VLOG撮影などで活躍する、ジンバルカメラの最高峰「Osmo Pocket」シリーズの4代目が先頃発売された。
その名は「Osmo Pocket 4」。発売早々に品薄になるほどの人気ぶりで、メーカーであるDJIへの期待感、信頼感を裏付ける好スタートとなった。
先日、現物を1台入手したのでレビューしよう。
クリエイティブを深化させる多彩なアクセサリー
ラインナップは、同梱のアクセサリーによって4種類に分けられる。ミニマムな「スタンダードコンボ」から、長時間撮影に対応する「クリエイター コンボ Plus」まであり、価格は79,200円から109,450円までとなっている。
筆者の元に届いたのは、99,880円の「クリエイター コンボ」。箱から取り出し、全部を並べると以下の写真のとおり。
カメラ本体のフォルムは、「Osmo Pocket 3」とほぼ同じだが、サイズはわずかに大きく、自重もわずかに重くなっている。
より快適にグリップできるようハンドルが付属している。これは、本体の下から差し込むかたち。
ちなみに、別売でバッテリーハンドルもある(「トラベル コンボ」「クリエイター コンボ Plus」は同梱)。これは追加バッテリーを内蔵したハンドルで、通常のハンドルより少し長い。いずれにせよ、不意の落下防止のためリストストラップを通しておくべきだろう。
補助ライトは、ヘッド部分の背面に装着して、被写体に光を当てるのに使う。
本体を固定して撮影するために、ミニ三脚も付属している。ハンドル下部には1/4インチ のねじ穴が開いており、そこに差す。
USB-C−USB-C PDケーブル (USB 3.1)が1本付属しており、充電はこれで行う。充電中はタッチ画面に充電ステータスが表示される。(電源にもよるが)ゼロから最速18分で80%までスピード充電され、満充電では1080p/24fpsでおおむね4時間撮影できる。
広角レンズも同梱されており、使う際はレンズに重ねるようにしてマグネットで装着する。
収納グッズは、キャリーポーチとキャリーバッグの2つ。前者は本体含めミニマムな装備で持参するときに使う。後者はラウンドファスナーで大きく開き、ほとんどのギアを仕切りながら収納できる。
このほか、トランスミッター一式が付属しているが、いったん後回し。先に、操作方法や実際の撮影能力について見ていこう。
ボタンとタッチ画面で行うシンプルな操作性
撮影時のボタン操作は、「Osmo Pocket 3」を踏襲しておりシンプルに徹している。本体には2つのボタンが見えるが、赤丸のボタンは電源のオン/オフならびに撮影開始/停止、その左のボタンはジョイスティックである。
ジョイスティックを指先で上下左右に倒すことで、カメラのチルト(上下)、パン(左右)、ズーム(~4倍)の調整を行う。
タッチ画面を90度横向きに倒すと、さらに2つのボタンが現れるが、これらは「Osmo Pocket 3」にはなかったものだ。左側はズームボタン。ジョイスティックのズーム機能は0.1刻みで調整するのに対し、こちらは2倍、4倍にダイレクトに切り替える。右側のボタンはカスタムボタンと言って、ジンバルモードの切り替えといったボタン操作をカスタマイズできる。
それ以外の様々な設定・調整は、タッチ画面に触れることで行う。詳細は割愛するが、撮影モード(動画、写真、パノラマ等)、解像度(1080P、4K、24~60fps)の切り替えなどは、すべてここで完結する。美顔、美肌効果といったエフェクトもかけられる。
被写体の追従性能が向上
では、実際に動画を撮影してみよう。ジンバルカメラの基本的な性能となる、ブレ防止をまず確認。そのために、段差の大きな階段を、脚を大きく前に出しながら上がる。手持ちのカメラは軽くにぎっているだけなので、手も腕も多少揺れている。その結果が以下の動画。
階段を上っている動作だとはわかるが、むしろエスカレーターに乗っているかのように非常に滑らかである。
また、撮影者の負担を軽減させる、スマートジンバルモードという設定がある。その設定の1つが、ダイナミックフレーミング。これは、画面にタッチして指定した被写体を、特定の位置の収められるよう、カメラが追従する機能だ。下の動画は、この設定で撮ったもの。池の向こう岸の木立の真ん中あたりを選択してから、歩き始めた。
この間、カメラは手に持っているだけで、手首を動かしてパンしていない。それでも、追従機能により、木立が画面中央に位置するように保たれている。
スマートジンバルモードには、スポットライトフォローという機能もある。これは、「Osmo Pocket 3」の、人の顔を追従する自動顔認識モードが進化したもの。追従できる対象は人の顔に限定されず、画面上で2度タップして指定した被写体を追従する。例えば、下の動画のように、小鹿を被写体と指定することで、カメラはその小鹿を追ってくれる。追尾精度自体も「Osmo Pocket 3」より向上しており、よほど速く動いていなければロストはしない。
その他、いくつかのシチュエーションで撮影を続けたが、ジンバルカメラとして「ここはちょっと不便」という問題点は見当たらなかった。強いて言えば、キャリーポーチに入れて携行中に、荷物の圧迫でスイッチが押ささっていて、バッテリーをいくらかロスしたくらい。収納中に不意に押すことがないよう、工夫と注意が必要だろう。
録音のクオリティも妥協せず
「クリエイター コンボ」と「クリエイター コンボ Plus」には、「DJI Mic 3トランスミッター」と関連機器も同梱されている。トランスミッター本体以外の内訳は、マグネティッククリップ、マグネット、マグネティック充電ケーブル、それに2色のウィンドスクリーン(風防)となっている。
トランスミッターの役割は、そばで拾った音のデータをカメラ本体に送ること。これは、周囲のノイズが大きい環境でのVLOGに特に有効だ。もちろんカメラにもマイクは内蔵されているが、ノイズを拾ってしまい、撮影者の話し声はあまり届かないリスクがある。そこで、トランスミッターを胸元に留めておくことで、再生時にクリアな音声が確保される。
「Osmo Pocket 4」を離れて余談になるが、より本格的な録音環境をお望みなら、同時期に発売の「DJI Mic Mini 2」がおすすめだ。
商品は、トランスミッター1つ入り、2つ入りの2種類あって、どちらもレシーバー、収納を兼ねた充電ケース、ケーブル、収納ポーチがついている。後者はさらに、トランスミッターに貼るカラーカバーも同梱。クリップ留めする服装の色に合わせて使うとよいだろう。
フル充電では、トランスミッター、レシーバーともに10時間以上も稼働可能で、充電ケースを併用すれば、48時間までもつというから、通常の使い方では電池残量を気にする必要もないだろう。
周辺のノイズに合わせてノイズキャンセリングを設定できるほか、音声トーンプリセットという機能もあって、低音あるいは高温を強調するなど、目的に応じた録音データの取得も可能だ。音質にこだわるなら、マストバイと言っていい。
話は「Osmo Pocket 4」に戻って総評してみたい。先代機種との比較で評価すると、自動追従機能や、被写体のハンドサインに応じたアクティブトラックや撮影オン/オフ切り替え機能など、撮影者の細かいストレスを軽減し、撮影自体に集中できる点が評価できる。また、個別の要素で見れば、他のメーカーの類似機種に対し、多くの点でアドバンテージがある。ジンバルカメラの初級者から上級者まで、新規購入時の最有力候補としておすすめしたい。
・DJI公式ストア:https://store.dji.com/jp
文/鈴木拓也
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