自分のライフスタイルの変化に応じて見直したい、クレジットカード。高ステータスなクレジットカードはアメリカン・エキスプレスのプラチナ・カード(年会費税込165,000円)や三井住友カード Visa Infinite(年会費税込99,000円)などがあるが、招待制ではない通常申込できるクレジットカードとして、現在日本一高額なのがラグジュアリーカードの「ゴールドカード」だ。
年会費は、220,000円(税込)。高額ながら富裕層の間で「いいらしいよ」と口コミが広がり、評判となっている。年会費22万円を払ってでも、富裕層が入りたいと思うその理由とは――ラグジュアリーカードのマーケティングを担当する、児玉朋雄さんに伺った。
ポイント還元率1.5%。富裕層なら、元を取れてしまう仕組み
ラグジュアリーカードはアメリカから歴史がはじまり、2016年より日本でカード発行を開始したクレジットカード。通常申込できるカードはチタンカード(年会費税込55,000円)、ブラックカード(年会費税込110,000円)、ゴールドカード(年会費税込220,000円)で、チタンカードも一般的なカードより高額だ。そして、最上位は招待制のブラックダイヤモンド(年会費税込660,000円)となっている。
ラグジュアリーカード全体の利用者は、男女比が9:1。ターゲットは新富裕層で40代が最も多く、全体の約7割が経営者だ。
カードはそれぞれに個人カードと法人カードがあり、まず法人カードのゴールドカードに富裕層が入会する大きな理由は「ポイント還元率」。1.5%と非常に高く、電子マネーのチャージや公共料金の支払いでも還元率が変わらないのが、ほかのクレジットカードと差別化した強みだ。ポイント還元だけでも、年間1,467万円以上利用すると年会費相当額に近い価値を得られる計算になる。
児玉さん「法人カードは経費決済に使用いただいており、ネットの広告費を月に100万円以上使っている経営者様も多数います。すると年間1,500万円以上はすぐに越えてくるので、法人カードを選ぶ方はほとんどがゴールドカードからスタートされますね。また、個人カードも、法人カードも優待の内容が変わらないことも、ラグジュアリーカードが支持されている理由の一つです」
一方、個人カードのゴールドカードに入会する富裕層の大きな理由は、「エクスクルーシブな優待」だ。優待とは、予約の取れない人気レストランの夕食会、会員制サウナの入会権利、貴重なワインの購入権など。ゴールドカード保持者は各優待の優先予約ができ、例えば限定8席しかない寿司店の限定夕食会は半日で売り切れるほど人気だったが、ゴールドカード保持者であればチタン・ブラックカード保持者よりも早めに予約ができるという仕組みだ。ラグジュアリーカードは優待に力を入れており、常に新しく、フレッシュな優待を提供しているという。
児玉さん「個人カードのお客様は電卓を叩いて入会する、というよりも体験価値に魅力を感じて選んでいただいている印象です」
また、ゴールドカードのクレジットカードは24金コーティングのYellow Goldが選べ、このカード自体の特別感も、入会の理由の一つだという。ちなみにほかのクレジットカードであれば、ゴールドカードよりもブラックカードの方が上位であることが多いが、ラグジュアリーカードは逆。これは、ラグジュアリーカードの指針の表れだ。
児玉さん「ラグジュアリーカードは、2008年にアメリカで『ラグジュアリーブランドとしてお客様に受け入れられるブランドを目指したい』という想いを持って誕生しました。そのため、名だたるラグジュアリーなジュエリーブランドがシルバーやプラチナよりも24金を最上級としているように、ゴールドカードを上位カードとして位置付けました。24金はとても柔らかく、クレジットカードのスクラッチが発生しやすいのですが、特別な技術を持つ企業と協力の上、価値のあるカードを作り上げています」
また、入会後に高く評価を得ているラグジュアリーカードのサービスは「LINEコンシェルジュ」。ダイニングや旅行など、さまざまな予約の相談をLINEでやりとりできるサービスだ。もちろんメール・電話でもでき、忙しい経営者の時間効率化に役立っているという。
児玉さん「ダイニング予約の場合、人数や場所などをご指定いただければ、複数の店舗を空き状況を確認した上で提案し、予約のサポートをさせていただきます。国内はもちろん、海外のレストランも対応可能です。ダイニングの予約はネット予約ができない場合、店が開いている時に電話をかけるなど手間が発生し、満席だったら次の店を予約しないといけない、ということも多いですよね。その手間をコンシェルジュが対応し、かつLINEでやりとりができるという、ストレスフリーなコンシェルジュデスクを目指しています」
肌や頭皮の悩みをコンシェルジュに相談する富裕層も。クレカ以上の価値を提供
年会費が高額のため、必然的に富裕層が入会しているラグジュアリーカード。では、富裕層たちは何にお金を使っているのか――最も多いのは、「旅行」だと児玉さんは話す。
児玉さん「2025年のデータでは、海外旅行でカードを利用されている方が多くいらっしゃいました。特に人気はハワイ、次いで韓国。円安の中でも、みなさん海外旅行に価値を感じていらしたようです」
しかし今年は、世界情勢や円安・物価高の影響で変化があるのでは、と児玉さんは予測。常に世の中の動向を見ながら、プライベートもお金を上手に使うのが、富裕層ならではの消費行動だという。
児玉さん「富裕層の方は、お金は持っていても、無駄遣いはしない、という傾向にあります。そのため、昨年はハワイが人気でしたが、実際に行くと物価がかなり上がっています。さらに中東情勢による燃油サーチャージの影響もあり、海外旅行のコストは上昇しています。そのため海外旅行の人気は継続する一方で、国内旅行にも改めて注目が集まっている印象です」
もう一つ、富裕層の関心が高いのが「美容」。健康は昔から需要があったものの、美容への関心が近年伸びてきているという。経営者は人と会う機会が多いからこそ、美容感度も高いようだ。
児玉さん「法人カードのブラックダイヤモンド・ゴールドカード会員限定で、LCマーケットプレイスという自社のビジネスをラグジュアリーカード会員様に無料でPRできるサービスがあります。その中で、美容クリニックを運営する会員様より『男性の方から多くの予約があり、うれしいです』とお声をいただきました」
美容には興味はあるけれど、どこのクリニックに行けば良いかわからない――もしそんな悩みが経営者にあったとしても、周りに相談するのは難しいかもしれない。自分の肌や頭皮の悩みを周りの人に打ち明けるよりも、ラグジュアリーカードの優待やコンシェルジュを利用する方が、よっぽど気が楽だろう。
同じように悩みに答えてくれる、最近のトレンドといえば「AI」。ラグジュアリーカードとしても向き合っていかなければいけない課題と捉え、AIよりも魅力あるコンシェルジュサービスを目指しているという。
児玉さん「AIが普及する中でも、人だからこそできる細やかな提案やコミュニケーションに価値があると考えています。例えばダイニングの予約で記念日であればプレゼントやケーキの提案をしたり、さらにオープンにはなっていない人気店の最新情報を紹介したり。ただ、効率化のために、今後AIを活用することは検討しています」
22万円と高額ながら、新富裕層に支持されているラグジュアリーカードのゴールドカード。1.5%のポイント還元率、魅力的な優待の優先予約、LINEコンシェルジュなど、今の新富裕層が求める上質なサービスが評価されていると感じた。また、無駄遣いをしない新富裕層をターゲットにしているからこそ、目新しい優待を次々と提案する努力も、ラグジュアリーカードが評価されている点だろう。しかし、求めるサービスレベルに達しなければ、継続はない、というのも富裕層はシビアに判断する。ただ持っているだけではない、その先の価値を提供し続けられるかどうか――それこそ、富裕層が今、クレジットカードに求めている“正解”のようだ。
・ラグジュアリーカード
HP:https://www.luxurycard.co.jp/
取材・文/小浜みゆ







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