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サッカー日本代表の戦術をプレイバック!00年代はタレントが豊富な時代に生まれた「個人尊重」主義

2026.06.13

FIFAワールドカップ北中米大会では、日本代表はどんなプレーを見せてくれるのだろうか。サッカー日本代表の歴代監督は世界に勝つための様々な戦術を練り、選手たちはJリーグや海外で研さんを積み、日本のW杯8大会連続出場につながった。そんな足跡を、戦術面などに造詣の深い、元サッカー日本代表・戸田和幸さんとサッカーライター・河治良幸さんのふたりが振り返る。

※本稿は『DIME 8月号』(2026年6月16日発売)掲載の「【完全保存版】日本サッカー躍進の軌跡」から一部を抜粋・再編したものです

2000年代はトルシエ監督、ジーコ監督、オシム監督、そして岡田監督の時代へ

河治:フランスW杯以降は〝トルシエジャパン〞の時代に入ります。戸田さん自身も2002年の日韓W杯を経験されました。

戸田:トルシエさんって、特殊でしたよね。ユースや五輪も含めて全部の日本代表を見ていたので。加えて、コンフォートゾーン(安全な領域)から選手を外に連れ出す感じがありました。ユースをアフリカに連れて行くなど、いろんな刺激を与えて、世界を見る感覚を植え付けていたと思います。

河治:その積み重ねが、U-20代表ワールドユース準優勝、シドニー五輪ベスト8、そして2002年の日韓W杯につながりました。

戸田:日韓W杯のチームは、すごく方向性がはっきりしていました。甘えも妥協もなかった。良い意味でピリピリしていたと思います。

河治:「フラット3」のイメージがとても強く、システマティックなチームだった印象があります。

フィリップ・トルシエ監督の「フラット3」(2002年 日韓W杯 グループリーグ チュニジア戦)/3人のセンターバックがフラットのラインを形成し、積極的な中盤のボール奪取を可能にするためのシステム。それまでの3バック=2ストッパー+スイーパーという固定観念を覆し、攻撃的な守備という思考を広めたが、全員に高い集中力とハードワークが求められた。

戸田:そこまで機械的ではなかったですよ。中田浩二がどんどん攻撃参加していたし、小野伸二が左で時間を作るなど、流動性もありました。決め事だけで動いていたわけじゃなかったんですよ。ちなみに中田英寿という存在が出てきたのも実に大きかった。日本サッカーの基準が変わりましたよね。

河治:次の〝ジーコジャパン〞はかなり方向を転換しましたよね。

戸田:〝自由〟というイメージが強く、実際、選手にかなり任せていたと思います。それは間違いではないけど、選手同士でコンセンサスを作り切れないと難しくなる。

河治:中田英寿、中村俊輔、小笠原満男、稲本潤一と、タレントがすごく揃っていましたけどね。

ジーコ監督の「個人尊重」(2006年 ドイツW杯 グループリーグ クロアチア戦)/ 選手時代の経験から戦術で縛るのではなく、選手の個性やアイデアを生かすことを重視。特に攻撃面は選手間の感覚的なイメージ共有に重きを置いた。守備はアジアから世界に舞台が変わるにあたり、マンツーマン気味の守備をベースにしながらバランスを重視した。
(右)小野伸二/「天才」の名を欲しいままにしたテクニシャン。フランスW杯ジャマイカ戦は、最年少の18歳と272日で出場。シドニー五輪予選で負った大ケガが悔やまれるが、それでも欧州や代表で活躍し、44歳まで現役でプレーした。
(左)中田英寿/海外日本人選手のパイオニア的な存在。日本が初めて出場した1998年フランスW杯の直後からイタリアやイングランドで活躍し、2006年ドイツW杯で現役を引退。「人生とは旅であり……」という名言を残した。(写真提供:時事)

戸田:だからこそ誰がまとめるのかという問題があったのかなと。

河治:そこからオシム監督、岡田監督へと続き、2010年南アフリカW杯では日本が再びベスト16へ進出しました。

イビチャ・オシム監督の「考えながら走る」(2007年 アジアカップ 準決勝 サウジアラビア戦)/単に世界基準を追うのではなく、日本人の長所である勤勉さ、協調性、高い技術などを生かしつつ、型にハマらない流動的を重視。運動量は多くなるが、ピッチ上の状況に応じて判断し、最適なスペースへ動くことを求めた。森保監督の「臨機応変」にも影響を与える。

戸田:この頃は本田圭佑の存在感が大きかった。それと阿部勇樹がアンカーに入って4−1−4−1のフォーメーションとなり、各選手が特徴を出せるようになった。

河治:岡田監督は本番直前で、かなり大胆に戦い方を変えました。

戸田:結果的に、それがハマりましたよね。センターバックが中澤佑二と闘莉王なら、ラインを下げて守る方が強みは出る。その土台ができたことで、前のポジションにいる選手も生きたと思います。

岡田武史監督の「ブロック守備」(2010年 南アフリカW杯 グループリーグ デンマーク戦)/当初はハイプレスと迫力ある攻撃を標榜していたが、結果が出ない中で本番直前に選手と話し合い、徹底した守備ブロックから相手の隙を突く戦い方を決断。本田圭佑を1トップ、阿部勇樹をアンカーとする4-1-4-1で粘り強く守りながら少ないチャンスをものにする。

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日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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取材・文/河治良幸、編集/田尻健二郎、web構成/峯亮佑

Author
大学卒業後、『週刊ポスト』で週刊誌記者としてキャリアを始める。医療、芸能、政治、社会問題などを担当し現場取材を中心に経験を積む。2023年からは@DIMEで編集者兼ライターを務め、ビジネスからエンタメまで幅広く取材・執筆を行なう。取材・執筆した企画(一例)/「ポケモン超進化論」(「DIME 2023年9・10月合併号」)、「ガンプラ45年の軌跡」(「DIME 2025年9・10月合併号」)

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