FIFAワールドカップ北中米大会では、日本代表はどんなプレーを見せてくれるのだろうか。サッカー日本代表の歴代監督は世界に勝つための様々な戦術を練り、選手たちはJリーグや海外で研さんを積み、日本のW杯8大会連続出場につながった。そんな足跡を、戦術面などに造詣の深い、元サッカー日本代表・戸田和幸さんとサッカーライター・河治良幸さんのふたりが振り返る。
※本稿は『DIME 8月号』(2026年6月16日発売)掲載の「【完全保存版】日本サッカー躍進の軌跡」から一部を抜粋・再編したものです
2000年代はトルシエ監督、ジーコ監督、オシム監督、そして岡田監督の時代へ
河治:フランスW杯以降は〝トルシエジャパン〞の時代に入ります。戸田さん自身も2002年の日韓W杯を経験されました。
戸田:トルシエさんって、特殊でしたよね。ユースや五輪も含めて全部の日本代表を見ていたので。加えて、コンフォートゾーン(安全な領域)から選手を外に連れ出す感じがありました。ユースをアフリカに連れて行くなど、いろんな刺激を与えて、世界を見る感覚を植え付けていたと思います。
河治:その積み重ねが、U-20代表ワールドユース準優勝、シドニー五輪ベスト8、そして2002年の日韓W杯につながりました。
戸田:日韓W杯のチームは、すごく方向性がはっきりしていました。甘えも妥協もなかった。良い意味でピリピリしていたと思います。
河治:「フラット3」のイメージがとても強く、システマティックなチームだった印象があります。

戸田:そこまで機械的ではなかったですよ。中田浩二がどんどん攻撃参加していたし、小野伸二が左で時間を作るなど、流動性もありました。決め事だけで動いていたわけじゃなかったんですよ。ちなみに中田英寿という存在が出てきたのも実に大きかった。日本サッカーの基準が変わりましたよね。
河治:次の〝ジーコジャパン〞はかなり方向を転換しましたよね。
戸田:〝自由〟というイメージが強く、実際、選手にかなり任せていたと思います。それは間違いではないけど、選手同士でコンセンサスを作り切れないと難しくなる。
河治:中田英寿、中村俊輔、小笠原満男、稲本潤一と、タレントがすごく揃っていましたけどね。


(左)中田英寿/海外日本人選手のパイオニア的な存在。日本が初めて出場した1998年フランスW杯の直後からイタリアやイングランドで活躍し、2006年ドイツW杯で現役を引退。「人生とは旅であり……」という名言を残した。(写真提供:時事)
戸田:だからこそ誰がまとめるのかという問題があったのかなと。
河治:そこからオシム監督、岡田監督へと続き、2010年南アフリカW杯では日本が再びベスト16へ進出しました。

戸田:この頃は本田圭佑の存在感が大きかった。それと阿部勇樹がアンカーに入って4−1−4−1のフォーメーションとなり、各選手が特徴を出せるようになった。
河治:岡田監督は本番直前で、かなり大胆に戦い方を変えました。
戸田:結果的に、それがハマりましたよね。センターバックが中澤佑二と闘莉王なら、ラインを下げて守る方が強みは出る。その土台ができたことで、前のポジションにいる選手も生きたと思います。

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今月のDIMEでは、日本サッカー協会、Jリーグ、育成世代だけでなく、スポンサー企業の貢献など進化の舞台裏、立役者を独自の視点から徹底取材。驚きの事実が明らかに…!

かつてのサッカー日本代表があと一歩のところで届かなかったアメリカの地に、夢の祭典が再び帰ってきた。現在の代表チームが目指すのは、あくまで〝優勝〟。出場すらかなわなかった32年前を知る世代からすれば、考えられないほどの高い目標設定だ。
わずか30年でここまで代表チームが成長し、日本のサッカー文化自体も発展を遂げられたのはなぜか? その足跡をサッカー協会、Jリーグ、外国人監督、元日本代表のレジェンドたち、スポンサー企業など様々な視点で読み解く。
さらに『アオアシ』をはじめ、サッカー漫画がいかに日本サッカーの躍進に貢献したのか、元日本代表レジェンドたちにも取材もしました。
日本サッカー協会会長 宮本恒靖
日本サッカー協会名誉会長 田嶋幸三
Jリーグ チェアマン 野々村芳和
名古屋グランパス監督 ミハイロ・ペトロヴィッチ
ガンバ大阪 代表取締役社長 水谷尚人
元サッカー日本代表 戸田和幸
元サッカー日本代表 遠藤保仁
元サッカー日本代表 福西崇史
元サッカー日本代表 中村憲剛
『アオアシ』作者 小林有吾先生
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取材・文/河治良幸、編集/田尻健二郎、web構成/峯亮佑







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