「カンコー学生服」を展開する学生服業界のトップメーカー、菅公学生服株式会社。
170年の歴史を誇る老舗が、『制服レンタル』で話題になっていることをご存知だろうか?
制服のトップメーカーが提供するアイテムを自由に選び、お気に入りの制服コーデでお出かけできるセレクト制服レンタルサービス『NANCHA(ナンチャ)』。
菅公学生服が手掛けるこのサービスは、直営店であるカンコーショップ原宿セレクトスクエアで始まり、現在は千葉・舞浜のカンコーショップイクスピアリでも展開している。
両店舗では王道のネイビーブレザーから、ニットやリボン、ネクタイを自由に組み合わせられる多様なコーディネートを提案。憧れの制服で観光スポットを巡ったり、デートや旅行も楽しめるこのサービスは、いかにして生まれたのか?
今回、菅公学生服株式会社カンコーセレクトスクエア事業部の荻田さんに話を聞いた。
—制服レンタルを始めたきっかけから教えてください
「2018年8月からカンコーショップ原宿で始めたのですが、中高生や大学生の「かわいい制服で遊びに行きたい」、「学校の違う友達とお揃いの制服を着たい」という声や、制服のない学校に通う方の「制服選びで失敗したくない」といったニーズに対し、気軽に利用できるサービスを展開するためスタートしました」
そもそも、菅公学生服が原宿駅近くにセレクト制服の企画・販売店舗を構えたのは2016年。トレンド発信地とも言える街で学校指定以外の自由購入アイテムを販売してきた。
少子化の現代、新たなターゲットに向け、「今しか着られない服」という特別感のあるアイテムをアピールする狙いがあったという。
その店舗で始まったサービスが制服レンタルだ。
「スタート当初は厳しい状況が続いていましたが、ネット検索やSNSなどで徐々に認知が拡大し来客数も増えていきました。また、弊社の商品開発からモデルを務める10代メンバーで構成された「カンコー委員会」のPR活動も認知度アップの要因の一つと言えます」
2023年には2店舗目を千葉県浦安市舞浜の商業施設にオープン。「制服をもっと楽しく」というコンセプトが広く浸透し、若者世代に受け入れられている。
制服レンタルがこれほど人気になった理由をどう分析しているのか?
「主な要因は、「テーマパークへ制服を着て出かける」という若者の間でのトレンドと、当店のサービスが合致したことだと分析しています。利用いただきやすい価格設定やサービス設計が10代~20代前半のニーズに深く刺さり、2店舗目出店という事業拡大に繋がったと考えております」
客層は若者メイン。しかし、中には意外な方々も制服レンタルを楽しんでいるという。
「近年は日本のアニメに出てくるような制服を求めていらっしゃる海外のお客様、ライブや特典会などの推し活でのご利用も増えているのが印象的です」
ちなみに、このサービスは年齢制限などあるのか?筆者のようなミドルシニア世代の男性でも利用していいものだろうか?
「もちろん、年齢性別問わずどなたでもご利用いただけます。これまで40代以上の方にご利用いただいた実績もございます。ご利用目的としてはお出かけ、推し活、職場や同窓会での余興、お子様のためなどがありました」
女子高生カルチャーに憧れる小学生向け制服レンタルへの挑戦
原宿、舞浜にあるカンコーショップの店内には学校指定ではないバリエーション豊かな制服がズラリと並んでいる。
定番スタイルのシャツやリボン・ネクタイなどを始め、エンジのカーディガン、ピンクグレーのチェックスカートも。
レンタル利用の際は、普段の買い物と同じように店頭からアイテムを選んでいく。
料金はボトム、リボンorネクタイ、シャツを選ぶSセットで1800円(店頭限定5時間プラン)から。2泊3日での利用も可能だ。
幅広い制服のラインナップはどのようにして選んでいるのか?
「当店は「セレクト制服の販売」をメイン事業としているため、レンタルラインナップの多くは実際に販売している商品を採用しています」
「そのため、現代の学生たちがリアルに選んでいる「今、本当に着たい制服」をご提供できるのが強みです。一方で購入するには少しハードルが高くても、レンタルだからこそ挑戦できるような専用アイテムも展開しています」
「中でも、写真映えやイベント映えを狙ったピンクのセーラー服やブレザーはお客様からも特に人気の高いアイテムです」
では、人気No.1の制服&コーディネートは?
「当店は豊富なラインナップから無限大の組み合わせを楽しめるのが特徴のため、No.1を決めるのは難しいのですが、最も支持されているのはネイビーのブレザーにグレー系ボトムスを合わせた王道コーディネートです」
「最新トレンドとしてはここ数年、女子高生の間で赤いカーディガンと合皮のスクールバッグを合わせるスタイルが大流行しており、当店でも非常に高いレンタル実績を誇っています」
「これからのシーズンに向けたおすすめとしては涼しげな半袖のセーラー服や夏らしく知的な印象を与えるストライプ柄のクレリックシャツが特におすすめです」
今や制服は、学生が学校だけで着用するものではなく、日常で気軽に利用できるファッションアイテムの一つ。お出かけの際の思い出をより華やかに彩ってくれる存在。
学生の特権だった制服ディズニーや制服ユニバを誰でも楽しめる新たな価値が生まれ始めている。
そんな制服レンタルサービスは菅公学生服のみならず、他メーカーも提供しているが、老舗ならではの強み、こだわりを伺いたい。
「スクールユニフォーム業界のリーディングカンパニーだからこそ作れる、高品質な本物の制服を手ごろにレンタルできることが最大の強みだと思います」
「また、トレンドをおさえた種類豊富な制服から様々なコーディネートを楽しめることも当店の特徴です。オンラインショップも展開しているので、全国どこからでもご利用いただける利便性と、どなたでも手軽に日本の制服文化を楽しんでいただけることがこだわりです」
日本の制服文化の一翼を担い、歴史を築いてきた菅公学生服。老舗はこの先も果敢に挑戦していく。
「これまでの制服レンタル事業は中高生や大人が主な対象でしたが、今後は小学生以下のお子様にも制服体験を楽しんでいただけるよう、キッズ向けの商品開発に取り組んでいます」
「近年の平成リバイバルブームの影響で、当時の女子高生カルチャーへの憧れが小学生の間でも高まっています。そんなお子様たちに向けて、憧れのお姉さんになりきってわくわくできる体験を届けられることが目標です」
「同時に、海外のお客様へのアプローチも強化し、日本の制服文化を世界の方々にもより深く楽しんでいただきたいと考えています。さらに今後は、メディアやイベントへの衣装提供といったBtoB領域でのレンタル事業にも注力し、より多角的にサービスを展開していく方針です」
少子化と言われる昨今、制服ビジネスでさらなる成長を遂げるために必要なこととは?
「当店としては、既存のターゲットに留まらない新たな客層の開拓と販売チャネルの獲得が特に重要だと考えております。たとえば、インバウンドのお客様に向けたアプローチや越境ECを通じた海外市場への展開などがあると思います」
「企業全体としては制服の枠を超えた教育ソリューション事業にも力を入れています。学校や子どもたちの未来を支えるための挑戦をこれからも続けていくことが企業としての使命だと思っております」
取材協力
制服レンタルサービス「NANCHA」
カンコーショップ セレクトスクエア公式X @KankoShop
制服レンタルNANCHA/カンコーショップInstagram @kanko_nancha
文/太田ポーシャ
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