かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。その可能性はゼロではないと言われるほどまでに代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか!?
その足跡を、本特集では元代表レジェンドなどの証言を中心に徹底解説! 日本サッカー協会が目指す未来の日本サッカーについてもひもとく。
現在発売中のDIME8月号では日本サッカー成長の理由に迫るべく、日本代表国際Aマッチ出場数最多記録保持者としても知られる遠藤保仁さんに単独インタビュー。彼が肌で感じてきた、日本サッカーの歩みについて聞いた。
日本代表国際Aマッチ出場数最多記録保持者
遠藤保仁さんが実感している日本サッカーの目覚ましい成長
世界で切磋琢磨する若手を戦術にはめ込みながら代表の力をつけてきた印象です

元サッカー日本代表/現ガンバ大阪 コーチ
遠藤保仁さん
1998年に横浜フリューゲルスでプロデビュー。〝黄金世代〟を代表する選手のひとりで、2006年、2010年、2014年のW杯メンバー。特に2010年の南アフリカ大会では主力のボランチとして日本のベスト16進出に貢献。デンマーク戦でゴールを決めたフリーキックは伝説になっている。2023年にジュビロ磐田で26年間の現役生活を終え、現在はOBでもあるガンバ大阪のコーチとして奮闘中だ。
選手を支えるスタッフも含む経験の積み重ねが大きい
日本代表は、本当に強くなったと思います。僕が2000年に、初めて日本代表へ入った頃、W杯予選を突破すること自体が目標でした。もちろん良い試合をしたり、強豪国に善戦したりすることもありました。でも安定して結果を出せるほどではなく、良い時と悪い時の波が大きかったですね。
そこから日本の選手たちが次々と海外へ出て、様々な経験を積み、少しずつ波が小さくなってきました。その流れをさらに前へ進めてきているのが、今の〝森保ジャパン〟だと思います。
ロシアW杯の後に就任した森保一監督は(堂安)律や久保(建英)くんのような東京五輪世代を育てながら、W杯を経験した選手たちとうまく融合させていきました。そのマネジメントは相当気をつかったと思います。代表には強い個性を持つ選手が集まりますから。森保監督は、その時々で何をすべきか整理しながら、積み上げてきたのでしょう。だからカタールW杯でドイツやスペインに勝ち、決勝トーナメントへ進めたのは偶然じゃないと思っています。
そこからさらに選手たちは力をつけたと思います。特に今の代表は精神的な強さがかなり成長しました。昨年のブラジル戦のように2点リードされても「まだ行ける」という空気が自然と出てくる。残り時間が少なくて0対10なら難しいかもしれないですが(笑)。
僕らの若い頃はテクニックで何とかできる部分もありました。でも今はパワーもスピードも必要ですし、肉体的な強さがないと世界では戦えない。そういった部分も日本の選手たちは磨きをかけてきました。それでもW杯で優勝するのは、難しいミッションです。世界もどんどん進化しているので、日本は成長の歩みを止めてはいけません。少しでも積み上げつづけることが大事なんだと思います。
今は指導者になったことで、スタッフの大変さもすごくわかるようになりました。例えば2014年のブラジルW杯では結果を残せませんでしたが、あの経験はスタッフにとっても大きかったと思うんです。食事選びや時差対策はもちろん、ベースキャンプ地の選定やしっかり休息を取れる宿泊環境の提供など、スタッフが関わるそれらの要素は、選手のコンディションを大きく左右します。過去から蓄積してきた知見から、今回もかなり話し合って決めたことでしょう。W杯は選手・スタッフを合わせた全員で戦う大会だと思っています。だから、4年前と同じ森保監督の体制で積み上げができている利点は大きいですし、ベテランから若手へと伝統の継承もうまくできています。(現・日本代表コーチの)長谷部(誠)が長くキャプテンを務め、それを(吉田)麻也が引き継ぎ、その後の(遠藤)航くんにつながり、次は律や久保くんの世代が中心になっていく。そうやってバトンが渡されているのは、すごく良い流れだと思います。
今の代表チームは上を目指す人たちばかりで〝ベスト8の壁〟を破れるだけの選手がいる。W杯でも「日本は圧倒的だった」という結果を残せる時代が、すぐそこにきていると思うので、それをぜひ実現してもらえたら。そして選手には、雰囲気や空間を思い切り楽しんでほしいです。W杯って、なかなか出られる大会じゃないですからね。あとは(中村)俊輔コーチを可愛がってください(笑)。
取材・文/河治良幸 撮影/佐藤信次(遠藤保仁) 編集/田尻健二郎 写真提供/時事
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かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。
わずか30年でここまで代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか? その足跡をサッカー協会、Jリーグ、外国人監督、元日本代表のレジェンドたち、スポンサー企業など様々な視点で読み解く。
さらに『アオアシ』をはじめ、サッカー漫画がいかに日本サッカーの躍進に貢献したのか、元日本代表レジェンドたちにも取材もしました。
日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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