DIME2026年7月号では、「不動産のウソ、ホント」を大特集。映画『正直不動産』と大コラボし、不動産の買い時を徹底検証!住宅価格高騰の今知るべき不動産の「ウソ・ホント」を専門家と解き明かしていく!
不動産サイトを見ると、一瞬、自分の目を疑ってしまうような変わった物件が載っていることがある。そんな〝珍間取り〟の物件も多く仲介している「ホビー不動産」の担当者に、現在扱っている物件とその魅力を伺った。

ホビー不動産さん
「不動産をホビーに」を掲げ、誰かにとって特別になりうる物件を厳選して掲載している不動産探索サイト。YouTubeでも物件の動画を紹介中。
Case1:思春期くらいトガってる!
©平井広行

設計:ビーフンデザイン

最先端部の角度はおよそ30度。1階の先端部分には取り外し可能なボードが備わっており、用途に応じて使い分けることができる。2階はシャワールームなので気になることは少なそうだ。
〈オーナーさんのねらい〉ロフトや中2階などトガりをカバーする構造がオシャレです
「隣接する道路の幅を広げた関係で、細長くて先端がトガってしまった土地。売りに出した方も『まさかここに家を建てるとは!』と思ったそうです」
上石神井の通り沿いを進むと突如現れるこの物件は、外見も内見も存在感抜群。楔のような形の部分も、釣り竿の保管など使いようによっては機能性を持たせて利用できる。
「先端だけでなく建物全体も壁のように細長くて見ているだけでワクワクする物件。ある意味友人を呼びたくなる、人を惹きつける部屋ですね」
Case2:メゾネット+ロフトの3層構造


壁のない3層構造は照明の入り具合も考慮して設計されている。吉祥寺という立地も相まって、晴れた日はのどかな陽の光を満喫できる間取りになっている。
〈オーナーさんのねらい〉調光の優れ具合が素晴らしいです
「こちらは木造の建物。上の階と下の階に完全に分けて貸す部屋を作ると、上の階の人の歩く音が下の階の天井に響く。その響くリスクを避けるために建物をフロアごとに分ける横型の仕切りではなく、縦型の仕切りにして、2フロア分の高さのあるスペースを3層構造の空間にしました」
空間に開放感があるのでロフトやメゾネットも圧迫感を感じない。
「木造の建物の音問題というウイークポイントがあったから生まれたユニークな物件です」
Case3:何LDKでもない!?
©TakuyaFuruse


©TakuyaFuruse

この物件がある高円寺にフィットした部屋を、というコンセプトで設計。○LDKといった従来の枠組みから外れ、どこからでもすべての部屋を見通せる空間での生活は、刺激的なものとなるだろう。
〈オーナーさんのねらい〉「めいっぱいの自分らしさ」をコンセプトに、住まい手の個性を表現できる部屋を企画しました
「部屋を壁ではなく棚で仕切った空間。リビング、書斎、ベッドルームが全部ひとつながりで行ける回遊性のある部屋です。これまでの住宅はリビングでくつろいで、ダイニングで食事して、ワークスペースで仕事して、寝室で寝る、といった区分けがありましたが、それら全てが一体化した57.35平方メートルの空間となっています」
こうした空間作りは現代の働き方ともマッチしているという。
「今はスマホ、タブレット、ノートパソコンと持ち歩けるデバイスを駆使して、シームレスに仕事をするスタイルが定着しています。そんな感じで生活もシームレスにできると面白そうですよね」
Case4:部屋というよりハコに住む家

設計:ビーフンデザイン

間取りをよく見ると窓の多さも目を引く。複層構造の物件ゆえ、床面積は1Rと大差はないながら外の景色や部屋の中を様々な角度から楽しむことができる。ロフトの絶妙なサイズは巣ごもり感があり、寝に帰る、趣味に没頭する、優雅にお茶を啜る……様々な使い方ができそうだ。
〈オーナーさんのねらい〉小さい部屋は自分の「巣」というような感覚になり、気分がリセットされます
「『家賃収入を増やしたいので、とにかく部屋数の多い物件にしてほしい』とクライアントから要望があり、それに応える形で設計。その結果、ツリーハウスのような構造になったとのことです」
板橋区、リビングが7.3畳と物件のステータスだけ見るとやや寂しい感じがするが、特異な物件がもつ魅力はそれを上回り、意外と問い合わせ件数は多いらしい。
「個性的な部屋は、私たちの会社のスタッフが思いもよらなかった使い方を発見して、楽しまれるケースが多いです。賃貸なら住み心地を手軽に試すことができるので、自分らしいライフスタイルを見つけたい人が借りていますね」

取材・文/渡辺雅史 イラスト/岩井勝之 編集/轡田緒早
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