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大井川鐵道「きかんしゃトーマス号」が11年目の大変身!新客車の導入で暑い夏でも快適に

2026.06.07

2014年からアニメ「きかんしゃトーマス」に登場する「きかんしゃトーマス号」を運行し、子供たちから高い人気を得ている大井川鐵道がさらなる進化を遂げる。これまで「トーマス」が列車を牽引してきたが、今年3月から「パーシー」が仲間に加わり、「きかんしゃパーシー号」として列車の先頭に立っている。パーシーはトーマスの親友で、黄緑色のボディを持つ小型タンク機関車。さらに、5月30日からはこれまでの旧型客車に加えて、12系客車が運用されるようになった。

暑い夏でも快適!12系客車はクーラーが備え付け

12系客車はブルートレインを思わせる青色が特徴の急行型客車で、大井川鐵道の前はSL列車「SLやまぐち号」で活躍。旧型客車との違いで最も注目なのが、空調設備の有無だ。車内の冷却を自然の風に頼っている旧型客車に対して、12系客車はクーラーが備え付けられている。

猛暑が続く昨今の気候に対応

大井川鐵道の広報・山本豊福さんによると、

「毎年、夏になるとお客様から子供が熱中症にならないか心配する声が上がっていました。12系客車の導入はそんな声に応えたものです。今年も暑い夏になりそうですが、安心してご乗車いただけると思います」

大井川鐵道はほとんどの区間で大井川に沿って走り、窓を開ければ川面を通った涼しい風が入ってくるのだが、それでもクーラーがあるのはありがたい。暑さを理由に夏場の乗車を敬遠したきた人も、検討する価値はあるだろう。

今年はパーシーでの運行から始まり、5月30日からトーマスも登場。5月30日から6月15日の期間はトーマスとパーシーが同時運行した。パーシーはいったんお休みになるが、10月に再登場の予定。その時は再び夢の共演が見られることになりそうだ。

実際に試運転の様子を見学

5月27日には12系客車の営業運転に先立って、トーマス号に旧型客車、パーシー号に12系客車を連結してお披露目運転が行われた。実際の運行とは発車時刻などが異なるが、乗車の参考になるのでその模様をお伝えしたい。

出発は新金谷駅。新金谷駅には列車を置いておく留置線と、整備点検を行う車両区があり、多くの車両が留められている。少し早めに新金谷駅に行って、トーマスやパーシーを見ておくことをおすすめしたい。鉄道ファン的には元南海電気鉄道の6000系(写真左)や21000系(写真中央)、元十和田観光電鉄の7200系もチェックしておきたいところだ。

遅くても発車の15分前にはホームに車両が運ばれる。この日はまずトーマス号が2番線に、続いてパーシーが1番線へ。ホームを挟んでトーマスとパーシーが並ぶと、招待されたファンは大喜び。トップハム・ハット卿に扮した鳥塚亮社長が姿を現すと、新金谷駅がまるでソドー島のナップフォード駅と勘違いしてしまいそうになった。ここはまさにきかんしゃトーマスワールドだ。

トーマスが発車するのを見届けた後、パーシー号の12系客車に乗り込む。この日は曇りで気温は26℃と酷暑というほどではなかったが、屋外ではじわりと汗をかく天気。空調が効いた車内に入るとスッと汗がひいていった。夏場になれば、クーラーはより効果を発揮するはず。熱中症を必要以上に心配することなく、子供を連れていくことができるだろう。

12系客車の座席はボックスシート。大人にとっては昔懐かしいレイアウトが旅情をかきたてる。トーマスとジェームスのイラストが描かれたシートや、他のキャラクターのフラッグがかけられ、子供も大喜びだ。座席と座席の間は旧型客車よりも10cm広く、ゆっくりと座ることができる。4人掛けのボックス席を独占できる「ファミリーボックスプラン」も用意されているので、家族で乗るならこちらがおすすめ。

新金谷駅を出て門出駅(トーマス号とパーシー号は通過)を過ぎたあたりで、線路は大井川に沿って走る。雄大な川の流れを望む景色は涼しげで、夏にぴったりだ。大井川は家山駅に向かって右に続くので、右側の座席がおすすめだ。島田市はお茶の産地として有名で、線路脇には茶畑が続き、時期が合えば茶摘み姿を見ることができる。大井川と茶畑のコラボは、大井川鐵道でしか見られない景色だ。

道中ではきかんしゃトーマスのグッズや大井川鐵道に関するお土産の車内販売が行われる。こちらの女性は販売員の「みっちゃん」。素敵な笑顔と軽妙なトークで、鉄道ファンなら知らない人はいないほどの名物販売員だ。販売する様子を見ているだけで、元気がわいてくる。

30分ほどでパーシー号は家山駅に到着。ここでの見どころは給水作業だ。蒸気機関車は石炭で水を沸騰させて、蒸気の力で車輪を動かすので水が欠かせない。パーシーを切り離し給水塔の横に移動して、ホースで水を補給する。これは「夏場の水分補給の大切さ」を伝える意味もあるという。

きかんしゃトーマスから外れるが、蒸気機関車と旧型客車が現役の大井川鐵道は、昭和を舞台にする映画やドラマのロケがいくつも行われていて、特に有名なのが石坂浩二主演の映画「悪魔の手毬唄」だ。金田一耕助が若山富三郎演じる磯川警部に、犯人を愛していたんですねと問うが、答えは機関車の音にかき消されて聞こえない、というラストシーンは日本映画屈指の名シーンとされている。これが撮影されたのが家山駅。今も当時の雰囲気を残しているので、乗車するのであれば、事前に1度観てほしい。家山駅でのひとときがより楽しくなるはず。

復路は電気機関車E31形電気機関車が先頭になり、パーシーは客車の後ろに。今度は進行方向左に大井川が広がる。新金谷駅に着いてからの一大イベントがトーマスとパーシーの方向転換。蒸気機関車は向きがあるため、回転する台に乗せて方向を変える必要がある。その台が転車台。客車から切り離され、単独でゆっくりと回転するトーマスとパーシーはどこか愛らしい。写真ではなくムービーで撮りたい一瞬だ。

今年からはパーシーの運行が始まり、ますます「きかんしゃトーマスワールド」になった大井川鐵道。トーマスとパーシーの他にも、大井川鐵道井川線を「きかんしゃトビー号」が、新金谷駅と家山駅の間をバスの「バーディー」が、JR静岡駅から新金谷まで2階建てバスの「バルジー」が走っている。これに加えて新金谷駅の「トーマスフェア」では、ロコトレインの「ニア」や「ウィンストン」、特殊消防車の「フリン」が出迎えてくれる。きかんしゃトーマスファンなら、丸一日たっぷり楽しめるはずだ。

「きかんしゃトーマス号」
運行日/主に金・土・日を中心に運行
運賃/新金谷−川根温泉笹間渡往復 大人6000円 小児3000円 片道 大人3000円 小児1500円
※時刻をはじめ詳細は大井川鐵道のきかんしゃトーマス公式サイトでご確認ください。

取材・文/金子長武

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