かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。その可能性はゼロではないと言われるほどまでに代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか!?
日本サッカーはめざましい進化を支えているのが各クラブのアカデミーだ。現在発売中のDIME8月号では未来を背負う子どもたちをどうやって獲得し、どう育てているのか、その最前線を追った。今回は、その中から鹿島アントラーズの育成体制について迫った内容を特別にお届けする。
今期の百年構想リーグもEAST首位が確定!鹿島アントラーズ

© KASHIMA ANTLERS
【主なアカデミー出身選手】
・上田綺世 ・鈴木優磨 ・野沢拓也 ・曽ケ端 準
策定した育成方針が結実し、史上初のユース三冠を達成

鹿島アントラーズ アカデミーマネージャー
鈴木修人さん
2008~15年にプロ選手として活動。引退後大学チーム監督などを経て19年に鹿島アントラーズのスカウト担当に。20年からはアカデミーマネージャーを務める。
まずは個の技術を高める育成方針。ベテランの存在が若手の刺激に
ユース史上初のメインタイトル三冠を2025年に達成した鹿島アントラーズアカデミーは、多くのトップ選手を輩出してきた。ユースといえば、若いうちからプロの高度な戦術を叩き込み、強固なチームを育てる──そんなイメージを抱きがちだが、アカデミーマネージャーの鈴木修人さんによると、実際は意外にも、徹底して「個」を伸ばす指導をしているという。
「まずドリブルを徹底的に教えます。パスは後からでも遅くない。一番難しいのは、ドリブルでキープしたり相手をはがしたりする技術なのです」
守備も相手選手へ積極的に飛び込むように指導している。
「足元に自信がつけばボールを持ちながら周りを見る余裕が生まれる。自然とパスできるし、1対1にも勝てるようになります」
この方針が固まったのは20年のコロナ禍中だ。きっかけは、引退後にスタッフとして働く小笠原満男さんら海外経験豊富なOBとの意見交換にあった。
「海外はカバーのない、自分が負けたら終わりの『個の戦い』だと彼らは肌で学んでいます。戦術より先に個を磨け、というのが全員の共通認識でした」
OBの存在は、日々の現場指導でも効果を発揮している。
「一緒にプレイして、本物のレベルを体感させています。過度な自信を持たないよう、モチベーションを正しい方向に導けるんです」
ハード面での育成環境にも投資は惜しまない。
「19年に一新した選手寮は提携校と近く、練習場もすぐそば。学校から練習、寮での食事やミーティングまでを短時間で行なえます」
こうした育成環境の試行錯誤が、5〜6年の積み重ねを経て、25年の三冠という形で結実した。
「20年当時の小5~6年世代が高3になり、チームの中心になってくれました。あの時考えた育成方針は間違ってなかったのかな、と。それに鬼木監督をはじめとしたトップチームのスタッフもアカデミーをよく見てくれているし、意見交換もしやすい。全員が同じ方向を向いている、風通しのいい環境なのも鹿島の強みと言えますね」
目指すのは、スタメンの半分以上がユース出身というチームだ。
「ユースの9割は海外志向です。我々としても結果を出したらすぐ挑戦してほしいし、そうでない選手は鹿島では生き残れません」
鹿島で活躍し、世界へ羽ばたく。そのサイクルはユースから始まっている。
鹿島アントラーズの育成のカギ
● 徹底して「個」を伸ばす指導・練習メニュー
● スタッフにレジェンド元鹿島選手たちが勢ぞろい
● 充実した寮・練習環境による高密度トレーニング
取材・文/桑元康平=すいのこ 編集/轡田緒早
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かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。
わずか30年でここまで代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか? その足跡をサッカー協会、Jリーグ、外国人監督、元日本代表のレジェンドたち、スポンサー企業など様々な視点で読み解く。
さらに『アオアシ』をはじめ、サッカー漫画がいかに日本サッカーの躍進に貢献したのか、元日本代表レジェンドたちにも取材もしました。
日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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