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「その評価、信じていいの?」サクラ度を暴くAIアプリ『アレコレ』がオンラインショッピングの悩みを解消できる理由

2026.06.09

最近は、生成AIを応用したアプリが続々と登場。ビジネスユースだけでなく、日常生活に役立つものも増えている。

今回はその1つ、(株)MatrixFlowが開発した「アレコレ」を取り上げよう。

ショッピングの意思決定を支援

無料アプリ「アレコレ」のコンセプトは「お買い物決断アシスタント」。オンラインショッピングの最中に購入すべきかどうか迷った際、そのヒントを提供してくれる。

開発の背景にあるのは、消費者が直面する情報・選択肢の多さだ。少し古い2018年の調査になるが、2人に1人が「選びきれずに購入を断念」しているという。アイテムやショップの数が多いというのもあるが、「口コミがサクラかも」「高評価もあれば低評価もある」といった要素が、購買判断をさらに困難にする。

「アレコレ」はそうした煩雑な情報を整理し、「これなら買って大丈夫」という答えを理由も付けて提示してくれるという。

サクラのレビュアー率をAIが推測

さっそく使ってみよう。初期画面では、4人のAI女性店員が表示される。それぞれ個性があって「バランス型」「共感型」「論理型」「スピード型」に分かれる。ひとまず、「バランス型」で「どんな商品でも対応できる万能店員」というアカリさんを起用してみよう。

「アレコレ」の初期画面

画面が切り替わり、アカリさんが「検討中の商品があればURL・商品名・スクショで教えてください!」と提案してきた。選択肢として、「URL貼り付け Amazon・楽天のリンク」「商品名入力」「スクショ送信」「会話で商品を自由に探す」がある。

夏を迎え、ハンディファンを購入しようと思っていたので、最適なアイテムを探ってみよう。まず、「URL貼り付け Amazon・楽天のリンク」から試してみる。この場合、購入候補の商品がすでにあって、そのURLを貼り付けることになる。Amazonで「ハンディファン」で検索し、一番目に出てきたこの商品はどうだろうか?

商品名の後に、「2026業界革新モーター・超強力暴風・1秒瞬時-25℃級の急冷感」など高性能であることがうたわれている。価格は、通常12,280円なのが「スマイルSale」で79%引きの2580円と、びっくり値引き。カスタマーレビューは30件台で少ない印象だが、これは発売間もないからであろう。

「アレコレ」の入力欄にURLを貼り付けたところ、下の画面に切り替わった。「口コミがサクラかも」「低評価が気になる」「もっと安くならない?」「他にいい商品ある?」の選択肢が提示され、検証前に任意で選べる。低評価ではないし、既に激安だから、「口コミがサクラかも」だけをチェックして、検証スタート。

検証結果は10秒足らずで出てきた。「あなたとのマッチ度 42%」で「もう少し検討を」とのこと。その後に細かいコメントが表示された。

「サクラ度スコアは18/100と比較的低く安心感はありますが、★5レビューが100%という不自然なレビュー分布が検出されており、評価の信頼性に疑問が残ります。また、比較商品の中には同等機能でより安価な選択肢(¥2,580~)も存在するため、慎重な検討をおすすめします」

下にスクロールするとサクラ度が18%の詳細な根拠も記されていて、検証精度の高さがよくわかる。なるほどー。買う買わないはともかく、シンプルに面白い。

では、最初に戻って「商品名入力」ではどうか? 入力欄に「ハンディファン」とだけ書いてアカリさんに探してもらう。やはり「口コミがサクラかも」ほか4項目の選択肢が出て、その後で探索がなされる。今回は「低評価が気になる」をチェックしてスタート。

30秒ほど待たされて、マッチ度が10%上がった52%の商品が1つ表示された。やはり「もう少し検討を」というレベルであり、サクラ度は35%になっている。「別商品を見たい」ボタンを押すと、同じメーカーの3980円のモデルが提示された。ものは試しと、こちらの商品を「商品名入力」にコピペして、検証してもらった。

マッチ度が72%で「買って大丈夫です!」とお墨付きをいただいた。「サクラ度スコアが25/100と低く」とあるが、「25%は低いのか?」と少し疑問を感じる。おそらく、それ以外のファクターも勘案して、おすすめしてくるのだろう。

ハルシネーションなど一部課題はあり

次は「スクショ送信」で探してもらう。先ほどのハンディファンのページをスクショして検証。すると、「すみません。エラーが発生しました。しばらく時間を置いてから試してください。」とのメッセージが。商品写真のみを切り取るなど試行錯誤したが、エラーメッセージが出続ける。

やり方にコツがあるのか、この項目に改善の余地があるのかちょっと不明だが、これはやめて「会話で商品を自由に探す」にチャレンジしてみる。こちらは、テキスト欄に商品ジャンルや価格帯といった諸条件を自由に入力するかたち。「5000円以下のハンディファン。サクラ度が10%以下」でアカリさんにお願いする。提示されたのは、Amazonで3587円のセール価格で販売中のハンディファンであった。Amazonの該当ページを見ると、「過去1か月で500点以上購入」の実績があり、レビュー数は千件近い。サクラ度が低いのなら、良品ではないかと好印象を持てた。

では、店員をアオイさんに変え、楽天市場の商品だとどうか? 商品ジャンルはやはりハンディファンとし、日本の代理店を通じて販売されている著名メーカーのものを選んだ。

アオイさんは、「数字と根拠で納得させる分析派」だそうだ。URLを教えて、検証してもらうと以下の結果となった。

マッチ度が28%と辛口の評価となった。理由はやはり、サクラ度が35%と高いことを挙げている。

「サクラ度35/100はユーザーが設定した許容上限(10%超で回避)を大幅に超過しており、★5レビュー100%という偏りも検出済み。レビュー信頼性を最重視するユーザープロファイルと明確に不一致」

このコメントを読んで気になった点が2つある。1つめは、「ユーザーが設定した許容上限(10%超で回避)」という、アカリさんのときに出した条件が引き継がれてしまっていること。2つめは、「★5レビュー100%」とあるが、実際は★3が1件、★5が1件でハルシネーションが起きていることだ。この商品、総レビュー数が2件しかなく、どう判断するのかを確かめる意味もあったが、その基準がサクラの疑いがあるかどうかに偏っている印象を受けた。

「条件の引き継ぎ」問題は、アプリの「パーソナライズ対応」によるものだろう。過去の会話からユーザーの好みや予算感など学習する機能があり、以降のやりとりにもこれが反映されるのはいいが、リセットできる設定があってもいいのではと思う。

ちなみに同じ商品で、アカリさんに検証してもらうと、マッチ度は42%にアップ。ただし、コメントでは同じハルシネーションが生じていたものの、「レビュー信頼性さえ確認できれば有力候補です」と前向きな言葉もいただいた。

その後も、店員や商品ジャンルを変えるなど、いろいろ試した。やはり、カスタマーレビューのサクラ度やレビュー文の長短(短文レビューは低評価)によって、評価する傾向が強く、競合製品と比べた性能の良しあしといった要素は、あまり考慮されていないようである。もちろん、筆者が使い方をしっかりと心得ていない可能性はあるし、リリースされて間もないので、今後どんどんアップデートされていくこともあろう。現状、サクラ度の高い商品をあらかじめ弾く、スクリーニングツールとしては有用といえそうだ。

「アレコレ」
(株)MatrixFlow公式サイト

文/鈴木拓也

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