)は、ご飯が250g(標準は180g)のボリューム感。ご飯にもタレがかかっていて、ご飯だけでも楽しめる味わいに。ソース、タルタルソース、デミグラスソース、オニオンマヨネーズ、明太子など好みの味を選べる。
圧倒的なボリューム感とコスパがウリの「究極の弁当」シリーズが「ココトク!」にも登場。
「ココトク!ビッグ弁当(1kgカレーライス)」「ココトク!ビッグ弁当(1kg麻婆豆腐ライス)」「ココトク!ビッグ弁当(1kgうどん)」は各633円。
丼ぶりメニューとしてコスパの良いカツ丼「肉が旨い!三元豚ロースカツ丼」(428円)を展開する。
量ではなく味や素材こだわりたいという人には、生寿司、魚惣菜の弁当(536円)がおすすめ。生寿司は「まぐろづくし」「サーモンづくし」「塩とレモンで食べる握り寿司」をラインナップ。
お魚屋さんのお弁当シリーズ(536円)は「お魚屋さんの銀鮭西京焼き弁当」「お魚屋さんの銀鮭みりん焼き弁当」「お魚屋さんのかれい味醂焼き弁当」の3種。
ベーカリーのおすすめは「はみ盛コッペ」(各212円)。焼きそば、ナポリタン、唐揚げ、コロッケを店内で焼き上げたコッペパンにたっぷりサンド。味も見た目も“盛り盛り”感があり、180gのボリュームでしっかり食べたい人も満足できる。
「劇安ワンダーランド ココトク!ふかや花園店」は既存店舗を業態転換したが、ファストフードコーナーをタコスの専門店「タココステーション」として新たにオープン。メキシコ料理のタコスを沖縄育ちのジャパニーズタコスとして展開。店内のバイオーダーコーナー(イートイン)では1個200円でできたてを提供。おかわり自由のドリンクバー4種類は200円で提供する。
「沖縄風タコス」(1個 200円/4個 780円)で、イートイン、テイクアウトのどちらも同じ価格。「沖縄風タコライス」(Rサイズ 590円/Lサイズ 780円)はイートイン対象外。
【AJの読み】取り扱い品数を絞り、売場や商品構成、オペレーションの構造を見直して“劇安”を実現
ベイシアは2026年に入り2月には首都圏エリアを重点戦略地域と位置づけた小型業態「オトナリマート」、3月にはベイシアとテナントによる2層複合型「「Beisia Town」と新フォーマット店舗を続々オープン。「ココトク!」は第3弾となる。
「ココトク!」のトータルの取扱アイテム数は「Beisia Town 新狭山店」の半分強となる8,500アイテムに厳選。オリジナル商品(PB)は1,000 アイテムで、PB売上構成比30%を目標としており、ベイシア史上最高の構成比となる見込み。
アイテム数の絞り込みで単品陳列量を増やし補充頻度を削減を行い、物流とプロセスセンター(カット、計量、パック詰めなどの一次加工や調理を一括して担う物流加工拠点)との連携で店舗作業コストを下げ、低価格を実現している。
「商品の絞り込みに関しては、この1年の間でいくつかの店舗で試験的に実施しました。品数を絞り過ぎてお客様から苦情が寄せられたこともあり、こうした経験を踏まえバイヤーが工夫をして厳選したのが『ココトク!』です。8,500アイテムですが、お客様に不便をかける品揃えではないと考えています」(株式会社ベイシア 上席執行役員 商品本部長 神戸達也氏)
既存店舗と比較して、1~2割程度安い価格の商品も豊富に取り揃え、日常の中で価格の違いを実感できるラインナップが揃う「ココトク!」。
“劇安”を支えているのが、売場や商品構成、オペレーションの再構築。仕入れ、物流、販売の仕組みや店舗のあり方を見直してシンプルな設計とすることで、手に取りやすい価格を実現している。
取材・文/阿部純子







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