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夏場に熱中症を経験したことがある人は4割、年代別では20代が最多

2026.05.28

気象庁は2026年4月17日、最高気温40度以上を計測した日の名称を「酷暑日」とすることを決定した。このように、極端な暑さへの警戒が高まる中、人々は熱中症への危機感をどのくらい持っているのだろうか?

タイガー魔法瓶はこのほど、2023年より継続して実施している「熱中症と水筒に関する意識調査」を、今年も全国の20代から60代の男女608人を対象に行い、その結果を発表した。

7月の「夏本番直前」になっても、4割以上の人が熱中症対策を始めていない実態が明らかに

熱中症対策をいつから始めるかという問いに対し、6月までに熱中症対策を開始する人が半数を超える一方、4割以上(43.1%)の人は夏本番直前(7月)まで対策を始めていないことが明らかになった。熱中症リスクは梅雨明け直後から急増するため、7月に入ってからの対策では初動が遅れる恐れがあり、より早期の「暑熱順化(体を暑さに慣らすこと)」が不可欠といえる。

2人に1人以上が、これまでに熱中症の危険を感じたことがあると回答

2人に1人以上(55.1%)がこれまでに熱中症の危険を感じたことがあると回答している。また、医師による診断と自己診断を含め、夏場に熱中症を経験したことがある人は4割以上(42.5%)に上った。年代別で見ると、熱中症にかかったことがあるのは20代が最も多く約6割にのぼった。

世間では、子どもやお年寄りの熱中症について注意喚起されるケースが多い中、若い世代ほど「熱中症にかかったことがある」人が多いという実態が明らかになった。

夏の熱中症対策について、専門家が推奨する「こまめな水分補給」ができていない人は9割

経口補水療法を専門とする谷口医師によれば、一気に水分を飲むと体がすぐに気づいて尿として排出してしまうという。そのため、一口15~30mlの少量摂取を暑い環境では「10分に1回」のペースで繰り返し、「1日1.5L以上」を目安に補給することが推奨されている。

調査の結果、推奨される1日1.5L以上の水分補給ができている人は半数未満(44.2%)にとどまり、10分に1回の頻度で水分補給ができている人はたったの1割(10.0%)という結果に。9割(90.0%)がこまめな水分補給ができていない実態が浮き彫りとなった。

40度以上の酷暑日に「キンキンに冷えたドリンクを飲む」「がぶ飲みする」は逆効果

谷口医師によると、「キンキンに冷えたドリンクを飲む」「喉が渇いてから水分補給する」「がぶ飲みする」「スポーツドリンクを避けて水のみを飲む」などの行動は、平時以上に過酷な「酷暑日」の水分補給としては、かえって逆効果になる可能性があることを指摘している。

そこで、35度以上の猛暑日における水分補給法を調査したところ、約8割(79.9%)が誤った水分補給を行っていることが浮き彫りとなった。

熱中症対策として利用されているスポーツドリンクや経口補水液。実は水筒に入れるのは良くないということを、約半数(46.9%)が知らないと回答

熱中症対策として広く利用されているスポーツドリンクや経口補水液だが、塩分を含むため、サビの発生や破損の原因になるおそれがあり、一般的な金属製の水筒に入れることは推奨されていない場合があると見聞きしたことがあるか、の問いに、約半数が(46.9%)が「ない」と回答した。

猛暑日や、40度以上の「酷暑日」の適切な水分補給法とは? ”ストローでの水分補給”を推奨、谷口医師からのコメント

■夏の時期、さらに40度を超えるような酷暑日の「水分補給」の正解は?

【一般的な夏時期:活動内容で頻度を変える】
通勤や買い物、レジャーなどの日常的な活動であれば、10分に1回のペースでの給水を意識しましょう。1日の摂取目安は、1.5L以上が目標です。一方、スポーツや屋外作業を伴う場合は、2~3分に1回と頻度を上げ、活動時間に応じて摂取量を増やす必要があります。

【40度以上の酷暑日:喉が渇く前に「強制給水」】
気温が40度を超えるような極端な環境下では、10~15分に一度は必ず水分を摂るようにしてください。運動や労働を伴う場合は、2~3分に一度、喉の渇きを感じる前に飲むことが鉄則です。また、屋外で活動する際は、個人の判断に任せず「強制的に休憩と給水」をセットで行う仕組み作りが欠かせません。

■酷暑における「水の温度」と「飲み方」の注意点

40度以上の酷暑でも、「冷たすぎない水温(10度~20度)」が最もバランスが良いとされています。また、気温が高くなるにつれて一気に飲みたくなりますが、「がぶ飲み」は逆効果となるため注意が必要です。

【理由1:胃に大量の水が入ると吸収が追いつかない】
胃は一度に大量の水を処理できません。特に暑熱環境では血流が皮膚に集中し、胃腸の働きが弱くなります。そのため、吸収しきれずに胃に水が溜まることで「気持ち悪くなる」という症状が起こりやすくなります。

【理由2:水だけ大量に飲むと電解質が薄まり危険】
汗で失われる塩分(ミネラル)を補わずに水だけをがぶ飲みすると、血液が薄まり非常に危険です。

■夏の子どもの正しい水分補給:学年別の注意点と適温のポイント

夏の子供の水分補給は、成長に合わせた調整が重要です。低学年は腹痛のリスクを避けるため、冷やしすぎず(10度~20度)一回50~100mLを目安に少量ずつ飲ませましょう。高学年は冷水でも問題ありませんが、全学年共通で「一気飲み」は厳禁です。冷たすぎると喉の渇きが麻痺して水分不足に気づかなかったり、体温の下げすぎでだるさを招くともあります。適温とこまめな補給を意識し、健やかな夏を過ごしましょう。

■医学的視点から見る「理想の補水」~がぶ飲みは水分が体に残りにくい?体のしくみから見る違い~

一度にたくさんの水を飲む(がぶ飲み)と、血液の濃さ(浸透圧)が急に薄まります。すると脳は「水分過多」と判断し、尿の量を減らす抗利尿ホルモンの働きが弱まってしまいます。

その結果、水分が体に吸収される前に、多くが尿として出てしまうのです。体のすみずみにしっかり水分を届けるには、一口15~30mlくらいの少量を、こまめに飲む「ひっそり補水」がおすすめです。脳のセンサーに気づかれないよう静かに補給することで、尿としての排出を抑え、全身の細胞へ効率よく水分を行き渡らせることができます。

■理想の水分補給をするために、“ストローでの水分補給”を推奨

「こまめに水を飲む」ことを習慣にするのは、意外と難しいもの。しかし、ストローを使うと自然に理想的な水分補給ができます。ストローでの飲水のメリットは、無意識にちょうどいい量が飲める点。一口の量が自然と少なくなり、胃腸に負担をかけずに「ひっそり補水」がしやすくなります。

また、飲水時に首を傾ける動作がなかったり、マスクやリップをしていても飲水しやすく続けやすい点もポイント。仕事中や移動中でも気軽に水分補給することが習慣化の第一歩です。

<谷口英喜医師プロフィール>
済生会横浜市東部病院患者支援センター長、東京医療保健大学大学院客員教授、麻酔科医師、医学博士、麻酔科専門医。

水電解質管理、栄養管理、経口補水療法を専門とし、脱水症、かくれ脱水の論文を発表。脱水症、経口補水療法の著書も多く出版。新聞、テレビ、雑誌などでのコメントも多い。医療従事者向け生涯教育サイト「谷口ゼミ」を開講。

※タイガー魔法瓶「熱中症と水筒に関する意識調査」より引用

<調査概要>
調査対象:全国の20代~60代の男女608人
調査期間:2026年3月30日(月)~4月6日(月)
調査方法:株式会社ジャストシステム「Fastask(ファストアスク)」を用いたインターネットリサーチ
※結果数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。

出典元:TIGER

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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