FIFAワールドカップ北中米大会では、日本代表はどんなプレーを見せてくれるのだろうか。サッカー日本代表の歴代監督は世界に勝つための様々な戦術を練り、選手たちはJリーグや海外で研さんを積み、日本のW杯8大会連続出場につながった。そんな足跡を、戦術面などに造詣の深い、元サッカー日本代表・戸田和幸さんとサッカーライター・河治良幸さんのふたりが振り返る。
※本稿は『DIME 8月号』(2026年6月16日発売)掲載の「【完全保存版】日本サッカー躍進の軌跡」から一部を抜粋・再編したものです
2010年代で印象的だったザックジャパンの「アシンメトリー」、ハリルジャパンの「デュエル」
河治:ザッケローニ監督時代のことはどのように見ていましたか。
戸田:〝ザックジャパン〟は完成度が高かったです。選手同士の関係性もできていたと思いますし。ただ、W杯の直前に少しピークアウトした感はありますよね。

河治:完成度が高いだけに主力メンバーが固定されがちでしたね。だから主力メンバーのコンディションに波が出たことで、最後半年ぐらいはチームの状態を上げるのが、かなり難しくなってしまった。
戸田:それを見越した選手層の厚いチームづくりができていなかったといえるでしょう。
河治:当時のことは、まさに今の〝森保ジャパン〟にも生かされているところでしょうね。
戸田:選手のコンディションに関して言えば、ブラジルW杯の際、単純にキャンプ地と試合会場の移動距離に問題があったのかなと。だって選手が重く見えましたもん。
河治:遠藤保仁さんのインタビューにあるように、ブラジルW杯は、選手たち以上にスタッフがすごく経験した大会になったんじゃないかと。
戸田:練習場所が試合会場とは全然違う環境のところでしたし。
河治:次の〝アギーレジャパン〟は縦に速く攻める意識付けが特徴で、それは〝ハリルジャパン〟にもつながっていきましたよね。

戸田:ハリルさんは「デュエル」をかなり強調していましたよね。
河治:練習でも1対1を徹底的にやらせていました。外国人選手に対して苦手意識を持たず、戦うことから逃げるなと。そんなハリルさんはロシアW杯の本大会直前というタイミングで解任されるわけですが、そのまま続けていたら、どんな結果を残せていたのか、誰にもわかりませんよね。

戸田:彼のように明確な決め事を作って選手に伝える方が、W杯のような短期の大会でハマる可能性が十分にありますから。
河治:ロシアW杯では最終的に急きょ西野さんが監督に就任し、短期間でチームをまとめてベスト16に進みました。準備の時間もなくバタバタだったと思いますけど、それでも選手と話し合いながら、チームをまとめて初戦に入れたのは西野さんの功績だと思います。
戸田:急場しのぎみたいな部分もあったと思いますけど、その方が逆に躍動感が出ることもある。それもフットボールなんですよね。


(中央)長友佑都/無尽蔵のスタミナと走力で、主に左サイドバックとして過去4大会のW杯を経験。チーム一番のムードメーカーであり、2018年ロシアW杯の直前合宿ではチームの雰囲気を良くするために、金髪の〝スーパーサイヤ人〟に。
(左)長谷部 誠/2010年の南アフリカW杯で、開幕直前にキャプテンマークを託され、2014年のブラジルW杯、2018年のロシアW杯で不動のキャプテンとして日本代表を支え続けた。〝森保ジャパン〟のコーチとして北中米W杯に挑む。
(写真提供:時事)
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今月のDIMEでは、日本サッカー協会、Jリーグ、育成世代だけでなく、スポンサー企業の貢献など進化の舞台裏、立役者を独自の視点から徹底取材。驚きの事実が明らかに…!

かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。
わずか30年でここまで代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか? その足跡をサッカー協会、Jリーグ、外国人監督、元日本代表のレジェンドたち、スポンサー企業など様々な視点で読み解く。
さらに『アオアシ』をはじめ、サッカー漫画がいかに日本サッカーの躍進に貢献したのか、元日本代表レジェンドたちにも取材もしました。
日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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取材・文/河治良幸、編集/田尻健二郎、web構成/峯亮佑







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