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2050年までにワールドカップの自国開催と優勝を!日本サッカー協会の夢と放送権の重要性

2026.06.14

1993年、Jリーグが開幕した。1998年には初めてのFIFAワールドカップ(以降、「W杯」)出場を果たし、2002年の日韓W杯では日本中が熱狂した。そして2026年、日本代表は8大会連続となるW杯出場を決めている。

この30年余りで、日本サッカーの競技レベルは世界水準へと成長した。

一方で、その人気や熱狂をどう社会へ広げ続けるのかという課題にも日本サッカー協会(JFA)は向き合ってきた。その中心を担うのが日本代表戦の放送・配信を担う電通だ。

世帯視聴率66.1%を記録した日韓W杯から、SNS・配信時代へ。「テレビ離れ」が進む時代に、日本代表戦はなぜ今なお“国民的イベント”であり続けるのか。日本サッカー協会会長の宮本恒靖氏と、サッカー日本代表の放送権事業を担う電通の石渡弥氏に、日本サッカーの現在地と2050年への展望を聞いた。

「世界と戦える」ようになった。それでも日本サッカーは発展途上の理由

ーー1993年のJリーグ発足、1998年のW杯初出場、2002年の日韓W杯開催・ベスト16進出、2026年で8大会連続W杯出場を果たすなど、この30年余りで日本のサッカーは大きな飛躍を遂げました。日本におけるサッカーの現在地について、どのように感じていますか。

宮本:この30年で、日本サッカーは本当に大きく変わりました。今では多くの選手が欧州のトップリーグ、トップクラブでプレーしていますし、SAMURAI BLUE(日本代表)のレベルも確実に上がっています。

森保監督も今回のW杯で「優勝」を目標に掲げていますが、それを現実的な目標として語れるところまで日本サッカーは成長してきたと思います。

ただ、その一方で、サッカー文化という意味では世界のトップレベルと比較するとまだまだ成長の余地があります。

例えばイングランドでは、試合の日になると街中にユニフォーム姿のファンがあふれ、自然とサッカーの話題が耳に入ってくる。サッカーが日常に溶け込んでいるんです。

その光景を知っていると、日本はまだそこまではたどり着けてはいない。競技レベルは上がった。でも文化としては、まだ伸びしろがあると感じています。

日本代表戦はどう国民的イベントになったのか

ーー一方で、日本代表戦は今や“国民的イベント”とも言える存在になっています。転機はいつでしょうか

宮本:やはり大きかったのは2002年の日韓W杯ですね。日本中がサッカーに注目した、歴史的な大会でした。

もちろん、日本代表の成績によって人気が上下することはあります。でもJFAとしては、一時的なブームではなく、継続的にサッカー文化を根付かせることを大切にしてきました。その中で非常に重要だったのが、電通と長年にわたって取り組んできた「放送・配信」です。

石渡:電通は2001年から25年間にわたり、JFAとサッカー日本代表の放送権契約を締結しています(※)。私たちは一人でも多くのファンに日本代表戦を観戦してもらいたいというJFAやJリーグの想いに賛同し、地上波放送局やOTT(動画配信サービス)事業社と連携しながら、日本代表戦をできるだけ多くの人に届ける体制づくりに取り組んできました。2026年W杯についても、そうした取り組みの積み重ねを通じて、大会を主催するFIFA(国際サッカー連盟)から放送権(放送・配信を含む総合的なメディアライツ)を取得し、日本代表戦を、地上波放送を含むさまざまな形で放送・配信する予定です。

(※)電通、サッカー日本代表戦の放送・配信権を取得(外部サイト)

宮本:W杯を除く日本代表戦でも、ゴールデン帯での放送における視聴率は平均して世帯10%以上を安定的に獲得しています。これは今のテレビ環境を考えると非常に高い数字です。でも、単に数字だけではないんです。地上波で放送されることで、翌日のニュースや新聞でも取り上げられる。普段サッカーを見ない人にも、日本代表の話題が自然と届く。

私自身、世帯視聴率66.1%を記録した日韓W杯のロシア戦を選手として経験しました。“日本中がサッカーを見られる”ことの重要さは身を持って実感しています。

石渡:日本代表戦は、単なるスポーツ中継ではなく、“国民が同じ瞬間を共有するイベント”になっていると思います。

もちろん、それを支えているのは結果を出し続けている選手たちであり、長年育成や強化に投資してきたJFAの取り組みです。

その上で私たちが担っているのは、その熱狂を安定的に、継続的に届け続けることです。日本代表戦が持つ“価値”を守り、さらに高めていくことが使命だと思っています。

90分見るだけじゃない」サッカー観戦はどう変わった?

ーー近年は視聴環境や楽しみ方も大きく変化しています。どのように向き合っているのでしょうか

石渡:今は、テレビの前で90分間試合を見るだけがサッカーではありません。

動画配信やSNS、選手自身の発信、舞台裏コンテンツなど、サッカーは日常的に接触するコンテンツへと変化しています。

例えば、試合後にSNSでプレー動画を見たり、選手のインタビューを見たり、ファン同士で感想を共有したりする。試合当日だけでなく、継続的に楽しめるコンテンツになっているんです。

ですから、単純にテレビ視聴率だけを見る時代ではないと思っています。サッカーは今も、社会との新しい関係性を作り続けている。その価値をどう届けていくかを考えていきたいですね。

宮本:昔は、テレビで日本代表戦を見て、翌日に学校でその話をする。それがサッカー文化の広がり方でした。今はSNSも含めて、その熱量がより長く、広く続くようになったと感じます。

2050W優勝。そのために必要なのは「子どもたちがサッカーを見る環境」

ーーJFAは「JFA2005年宣言」で、2050年までにW杯優勝を目指すビジョンを掲げています。宮本会長はこの目標に向けて何が重要だと捉えていますか

宮本:もちろん、日本代表が結果を出すことは大切です。しかし、2050年を考えると、一番大事なのは子どもたちにサッカーを好きになってもらうことです。

そのためにJFAでは、地域クラブでプレーする子どもたちのサポート体制を整えたり、海外で才能発掘を進めたり(※)、さまざまな取り組みをしています。

JFA×SCO GROUP 「FUTURE CAMP」 inspired by BLUE LOCK ―海外を拠点に活動するタレントを発掘。日本サッカーのさらなる強化につなげるプロジェクトが始動―(外部サイト)

その中で欠かせないのが子どもたちに“サッカーを見てもらうこと”だと思っています。子どもたちが日本代表戦を見て、「自分もやりたい」と思う。翌日、校庭でボールを蹴る。そういう循環が、日本サッカーを強くしてきました。

2050年にW杯で優勝するためにも、その環境を作り続けることが大切だと思っています。

宮本恒靖
公益財団法人日本サッカー協会 会長

ガンバ大阪、レッドブル・ザルツブルク、ヴィッセル神戸でプレーし、日本代表としてFIFAワールドカップに2大会連続出場。引退後にFIFAマスター修了。ガンバ大阪監督も務めた。2024年に日本サッカー協会会長に就任。「サッカーで未来をつくる」を掲げて活動している。

石渡弥 
株式会社電通 執行役員(メディア/スポーツ&エンターテインメント)

1998年電通入社。テレビ局に配属後、2012年から営業へ異動。Jリーグ、化粧品会社を担当した後、ラジオテレビ局の動画ビジネス領域などを担当。ラジオテレビ局長を経て、2025年10月より現職。

取材・文/峯亮佑、撮影/干川修

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Author
大学卒業後、『週刊ポスト』で週刊誌記者としてキャリアを始める。医療、芸能、政治、社会問題などを担当し現場取材を中心に経験を積む。2023年からは@DIMEで編集者兼ライターを務め、ビジネスからエンタメまで幅広く取材・執筆を行なう。取材・執筆した企画(一例)/「ポケモン超進化論」(「DIME 2023年9・10月合併号」)、「ガンプラ45年の軌跡」(「DIME 2025年9・10月合併号」)

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