部数減少やオールドメディアと呼ばれるなど現状ではネガティブな印象が多い新聞だが、電通は主要5メディア接触動態調査である「全国メディアプロフィールサーベイ2025(MPS)」と多様なデータを活用して、新聞・新聞広告の効果と役割を解明するための分析を行った。社会全体でビッグデータ活用が進んでメディア環境が複雑化しているが、クロス集計や相関分析のみではメディアの価値を十分に説明できない場面が増えている。
そこでソニーコンピュータサイエンス研究所が開発した独自のAI技術による潜在的な重要因子を含む高精度な因果モデルを推測するデータ分析技術であるCALCを活用して、環境変化を踏まえた新しい手法として因果構造に基づく分析を取り入れたという。今回の調査で初めてMPSとCALCのデータ連携を行ったことで、生活者の意識や行動に影響を与える要因を構造的に可視化でき、新聞・新聞広告の価値や役割と因果関係を明らかにできたという。
新聞や新聞広告が生活者に与える影響の現状は?
今回の調査では、新聞は日常的に接触することで深い理解や能動的な情報収集、自己成長につながる媒体ということが確認されたという。
MPSの聴取対象である47の商品・サービスカテゴリーのうち、企業広告への関心の分析では、企業広告に対する関心に新聞広告が直接的に影響する傾向があったという。企業広告の関心形成では、新聞広告は「社会課題解決に向けた取り組みの理解」を促して重要な役割を果たしているという。
さらにSNS上での拡散や発信につながる因果では、新聞広告はSNSでの拡散につながる効果を持っており、新聞広告に接触した生活者は企業の取り組みへの理解を深めた上でSNS発信する流れが因果推論モデルからも見られた。新聞広告が企業理解を促して、SNSでの情報拡散にも寄与しているといえそうだ。
MPSの最新データをCALCに搭載したことで、新聞広告の効果を従来とは異なる視点で分析できたことで、新聞は他メディアと比較して日常的な接触が深い理解や主体的な行動につながる因果のルートを多く持っていることがわかった。電通は「今後も因果推論を活用した分析手法の高度化を進め、企業のコミュニケーション戦略立案に役立つ知見を提供していきます」とコメントしている。
大きな転換点を迎えていると思われる新聞メディアだが、この分析データによればSNSへの拡散などでは効果はあるようだ。それを踏まえた上で、メディアとしての方向性を示す必要はありそうだ。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0331-011022.html
構成/KUMU







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