今年の4月より、ブロッコリーが指定野菜に追加された。指定野菜とは国が制定する消費量が多い、または多くなることが見込まれる野菜のこと。制定されると毎年安定して栽培・供給できる地域を定め、出荷量の過半を特定の消費地に割り振る義務が課されるという。
だがdata1をみると、少なくとも21年前のブロッコリーの産出額は今ほどには多くはない。なぜここまで需要が高まったのか?
「ブロッコリーは常温保存に不向きなため、かつてはカリフラワーのほうが人気でした。しかし1960年以降の冷蔵庫の普及で人気が逆転し、2000年代の健康ブームによって再三にわたり、テレビ番組でブロッコリーが取り上げられた。こうしてブロッコリー人気は盤石なものとなったのです」(大治・本多論さん)
指定野菜に新たに追加されたのは1974年の「ばれいしょ」以来52年ぶり。それくらい珍しいことであるようだ。そこで本多さんに〝イチオシの注目野菜〟を伺ってみた。
「需要が高まっているのは、カリフラワーとアスパラガス。ただ現在の気象状況などを考えると、暑さに強く栄養価の高い野菜に注目したいと感じます。そう考えると需要はまだ伸びていませんが、ほうれん草より暑さに強い小松菜は気になる存在ですね」
何十年後、もしかしたら小松菜が指定野菜に追加されている可能性もある……かも?
ブロッコリー普及の大きな理由は冷蔵庫の普及と健康ブームです

大田市場 大治(だいはる) 代表取締役社長
本多 諭さん
2011年、大田市場で野菜の仲卸業を70年以上営む大治の代表取締役に就任。旬野菜やトレンドに関する広い知見をもつ。
data1|ブロッコリーは14位!日本で一番産出額が多いのはトマト
日本の農産物産出額の順位
農林水産省「生産農業所得統計」より

平成15年のブロッコリー産出額は219億円で27位だが、21年後に約3倍に上昇することに。ほかには、キャベツも今ほど食べられていなかった。一方7位の「かんしょ」はサツマイモのことで、21年後も同じ順位。

ランクインしている以外で指定野菜となっているのは里芋。一方トマトは変わらずずっと1位。その理由は本多さんによると「生と加熱の両方での需要があり、周年供給が可能で、単価が比較的高い」などが主な理由だそう。
data2|ブロッコリーの人気理由は「栄養素」約4割が週1個以上購入している
健康ブームで飛躍的に需要を伸ばしたブロッコリーのビタミンCはいちごの約2倍。ほかに食物繊維やタンパク質も豊富に含まれており、筋トレユーザーの間ではささみ肉と並ぶ最強の食べ物として人気が高いことでも有名。
ブロッコリーの購入個数

くふう生活者総合研究所(2026年3月調査)
ブロッコリーの購入理由


ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の植物で、生育させつづけるとつぼみが開き黄色い花が咲く。
data3|令和6年「てんさい」はトップ15外!その日本人の「砂糖離れ」も一因か?
data1でトップ10から姿を消しているのがてんさい。てんさいが作られなくなった原因は砂糖の消費量の減少。それによって「交付金が削減され、生産者や作付面積が減少している」(本多さん)などの事情があるそう。

てんさいとは?
北海道特産で、サトウキビと並ぶ砂糖の主原料として親しまれている野菜。形は大根やカブに似ており、別名「砂糖大根」とも呼ばれているが、分類上はほうれんそうなどと同じヒユ科に属する。
1人当たりの年間砂糖消費量(kg)
農林水産省発表

取材・文/高山 惠 イラスト/フジノマ 編集/轡田緒早







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