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22か国で最下位!日本のデータプライバシー意識が突出して低い理由

2026.06.15

いまやサイバーセキュリティに対する意識や強化策は、世界的な懸念事項といえるだろう。個人向けセキュリティサービスを提供するNordVPNは、世界22か国の2万2000人にデータプライバシー意識調査を実施して結果を公開したが、日本は知識・自信・コントロール・通知・リスク対策の全5指標で最下位となり、調査対象国で「個人データを自分でコントロールできている感覚」がもっとも乏しいことがわかった。

ちなみに調査では、オンライン上のデータプライバシーに関する意識・行動・実態について、知識(オンラインサービスやSNS による個人データの収集・利用方法への理解度)、自信(オンラインショッピングでの決済情報入力に対する安心感)、コントロール(個人データの取り扱いに対するコントロール感)、通知(データ侵害発生時の即時通知への期待)、リスク対策(プライバシー設定の定期的な確認・調整といった能動的な対策行動)の5つの設問を基に、回答は「わからない」、「完全に当てはまる」、「やや当てはまる」、「あまり当てはまらない」、「全く当てはまらない」の5段階による自己評価から分析されている。

サイバーセキュリティ―意識についてグローバルに見る4つの構造的傾向

調査した22か国のデータプライバシーに関する平均スコアは71%だった。上位はメキシコ(81%)、香港・台湾(ともに79%)でラテンアメリカや東アジア勢が底上げしたが、最下位は53%の日本だった。次点のベルギーとの差は13ポイントで、22か国平均の71%より18ポイントも下回っていた。日本のデータプライバシー意識は、他国から突出した低さという結果になった。

グローバルのデータプライバシー意識の構造的な傾向としては次の4つがあった。

1:「通知」のニーズは22か国共通。「データ侵害時は即座に知らせてほしい」は、グローバル平均で87%と全指標中最高だった。なかでもノルウェーは96%とトップだった。日本は77%で、この指標でも最下位圏だった。

2:ラテンアメリカ・東アジアは「自分で守る」意識が高い。ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、台湾、香港はリスク対策スコアが特に高く、「心配なことがあれば自分で行動する」タイプが多い傾向があった。

3:「自信」と「コントロール」は全市場で一様に低い。全22か国で「知識」と「通知」と比較すると、「自信」と「コントロール」は一貫して低い値になった。「知っている」ことと「守れている」実感の間には構造的なギャップがあることがわかった。

4:北欧は「心配はある、でも自分では守れない」型。スウェーデン、ノルウェー、デンマークの北欧諸国の通知ニーズは世界最高水準だった。その一方でリスク対策行動は世界最低水準だったが、これは「制度や法規制側に対応を期待する」文化的傾向が反映された結果だという。日本も同様の傾向だった。

日本のデータプライバシー意識が突出して低い理由とは?

5つのプライバシー指標の平均スコアで比較すると日本は53%で22か国中最下位という結果だったが、特に低い指標が次の2つだ。1つ目はコントロール感(39%)。「オンライン上での個人データの取り扱いをコントロールできていると感じる」割合は全指標中最低水準で、生活者の“情報の手綱を握れていない感覚”が浮き彫りになった形だ。もうひとつが知識(44%)だ。「オンラインサービスやSNS が自分のデータをどう収集・利用しているか理解している」と答えた割合が低く、データの流れを把握できていない実態もあるようだ。NordVPNの最高技術責任者(CTO)のマリユス・ブリエディス氏は、この結果について「多くの人は自分のデータがどう集められているかをある程度理解し、対策も取っています。それでもなお、最終的にデータの行方を決めているのはアプリや企業側だと感じているのです」とコメントしている。

さらに日本人の77%が「個人データが侵害された場合はすぐに通知してほしい」と回答したにも関わらず、「自分でデータをコントロールできている」と感じている人は39%と約4割しかいない。この38ポイントの乖離は、スウェーデン(46pt)とノルウェー(41pt)に次ぐ世界3位の深刻さだ。「危機感はある、でも自分の行動では守れない」という心理構造は、北欧と日本の特徴といえる。セキュリティ意識は高いにも関わらず、自分の行動よりも企業や行政側の制度整備に解決を委ねる「制度依存型」のプライバシー観が背景にあると考えられる。

さらに全設問で「わからない」と答えた割合が、22か国中でもっとも高いのが日本だった。これは単なる意見の対立ではなく、データプライバシーというテーマそのものへの不慣れを意味しており、強い意見を表明しにくい文化的背景に加えてデジタルプライバシーに関する基礎リテラシーの底上げが社会的に急務といえそうだ。

高齢者と若年層の世代間・層間格差も

各指標で属性による差も明確に現れた。通知に関しては、「即座に知らせてほしい」がもっとも強い層は65歳から74歳の団塊世代や退職者だった。これは不正アクセスや詐欺への脆弱性不安が強く表れている。逆にもっとも小さい層は、18歳から44歳のZ世代・ミレニアル世代、学生、低学歴層だった。こちらは「誰かが守ってくれるはず」という受動的な意識や具体的なセキュリティ改善の効果を実感した経験の乏しさが反映された結果と言えそうだ。

コントロールの「自分で守れている」が高い層は、18歳から34歳の若年層、修士・博士号取得者、フリーランスや経営者だった。それぞれ独立した属性として各観点で相対的に自己効力感が高いのが理由だろう。低い層は、55歳から74歳のX世代や団塊世代、退職者。こちらは「自分のデータの管理はプラットフォームに委ねるしない」という感覚があるようだ。

リスク対策では、「プライバシー設定を定期的に見直している」をもっとも行動している層は、男性、または18歳から24歳のZ世代、子どものいる世帯、自営業者・経営者だった。「身近に守るべき存在がいる」人ほど行動に移す傾向があった。もっとも行動していない層は、65歳から74歳や退職者で、「デジタル操作自体が難しい」や「設定画面の場所が分からない」などの障壁が行動の低さの要因になっているようだ。

「年代」、「学歴」、「職業」の軸でもデジタルリテラシーの格差が、プライバシーに対する「安心感」の格差にそのまま現れる構造になっており、「知っている」人が必ずしも「守れている」とは限らないことがデータから読み取れたという。そこでNordVPNの最高技術責任者(CTO)であるマリユス・ブリエディス氏は、次の5つの対策を推奨している。

1:アプリの権限を月に一度見直す:位置情報・連絡先・カメラ・マイク・写真へのアクセスを、不要なものは即削除する。

2:パスワードは使い回さず、多要素認証(2FA)を必ず有効化。万が一パスワードが漏えいしても二段階認証があれば不正ログインを防げる。

3:SNSやショッピングサイトのプライバシー設定を定期的に確認する。公開範囲・広告ターゲティング・データ共有のオプションは、サービス側のアップデートで変わることがある。

4:支払い情報の保存は信頼できるサイトに限定する。URLを必ず確認し、初めて使うお店にカード情報を残さない。

5:セキュリティツールで不要なトラッキングをまとめてブロックする。NordVPN の「脅威対策Pro」のような機能で悪質サイト・トラッカー・広告・マルウェアを一括で遮断できる。

データプライバシーを守るには、日々の利用シーンで小さな判断を積み重ねる必要がある。アプリなどの設定が複雑だったり、セキュリティで許可される範囲が広すぎたり、データの使い道が分かりづらかったりすると、リテラシーが高い人でも「自分のデータがどう扱われているか半分しか分からない」と感じてしまうケースもありそうだ。まずは定期的な権限見直しとURLの確認、二要素認証の徹底など基本動作を習慣化することで、データセキュリティの強化を図るべきだろう。

『データプライバシー意識調査』概要

調査対象:世界22か国の18歳~74歳
サンプル:日本1005名、グローバル2万2000名
調査期間:2026年2月10日~2026年4月8日
調査機関:NordVPN・Cint パネルなど
https://nordvpn.com/ja/

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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