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年内に実装か?Appleが「Siri AI」を発表、特定のメールやSMSを探すのも便利に

2026.06.20

6月9日、AppleがWWDC2026にて「Siri AI」を発表した。

同社製品に組み込まれている音声アシスタントSiriは、他社のAIアシスタントと比較して顕著な遅れが見受けられた。後述するが、「まったく新しいSiri」はその開発が遅れ、ユーザーに提供できない状態だったにもかかわらずかなりオーバーな広告を出してしまい、それが原因の集団訴訟が発生したのだ。その訴訟に和解の目途が立ったのは、何とWWDC2026より僅か1ヶ月前のことである。

ともあれ、Siri AIはようやくその存在が公表されるに至った。具体的にどのような機能があるのか、ごく一部ではあるが取り上げたい。

メールやSMSから「特定の1通」を探す

筆者は日常、様々な人とメールやSMSでやり取りをしている。

これは筆者でなくとも、ライターなら誰しもがそのような状態に置かれているのではないか。毎日誰かから、それも複数のメールが届く。となると、重要なメールがいつの間にかどこかに紛れてしまうことも当然起こり得る。大量のメールから特定の1通だけを探すには、どうすればいいのか?

Siri AIは、Apple Intelligence対応の機種で利用できるとAppleは公表しているが、それが達成された暁には「大量のメール・SMSから人物や記載内容を特定して選び出す」ということが可能になる。「澤田さん、この前の○○に関する記事の進捗はどうですか?」という編集部からのメールも、「Hey,Siri」の呼びかけからすぐに探し出せるのだ。

いや、Siriの起動方法は「Hey,Siri」だけに留まらない。サイドボタンの操作や、ダイナミックアイランドを下にスワイプすることでもSiriを呼び出せる。

こんなシチュエーションも考えられる。Siri AIで探したメールに対して、やはりSiri AIで返信のための文章を作成し、それを送る場面だ。Appleの主張によると、Siri AIには「これまで以上にパワフルな作文ツールが組み込まれている」という。


Siriには、これまで以上にパワフルな作文ツールが組み込まれているため、ユーザーはほぼすべての文章を書く場面でSiri AIを使用できます。ユーザーは必要なことを説明し、Siriは一から下書きを作成して作業を進めます。その内容を修正したい場合は、どのように変更したいかを説明すると、Siriがすばやく更新してくれます。

メールやメッセージで作文をする際、Siriは、通常使用している句読点やトーンなど、ユーザーが受信者ごとに普段どのようにコミュニケーションしているかを反映できます。例えば、ユーザーが普段マネージャーに短い箇条書きの文章を送信している場合、SiriでEメールの下書きを作成すると、それと同じように生成されます。また、Siriは、ユーザーが書いたものを改善するためのヒントや提案も提供します。さらに、Siriは、多くの他社製アプリを含むシステム全体で、ユーザーが入力すると自動で校正できます。
(Apple、これまでよりはるかに有能でパーソナルなアシスタントであるSiri AIを発表 Apple)


日本の商習慣では、メールの文頭に「お世話になっております」と書く。筆者個人はこの文頭は好きではないのだが、ともかくこうした定型文を自動生成してくれる機能はありがたい。その上で、「Siriは、通常使用している句読点やトーンなど、ユーザーが受信者ごとに普段どのようにコミュニケーションしているかを反映できます」という上の文言にも注目したい。これは言い換えれば、「その人独特の文体を再現できる」という意味ではないか?

親指操作にさよなら

この「句読点やトーン」は、音声認識能力を語る上でも重要なポイントだ。

Siri AIの音声認識能力は、ユーザーの言葉を正しいスペル(大文字、小文字の区別含む)や正確な句読点を導き出せるという。これが意味するのは、「親指を使わなくて済む近未来」ではないか?

筆者はスマホで文字を打つ際、トグル入力でそれを行う。いわゆる「ケータイ打ち」で、何回も同じところをタップする方法だ。一時期はフリック入力に対応しようと思ったのだが、どうも慣れない。が、今年後半から世界各国で順次実装されるというSiri AIにより、そうしたことも「過去の光景」になってしまう可能性も考えられる。

話は少し飛躍するが、旧車オーナーのiPhoneユーザーはSiri AIの実装を大歓迎するべきではないか。筆者自身も2003年式のダイハツ・コペンに乗っているが、こうした車では最新型のカーナビなど望めるものではない。故に、筆者は普段のドライブではスマホホルダーにiPhone 16eを設置して地図アプリを起動させている。

運転中にiPhoneを操作することなど、もちろんできない。わざわざ「iPhoneに」という固有名詞を使ったのは、Androidのハイエンドモデルならそれが可能になっているからだ。

残念ながら、それだけAppleの音声AIアシスタント開発は遅れを取っていたということだ。

勝負はこれから

2024年の一時期、Appleは「パーソナライズされたSiri」という広告を出していた。これは実際には開発が難航していたようで、導入予定が遅れたことはApple CEOのティム・クック氏も認めている。つまり、広告だけがフライングスタートしてしまったということだ。

これが明確な「誇大広告」ではないかと指摘され、集団訴訟の騒ぎになった。Appleが2億5000万ドルの和解金を払ってようやく事態を収束させたのは、冒頭にも書いた通り今年5月。「まったく新しいSiri」は、実際問題としてマイナスからのスタートを余儀なくされたと言ってもいいだろう。

しかし、勝負はこれからだ。

Siri AIの用途は、今の時点で想定できるものだけでも極めて多岐に渡る。「Aさんとの過去のSMSでのやり取りを参考に、ワールドカップを観戦するための食事のレシピを作る」「Bさんが写っている写真だけを選び出す」「複数のファイルを選択し、その内容を総括・要約する」といったことも可能としている。つまり、Siri AIは複合的な使い方ができる故、実際にどのような使い道ができるのかAppleも分かり切っていない様子なのだ。

そんなSiri AIが我々の暮らしにどのような影響を及ぼすのか、今から胸が躍ってしまう。

参考
Apple、これまでよりはるかに有能でパーソナルなアシスタントであるSiri AIを発表 Apple

文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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