依然として不透明感の拭えない米イラン紛争だが、報道によれば、現在両国は停戦の60日間延長やホルムズ海峡の開放、イランの核開発に関する協議の継続などを含む覚書を巡って交渉を続けているという。
一方、日経平均株価は5月25日に終値で6万5000円を突破。史上最高値を更新するなど、年内7万円も視野に入ってきた。
今回はそんな中東情勢と市場動向に関する分析リポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので概要をお伝えする。
中東情勢の見極めは必要だが戦闘終結は米・イランの現実的な選択肢で、市場もそれを認識か
日経平均株価は2026年5月25日、前週末比1819円12銭(2.9%)高の6万5158円19銭で取引を終え、節目の6万5000円を突破。終値ベースで史上最高値を更新した。先週末に米ニュースサイトのアクシオスが米政府高官の話として、米国とイランが60日間の停戦延長を含む合意に近づいていると報じたことなどが好感され、この日は値がさの半導体関連株中心に買いが入り、日経平均を押し上げた。
今後の相場を展望する上では、まだ予断を許さない中東情勢の慎重な見極めは必要と思われる。ただ、米国は11月に中間選挙を控え、イランは国内経済が疲弊していることから、戦闘終結は両国にとって「現実的な選択肢」と考えられる。
株式市場にもこの認識は広がっていると推測され、米国とイランの戦闘が再開・激化しない限り、合意にもう少し時間を要しても、それだけで株価が大きく下落する局面は脱しているとみている。
■26年度の会社予想はまずまず良好な内容、また日本株全体で過熱感はそれほど高まっていない
企業業績に目を向けると、5月20日付レポートで解説したとおり、2026年度の会社予想は、非製造業が中東情勢の影響に対し、より慎重な見方を示したものの、全体では「まずまず良好な内容」と判断される。
市場では、決算発表前のやや楽観的な予想の修正が終了したとみられ(図表1)、今後、米国とイランが戦闘終結に向けた合意に至れば、会社予想の上方修正を先取りする形で市場予想に上方修正の動きが広がり、株価を支えると思われる。

日経平均については、このところの急速な上昇に、相場の過熱感を指摘する声も聞かれる。ただ、日本株全体でみた場合、例えば東証株価指数(TOPIX)の12カ月先予想株価収益率(PER)は直近で16.5倍と、S&P500種株価指数の21.1倍や、ナスダック総合株価指数の26.2倍に比べれば、割高感は相対的に小さく、それほど過熱感は高まっていないと判断できる。
■日経平均の年末予想を6万8100円に設定、各四半期の予想レンジ上限は7万円超
三井住友DSアセットマネジメントは5月19日時点で日経平均株価の見通しを上方修正しており、2026年12月末の着地水準を6万8100円に設定した(図表2)。

また、各四半期における予想レンジの上限は、いずれも7万円超としている。この先、日経平均が6万5000円台でまずはしっかりと足場を固め、ここに中東情勢の緊張緩和という要素も加われば、年内に7万円に向けた動きが一段と明確になることも予想される。
日本では、基調的な物価上昇が見込まれるなか、2026年の春闘で平均賃上げ率が3年連続で5%超となり、企業の資本効率改善の取り組みも続いている。
また、年内予定のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂に伴い、企業が現預金を成長投資などに活用すれば、ROE(自己資本収益率)の改善も見込まれ、6月公表予定の「骨太の方針」で成長投資への期待が高まれば、株価にとってさらに好環境が整うと思われる。
構成/清水眞希







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