「優待族」は物価高対策に株主優待を使うワザを知っている
6月は、食料品を中心に1000品目以上の商品が値上げ(帝国データバンクの資料による)。7月には値上げ商品が2267品目と、我々の生活を圧迫しそうだが、そんな中でも、株主優待を受け取り、生活に役立てていくことで、食費や日用品費が安くなる。
6月権利の株主優待の中にも、生活費が安くなる銘柄があるので、何がもらえるか、どうやって利用するとよいか紹介しよう。
※株価は2026年6月1日終値
■パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)(株価823.5円、8万2,350円)の株主優待は…
ディスカウント店「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの株主優待は電子マネー「majica(マジカ)」ポイント。100株で300円分、300株で1,000円分、500株で2,000円分がもらえる。6月末のほか12月末にも権利があるので、年間で受け取れる額はこの倍だ。
株主優待は「ドン・キホーテ」や「ロビンフッド」、「アピタ」や「ピアゴ」で使えるmajicaポイントがもらえるので、食費や日用品費にすればそれだけでも助かるはずだ。
2025年12月権利からはじまった株主向けのポイント制度では、majicaアプリを提示して購入すると、1,000円ごとに1個のスタンプがたまり(500株以上保有の人は2個のスタンプがたまり)、そのスタンプ数に応じて商品と交換してくれる。交換時に1円相当を払うのだが、後日majicaポイント1ポイントが変換されるので実質無料と言っていいだろう。
筆者も10個のスタンプがたまったのでドン・キホーテで使えるクーポンに交換し、自社商品のボディシート「ド情熱 メンズボディシート 超COOL!!!」を受け取った。このほか、10個のスタンプで交換できる商品にはポテトチップス「キャニスターポテトチップス サワークリーム」や麦茶パック「国産六条麦茶ティーバッグ(54袋入)」などもある。
定期的に「ドン・キホーテ」などで買い物をしていれば自然とポイントはたまるわけで、無料クーポンに交換すれば、「ボディシートを買わない生活」や「麦茶パックを買わない生活」に突入だ。配当+優待利回りはそこまで高くないが、日々の買物でも株主の恩恵を受けられる点に注目したい。
■すかいらーくホールディングス(3197)(株価2,712円、27万1,200円)の株主優待は…
ファミリーレストランの代表格、ガストを運営する、すかいらーくホールディングスにも株主優待がある。配当+優待利回りは現在2.43%とあまり高くないが、使い勝手もよく、新たに使える店舗も増えたので紹介しておこう。
すかいらーくホールディングスの株を保有していると「ガスト」や「バーミヤン」などで使える株主優待券が受け取れ、100株では2,000円分。6月末のほか12月末にも権利があるため年間4,000円分。300株では5,000円分(年間1万円分)、500株だと8,000円分(年間1万6,000円分)と増えていく。
すかいらーくホールディングスの株主優待は、写真のメニューが頼める「資さんうどん」でも2025年4月1日から利用できるようになった。一部、対象外店舗もあるようだが、東京進出した話題のお店での飲食で株主優待を使えるのは、かなりアツい。
しかもこの株主優待券は1円単位で使えることにも注目で、外食代が0円で済む。新しくできたお店にも「株主優待があるから行ってみよう」と言える。
■物語コーポレーション(3097)(株価4,720円、47万2,000円)の株主優待は…
物語コーポレーションと企業名だけ聞くとわかりにくいが、「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」で知られる企業。株主優待は、「焼肉きんぐ」などで利用できる株主優待券で、継続保有半年以上で3,500円分、年間で7,000円分が受け取れる。今買うと、半年後の12月権利を狙うといったところか。
家族で「焼肉きんぐ」に行く場合、夫婦と小学生2人だとしても1度に1万円以上はかかってしまうが、株主優待があればこそ利用しやすくなる。筆者の話になるが、ポイ活もしているので、飲食店予約サイト「ホットペッパーグルメ」で受け取ったポイントも足して利用することで、ごほうびとしての焼肉にも行きやすい。
■船井総研ホールディングス(9757)(株価1,070円、10万7,000円)の株主優待は…
株主優待を拡充し、2025年12月末基準日で1:2の株式分割を行った船井総研ホールディングス。株式分割後の100株、つまり株主分割前基準で50株保有の人も新規で株主優待を受け取れるようになる。
100株だと年2回の500円相当のQUOカードが受け取れ、配当+優待利回りは5.4%。業績推移を見ても売上高、営業利益、経常利益も上がっている。QUOカードはマツモトキヨシで使えるほか、コンビニエンスストアのセブン-イレブンやローソンなどでも使える。しかも1円単位で使えるのもありがたい。2026年12月の営業利益率が下がる予想が気にかかるものの、配当利回りだけでも4%以上あり、高配当目的の投資家にも注目してもらえる気がする。
参考:【株主優待ガイド】〝優待拡充〟ラッシュか?株式分割・新設で注目したい10銘柄
【株主優待ガイド】〝優待拡充〟ラッシュか?株式分割・新設で注目したい10銘柄
株主優待の新設の発表や、株式分割のニュースで分割後の100株でも株主優待をもらえる銘柄は、個人投資家にとっても投資するチャンスでもある。 12月4日時点でわかっ…
■I-ne(4933)(株価1,290円、12万9,000円)の株主優待は…
これまで12月の年1回が、6月と12月の年2回権利になったI-ne。読みはイーネではなくて、“アイエヌイー”だ。「デジタルギフト」が株主優待でもらえる。
株主優待の変更を発表し、100株保有で「デジタルギフト」5,000円分がもらえ、6月末のほか12月末も受け取れるので、年間では1万円分。これまでは、100株で株主優待が受け取れるのは12月の年1回、1万円一括だったのでタイミングや金額を分散して受け取れることになる。
「デジタルギフト」と聞くと何かよくわからない内容に聞こえて不安に思いそうだが、自社商品が買える「& Habit ポイント」のほか、楽天ポイントギフトやdポイントといった共通ポイントにも交換できた。筆者はdポイントに全額交換した。
I-ne では2025年12月の営業利益、経常利益が減少していることが気になる。株主優待目的でも、今後の株価上昇には時間がかかるかどうかも考えつつ投資をしたい銘柄でもあるが、dポイントのような共通ポイントを受け取れる点は大きな魅力だ。
■北海道コカ・コーラボトリング(2573)(株価4,255円、42万5,500円)の株主優待は…
いわゆるラテマネーが節約できそうなのは、北海道コカ・コーラボトリング。
いくつかの候補から選べる選択制で、100株では3つ(Coke ON®ドリンクチケット25枚、自社商品1ケース、自社商品22本入り)から選べる。
選ぶ商品によって価格差があるようで、以前は特定保健用食品(トクホ)の「コカ・コーラ プラス」を選んだ。
Coke ON®ドリンクチケットも商品によって価格差がある。例えば、アミューズメントパーク近くだと高額商品と交換もできるようなので、賢く使って節約してみてほしい。
■ザ・パック(3950)(株価1,246円、12万4,600円)の株主優待は…
ザ・パックは2025年6月30日を基準日とした1:3の株式分割を実施し、分割後100株でも株主優待を受け取れるようになった。つまり、株価変動がないと仮定すれば、2025年12月からは1/3の予算で株主優待を受け取れるようになっている。
株主優待は、100株保有で6月末は500円分の図書カード、12月末は1,000円分のQUOカードを受け取れる。
ただし、株主優待の廃止を発表しているので、2026年6月、12月の株主優待はあるが、それ以降(2027年6月以降)は廃止予定。
配当性向の目標を40%、累進配当とし、自己株式取得目標を「5年間累計で100億円(各年度で20億円)を目安」、総還元性向目標を50%から70%に上げているため、増配期待もある。
株主優待取得についての注意点も
紹介した中で、「焼肉きんぐ」などで使える株主優待の物語コーポレーションでは、半年継続保有の条件がある。つまり、6月の権利前に買っても株主優待の権利が受け取れるのは12月と半年先。
ほかにも、継続条件のある銘柄があり、例えば、有名な日本マクドナルドホールディングス(2702)(株価7,750円、77万5,000円)では継続保有1年以上の継続条件がある。株主優待は、バーガー類やサイドメニュー、ドリンクの商品引換券がもらえる。6月権利前に買うと受け取れるのは2027年の6月権利。「6月末および12月末の自社株主名簿に、同一株主番号で3回以上連続して100株以上の保有が記載または記録されている」ことが条件だからだ。
株主優待では一瞬でも権利を取っていれば受け取れるものもある一方で、優待クロス(つなぎ売り)対策のためか、長期保有条件のある銘柄も増えてきたため、注意しておきたい。
文/谷口 久美子
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