6月は梅雨で、夏になればゲリラ豪雨が頻発する。雨傘が手放せない季節が続くが、現在、どんな傘が生活者から求められているのだろうか?
ウェザーニューズはこのほど、梅雨の季節やゲリラ雷雨など突発的な雨の際に欠かせない傘について、お天気アプリ「ウェザーニュース」のユーザーに調査を実施し、その結果を発表した。
傘購入時のポイントは「安さ」を抑え「丈夫さ」が多数派
「いま持っている傘を購入する時に重視したポイントは?」と聞いたところ、「丈夫さ」が46%でダントツの1位となった。以下「デザイン」と「軽さ」が17%と続き、「安さ」は10%にとどまっている。男女間でも、価値観の大きな開きが見られた。男性は半数以上(54%)が「丈夫さ」が最優先で、「デザイン」はわずか8%にとどまり、壊れにくさを何よりも重視する傾向が顕著だ。
女性のトップは「丈夫さ」で34%だが、「デザイン」も32%とほぼ同率で並ぶ。一方で「安さ」はわずか5%で、気に入ったデザインや機能のためなら出費を惜しまない姿勢が浮き彫りとなった。
年齢層によっても、傘に求める“快適さ”の定義が異なることもわかった。10~30代の「丈夫さ」への重視度は56~58%と非常に高く、若者ほど壊れにくさを最優先にしている。「軽さ」を重視する割合は年齢とともに右肩上がりに上昇し、60代で20%、70代で23%に達する。シニア世代にとっては、持ち歩き時の体への負担が少ない軽量モデルやコンパクトさが、購入の重要な基準となっている。
9年前(2017年)と比較すると傾向が変化していたことがわかった(※)。「丈夫さ」を重視している割合は、2017年が45%だったのに対し、2026年は51%へ上昇。一方で、「デザイン」は25%(2017年)から18%(2026年)、「安さ」は16%(2017年)から11%(2026年)へとそれぞれ減少した。近年の度重なる豪雨や強風へのリスク意識から、「激しい雨風でも壊れないタフな傘」を買い求める消費者が増加傾向であると言えるかもしれない。
※2017年の選択肢と揃えるため、2026年の調査結果は「その他」を除いた割合で表記している。
2015年から1,000円以上アップ!全国平均は「3,272円」に上昇
「傘一本にいくらまで出せますか?」という質問に対して、500円単位で任意の金額を聞いた。全国平均は「3,272円」となった。11年前(2015年)の同調査の平均予算「2,227円」と比較すると、1,045円もの大幅な上昇となった。この10年余りで傘に対する金銭感覚が大きく変化しているようだ。
予算の金額を都道府県別に見ると、1位の京都は4,000円を超えており、47位の秋田とは約2,000円もの開きがある。京都や東京などの都市部、そして古都奈良などでは、身だしなみや傘の機能性へのこだわりが予算を大きく押し上げているのかもしれない。
フリーコメントを分析すると、「多少高くても、風に強くて壊れずに長く使えるタフなものが欲しい」「長傘ではなく、折り畳みで日傘兼用(晴雨兼用)であれば、高い遮光性や遮熱性などの高機能を考えてこれくらいの値段(3,000~5,000円)まで出せます」といった意見が見られた。近年の環境変化に伴い、「長持ちする耐久性」や「晴雨兼用の多機能性」への投資を惜しまない姿勢が主流になりつつあるのかもしれない。
直近2年で「買った回数0回」が75.7%!購入頻度は「0.5回」で変わらず
「直近2年で、急な雨で傘を買った回数は何回ですか?」という質問に対して、任意の回数を回答してもらった。「0回」と答えた人が75.7%と全体の4分の3以上を占めた。全体の平均購入回数は「約0.5回」となっており、これは2024年の過去調査と比較しても「0.5回で変わらず」という結果になった。ゲリラ雷雨のニュースが増える一方で、出先で突発的に傘を買い足す人は、ここ数年非常に低い水準で安定している。
都道府県別で見ると、島根(1.2回)や大分(1.1回)がやや高めであるものの、日本地図を見ても大半のエリアが平均0.5回未満に収まっている。出先での傘の購入回数が低い水準を維持している背景には、現代人ならではのスマートな防衛策とライフスタイルの変化がある。調査から見えてきた、傘を買い足さずに済んでいる主な理由としては、「晴雨兼用傘」の常時携帯が習慣化、高精度な予報チェックと雨宿り、マイカーへの「置き傘」徹底が目立っていた。
折り畳み傘は都市部ほど携帯率が高く、地方ほど持たない
折りたたみ傘を普段どれくらい携帯しているかを聞いたところ、最も多かったのは「雨予報の時だけ」で全体の46%を占めた。天気予報を事前にチェックし、必要な日だけバッグに入れるのが主流のようだ。次いで「いつも持ち歩く」が30%、「持ってない」が24%となり、お出かけ時の準備スタイルは大きく分かれる結果となった。
フリーコメントを分析すると、カバンに入れっぱなしにする常時携帯派が「ゲリラ雷雨へのお守り」とする一方で、予報連動派は「少しでも荷物を軽くしたい」というミニマリスト的なこだわりを持っており、それぞれのライフスタイルに合わせた合理的な選択がなされていることがうかがえる。
折りたたみ傘を日常的に活用している(「いつも持っている」または「雨予報の時だけ持つ」)割合が高い地域は、すべて首都圏と関西圏の都市部に集中している。これらの地域は電車や徒歩による移動がメインであるため、「出先で突然雨に降られて濡れるリスク」を避ける意識が強く、折りたたみ傘が必須アイテムとなっていることがわかる。
一方で、折りたたみ傘の携帯率が最も低く、「持ってない」の割合が半数近くに達している地域には、北陸や四国、東北の日本海側などが名を連ねている。これは、「車社会」であることが1つの要因として考えられる。「電車移動(都市型)か、車移動(地方型)か」という生活インフラの違いが、折りたたみ傘の携帯習慣を分ける最大の要因となっていると考えられる。
傘だけじゃない!みんなの「雨の日対策」リアルな声
「通勤・通学時に雨が降っている場合、傘以外には主にどんな対策する?」と聞いたところ、傘以外にもさまざまな工夫で雨の日を乗り切っている姿が見えてきた。圧倒的に多かった対策から順に紹介する。
【1位】足元の防水対策:靴の選択と「防水スプレー」
最も多くの声が集まったのが、足元の不快感を防ぐ工夫だ。「長靴やレインブーツ、レインシューズを履く」という定番スタイルはもちろん、「お気に入りのスニーカーに防水スプレーをしておく」「防水性の高い素材の靴を選ぶ」といった、高機能な足元対策を徹底している人が目立った。
【2位】身を守るウェア:「レインコート・カッパ」派
続いて多かったのが、服を濡らさないためのレインウェアの着用だ。特に自転車通勤・通学の人や、風が強くて傘が役に立たないレベルの大雨の日に重宝されている。
【3位】移動手段・行動の工夫:「車移動」や「時間調整」
「そもそも濡れないように動く」というアプローチも上位にランクイン。車通勤のため傘は車内置きっぱなしという人や、交通手段を切り替える人、さらには出勤・退勤のタイミングをずらす知恵も見られた。
【4位】荷物の保護とケア:「タオル・替えの靴下・ビニール袋」
万が一濡れてしまったときの後方支援セットを用意している周到な方もたくさんいた。
日傘の利用、男性の利用率は着実に前年超え
雨傘に加えて日傘の利用状況について尋ねたところ、全体の57%が「使ってない」と回答し、「検討中」の9%と合わせてもまだ全体の約6割以上が日傘を使用していないという結果になった。普及率で見ると依然として少数派ではあるが、その内実には確実な変化が起きている。
特に注目すべきは「男性日傘」の着実な浸透だ。2019年に実施した同調査と比較すると、男性の「使ってる+今年デビューした」の割合が、4%(2019年)から15%(2026年)大幅に増えていることがわかった。女性の使用率(63%)に比べるとまだ50ポイントほどの大きな開きがあるものの、男性の間でも「周囲の目が気になる」という心理的ハードルより「圧倒的な涼しさ」という実利を選ぶ人が確実に増えている。
年代別の分析では、今後のさらなる市場拡大を予感させるデータが飛び出した。各年代の現在の利用率は24~34%の間でほぼ横ばいだが、20代は「検討中」が20%と、全年代の中で突出して高い数値を記録している(全体平均は9%)。
すでに20代では3%が「今年デビュー」を果たしていることからも、若い世代ほど日傘への関心が高く、きっかけがあれば今すぐにでも使い始めたいという高い潜在需要を抱えていることがわかる。
一番人気は王道の「黒」!定番カラーに人気が集中
現在使用している日傘の色を尋ねたところ、1位は「黒」で31%を占め、定番色として最も支持されていることがわかった。黄色やピンク、緑などの鮮やかな単色は各1~2%と少数派にとどまり、日傘選びにおいては黒や白、青といった定番カラーに人気が集中していることがわかる。
また、日傘専用ではなく、急な雨にも対応できる「晴雨兼用」として使っているケースが多く、傘のマルチタスク化が定着していることもうかがえる。フリーコメントを分析すると、日傘の色選びはデザインの好み以上に「遮熱・UVカット効果」をシビアに追求する傾向が鮮明になった。最もこだわり派の声が集まったのがこの構造だ。
「全部黒だと熱がこもる。外側の白で太陽光を反射し、内側の黒で路面からの照り返しを吸収するのが一番涼しい」と、理にかなった防暑対策として選ばれている。黒単色には「遮光率の高さが一番信頼できる」と根強い支持がある。また、シルバー愛用者からは「熱の遮断力が段違いで、一度使うと手放せない」と物理的な涼しさを絶賛する声が寄せられた。
その他の意見(青・ネイビー・柄物など)としては、内側が青空柄の傘で「見上げた時に気持ちを前向きにする」という工夫や、スーツに馴染む「ネイビーやグレー」、さらに「ボーダーやチェック柄」で熱中症対策とおしゃれを両立させるなど、ライフスタイルに合わせた多様な選択肢も見られた。
<アンケート概要>
質問:「折りたたみ傘の持ち歩きは?」回答:いつも持ち歩く/雨予報の時だけ/持ってない回答数:10,245人
質問:「いま持っている傘を購入する時に重視したポイントは?」回答:デザイン/安さ/丈夫さ/軽さ/その他回答数:9,749人
質問:「今使っている日傘の色は?」回答:白/黒/黄色/ピンク・赤/緑/青/ベージュ/シルバー・ゴールド/その他の色・柄回答数:8,594人
質問:「日傘を使っていますか?」回答:使ってる/今年デビューした/検討中/使ってない回答数:10,859人
質問:「傘一本にいくらまで出せますか?」回答:0~50,000円(500円刻み)回答数:10,507人
質問:「直近2年で、急な雨で傘を買った回数は何回ですか?」回答:0~50回回答数:11,044人
質問:「通勤通学時に雨が降っている場合、傘以外には主にどんな対策するか教えてください。」回答数:4,052人
出典元:株式会社ウェザーニューズ
構成/こじへい







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