かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。その可能性はゼロではないと言われるほどまでに代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか!?
現在発売中のDIME8月号ではその足跡を元代表レジェンドなどの証言を中心に徹底解説! 日本サッカー協会が目指す未来の日本サッカーについてもひもとく。
Jリーグ発足から30年あまり、日本サッカーはめざましい進化を遂げてきた。それを支えているのが各クラブのアカデミーだ。未来を背負う子どもたちをどうやって獲得し、どう育てているのか、今回はFC東京の育成戦略を深掘りしていく。
トップ昇格率の高さで常に世代スター選手を輩出
FC東京

© FC TOKYO
【主なアカデミー出身選手】
・久保建英 ・佐藤龍之介 ・橋本拳人 ・武藤嘉紀
Jリーグ最優秀育成クラブ賞を3年連続で受賞

FC東京 アカデミーダイレクター
浅利 悟さん
1997年から2009年の間、東京ガスフットボールクラブ時代からFC東京でプレイし続けた。引退後同チーム広報部や強化部を経て22年からアカデミーダイレクターに。
地域チーム対象の選抜クラスで地元と手を携え選手を育てる
Jリーグ最優秀育成クラブ賞を3年連続で受賞し、単独最多受賞クラブとなったFC東京。特徴的なのが、4種と呼ばれる小学生年代のジュニアチームをあえて持たない点だと、アカデミーダイレクターの浅利悟さんは語る。
「代わりに小学4年生以上を対象にした選抜クラスの『アドバンスクラス』を設けています」
アドバンスクラスはオープンセレクションで合格した選手のみが参加でき、現在150人超が受講している。毎年アカデミーに加入する中学1年生の選手のうち、実に8〜9割がアドバンスクラス出身だという。
「週1回のスクール形式で、技術だけでなく、課題を自分で見つけクリアするためのマインドも育てています」
アドバンスクラスの効果は選手個人に留まらない。受講者が元のチームにいい刺激をもたらしているのだ。
「アドバンスクラスに行ったおかげで、自チームでも頑張れている、という声を地域の指導者から頂いています」
また、地域のチームを巻き込んだ活性化の取り組みも進めている。
「ホームゲームへの招待をはじめ、今年からは、アドバンスクラスに選手を送り出してくれたチーム同士の対抗戦も企画しています」
こうした地域との絆が、激戦区である東京をカバーする実質的なスカウト網になっている。
「今年はスカウトを増やしました。都内全域に加え、関東近郊までより広く才能を発掘できる体制を構築したい」
アカデミーでの育成体制も充実している。10年ほど前から、選手に合った育成方針を策定するようになった。
「各クラブでIDP(個別育成プラン)が普及し、我々も導入しました。最初は課題の洗い出し程度でしたが、今ではフィジカルやメンタルまでサポートする年間計画へと進化しています」
こうした育成を支えているのが、トップチームとの一貫した連携だ。
「ここ数年、クラブ全体でフィロソフィーやスローガンを再共有し、それに合わせて指導体制や育成システムも見直しました。またトップとアカデミーのマネジメント層が定期的に情報交換できる体制も整っており、有望な選手はトップの練習に積極的に呼ばれます。下から上まで一本でつながった環境が、選手の成長を後押ししているんです」
目指すのは、地域と共に育てた選手が、また次の世代の目標になる循環だ。
「選手にとっての一番を、地域と一緒になって考えてきました。今後もそこは変わらず大切にしたいですね」
世界を目指す選手を輩出しながら、地元と二人三脚で取り組む。それがFC東京の持つ唯一無二の強さだ。
©FC TOKYO

年度初めに選手と面談し、多角的に課題を洗い出してIDPシートを作成。練習時間の前後にはIDPシートを使った練習内容の確認や振り返りを行なう。
FC東京の育成のカギ
● 人材の多い東京をカバーするスカウティング
● トップまで一貫したフットボールフィロソフィー
● 選手一人一人に育成プログラムを作成
取材・文/桑元康平=すいのこ 編集/轡田緒早
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かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。
わずか30年でここまで代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか? その足跡をサッカー協会、Jリーグ、外国人監督、元日本代表のレジェンドたち、スポンサー企業など様々な視点で読み解く。
さらに『アオアシ』をはじめ、サッカー漫画がいかに日本サッカーの躍進に貢献したのか、元日本代表レジェンドたちにも取材もしました。
日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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