眼鏡市場を展開するメガネトップ(本社静岡県静岡市、代表取締役社長冨澤昌宏氏)が開発した、メガネなのに動画も写真も音楽も楽しめる次世代アイウェアLinse(リンゼ)。
スマートグラスの新商品が続々登場するなか、開発者が「毎日かけるメガネとして成立するかどうかを重点に開発しました」と言うだけあって、Linseは日常使いとしての機能に優れていた。
特にペットオーナーにとっては撮影チャンスを逃さず、これまで以上にクオリティの高い写真や動画が撮影できるようになっている点は高く評価できそう。今回は実際に使ってみたひびき動物病院院長岡田響先生が教えてくれた、使い方の提案なども紹介したい。
急成長してきたスマートグラス市場
スマートグラスの世界市場は2024年には約13億ドル(日本円で約2054億円:1ドル158円換算)、25年から32年までの7年間で、年平均成長率11.09%と堅調に推移する予定だと言う(注1)。スマートグラスは特別なデバイスではなく、日常に溶け込む便利アイテムとなってくるのは必須だった。
市場が拡大するにつれて、課題になってくるのがメガネとして実際の掛け心地や利便性である。その点、眼鏡市場は経験と独自のノウハウをもっている。メガネに不可欠な掛け心地や、スマートグラスとして操作しやすいパーツ、柔軟性のあるフレーム材といった、メガネとしての機能を高めたスマートグラスに仕上げてきたのだ。
Linseの機能を使いこなすポイント
スマートグラスLinseの仕様だが、大きく機能は3つあり、まずは1)カメラや動画の撮影、2)音楽を聴く、3)電話機能である。
1)では1,200万画素のカメラ機能と、10、30、60秒の動画を連続撮影できる。2)音楽では、耳を塞がない骨伝導式の内蔵スピーカーで、周囲の音が耳に入りながらも、音楽や通話、音声ガイドを楽しめる。音量調整や再生・停止はスマートグラス本体の操作も可能である。
3)電話機能では複数のマイクを搭載し、周囲の音の状況を正確に把握できる機能をそなえた。音楽と同様、周囲の騒音が気になる環境でも、ノイズキャンセリング機能が働いて、快適な通話が可能となっている。
特に1)はペットオーナーにとっては嬉しい機能のひとつ。目線の高さにある1,200万画素のカメラで、ペットの姿をありのままに記録に残すことができる。メガネの右側のツルの上部にあるシャッターボタンを押すと撮影できる。
別にメガネじゃなくても、撮影はスマホやデジカメで十分……そう思っている人は多いはず。しかし、スマホやカメラを構えることなく写真や動画が撮影できる点は、想像以上に便利なのである。スマホを手に取ってシャッターを押す間に、可愛い姿は消えてしまうのだ。可愛いあくびの姿、いつもと違う声を、記録に残せるのである。
特に我が家のインコは大変な怖がりで、カメラを構えたとたんに逃げてしまう。しかし、メガネにはすぐ慣れて、近寄ってくれた。
今回、岡田先生が散歩中の動画を撮影してくれたが、「ウンチ袋で手がふさがっているので、メガネだとすごく便利」と教えてくれた。
可愛いうちの子の自然な姿が撮影できる
好きな音楽を聴きながら愛犬と散歩したり、急な電話での呼び出しにもフリーハンドで対応できる点はとても便利だったと岡田先生。「公園など遊び場についたら動画撮影したりできます。また、室内で一緒に暮らしている猫さんやインコなど鳥さんの場合、カメラを向けて怖がる子が多いですが、メガネに慣れれば自然な姿が撮影できますし、接近できるのはよかったです」と岡田先生。
さらにLinseにはSiriやアレクサのように、ヒトの呼びかけで操作できる。メガネを掛けた状態で、
「ハイLinse!動画を撮影して」
「ハイLinse!写真を撮影して」
と話しかけるとボタンを押さなくても撮影してくれる。両手が塞がっている状況でも、簡単に撮影ができる。「この機能は便利でした」と岡田先生。
「実際、屋外で散歩中に撮影した動画で、排便の記録や歩き方の記録などをしましたが、自分の目線がそのまま残せるので、他人に説明する時も見せやすく、やりやすかったです」
「どうしても短時間で動画撮影が終わってしまうので、何回もLinseに指示を出して撮影していました。家族と一緒だと平気なのですが、一人でメガネに話しかけている姿は、他の人からすると、もしかしたらちょっと異様に見えるかもしれない(?)と思いました」と正直な感想も。
確かに遠くから見ると普通のメガネなので、一人でLinseに話しかける時は、ちょっと気を遣うかも。
「当院の近くに大きな公園があり、道路沿いをお散歩しながら撮影してみました。車の騒音がどのように撮影されるかが不安でしたが、あまり気にならない程度の雑音として記録されていました。撮影画像は時間が短めですが、SNSにも十分使えそうです。
Linseを掛けて愛犬の散歩をした時も、メガネが邪魔だという感覚は一切なかったと岡田先生は言う。「特に大きなトラックが通り過ぎるなど、周りが急にうるさくなると、音声認識が最初だけ正確に機能しない時が一度だけありましたが、普通に使うには問題ない程度です」と言う。
「ただ、作業しながら伝える仕事の動画撮影という点ではすごく使えそうです。紙で書いたマニュアルだとわかりにくい処置、例えば爪切りの方法や、書類の書き方、掃除のやり方など、短い動画を複数用意し、まとめておけば間違いも減ると思います。この時期は新人教育などでも便利でしょうし、クライアントへの説明動画などにも利用できます」
「実際に手に取ってみて、スマートグラスは、ペットと暮らす飼い主さんの幸せガジェットとしては、とても期待できるものだと感じました。何よりスマートフォンの撮影とはまた違う視点のシャッターチャンスを逃しません。動画のAI加工も普通のことになってきたので、例えば犬の自然な普通の動きを記録して、AIに学習させるための動画撮影、なんかにはいいかもしれないです」と岡田先生は実際に使った感想を教えてくれた。
ペットオーナーさんにはうれしい3つの特徴
軽量で装着も簡単。慣れれば初心者でも簡単に装着・撮影できる便利なガジェットだが、課題もありそう。特に連続1分間というのは、ペットの撮影時間としてはかなり短く、暗い室内では画像の解像度についての課題もある。
しかし、1)いつも撮り逃す、ペットの最高の表情が撮影できるシャッターチャンスを提案してくれる点や、2)ペットに恐怖感を与えることがない点、さらに3)着け心地が良く、長時間かけ続けていられる装着性の良さ、この3点はLinseならではの特徴である。
岡田先生が撮影してくれた動画でも、歩いている時の上下の揺れが解消されている。今回使ったのは透明なグラスだったが、色付きグラスならば散歩中、紫外線から目を守ることができる。眼鏡市場の全ての商品は、紫外線カット99%カットできるレンズを使用している。今回使用したLinseのクリアレンズも99%以上紫外線をカットしているため、レンズが透明でも紫外線対策はバッチリ。また、カラーレンズにすると、眩しさからも目を守ることができるのは嬉しい。進化するアイウエアが、ペットオーナーにさらなる幸せを提案してくれる。
注1)
1 S&S Insider AI Smart Glasses Market
取材協力
ひびき動物病院院長岡田響先生
文/柿川鮎子







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