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相続した不動産、放置していませんか?登記しないと「最大15万円」の過料リスクが生じる理由

2026.05.27

不動産登記法が改正され、2026年4月1日から不動産の「住所・氏名の変更登記」が義務化された。放置すると「5万円以下の過料」が科される恐れがある。

「昔、引っ越して住所が変更になったが、そのままにしている」「土地の相続の際に登記の名義変更をしていない」という人は要注意。法改正前に変更分についても、2年以内(2028年3月末まで)に手続きを行う必要がある。

そこで今回は、法改正の概要まとめと、申請漏れや対応漏れになりやすいケース、申請方法を司法書士監修のもと、紹介したい。

住所・氏名変更登記の義務化とは?

そもそも不動産の住所・氏名変更登記とは、不動産所有者が住所や氏名、名称を変更した際に、法務局で登記簿上の情報を更新する手続きだ。

これまで任意だったものが2026年4月1日から義務化された。

施行日より前に住所や氏名、名称に変更があった場合も、義務化の対象だ。ただし施行日から2年間の猶予期間が設けられているので、2028年3月31日までに手続きを行う必要がある。

もし申請を行わなかった場合はどうなるのか。正当な理由なく、申請を怠ると5万円以下の過料が科される可能性がある。

相続登記も義務化

近年、相続登記についても法改正があった。2024年4月1日から義務化されている。

相続登記とは、土地や建物の所有者が亡くなった際に、相続人の名義に変更する手続きを指す。正式には「相続を登記原因とする所有権移転登記」という手続きだ。相続、贈与、売買など複数の原因のうち、相続によって名義変更することを相続登記と呼ぶ。

義務化されたことで、相続人は、取得を知ってから3年以内に相続登記する必要がある。

2024年3月31日以前に発生した相続についても対象となっている。ただし施行日から3年間の猶予期間が設けられているので、申請期限は2027年3月31日だ。

正当な理由なく、申請を怠ると10万円以下の過料が科される可能性がある。

油断していると、両方の申請漏れが生じる可能性もある。合計で最大15万円相当の過料リスクとなり得る。

申請漏れを引き起こすよくあるパターン

相続登記や住所・氏名変更登記の義務化を受け、「自分の場合はどうなのか?」と不安になるかもしれない。相続登記支援サービス「そうぞくドットコム」を運営する株式会社AGE technologies 代表取締役社長の塩原優太氏によると、義務化されて以来、ユーザーから不安の声が多く寄せられているという。

【取材協力】

塩原優太氏
株式会社AGE technologies 代表取締役社長
新卒でIT広告代理店に入社。その後、アプリ開発の会社を経て、相続・事業承継に特化したコンサルティング企業に参画。超高齢社会が抱える課題の深刻さと事業機会の大きさを実感し、2018年に当社を創業。

2026年4月1日施行の住所・氏名変更登記の義務化の影響もあり、相談件数は、昨年同期比で89.1%増と、大幅に増加しているそうだ。「そうぞくドットコム」は住所・氏名変更登記を直接行うサービスではないが、関連して問い合わせがあるという。

「まだ法改正自体をご存知ない方が多く、認知されている方であっても詳細な内容まで正しく理解されている方は少ない印象です。具体的にお寄せいただく声としては『建物だけが対象だと思っていた』『固定資産税を毎年納めているので、名義変更も自動的に完了していると思っていた』といった誤解に基づいたものが目立ちます。また法改正以前に相続した不動産については対象外であると思い込んでいる方も多く、制度の根幹となる部分が十分に浸透していないのが実情です」

具体的に行動を起こし始めたユーザーからは、「手続きを進めたいが、祖父名義の不動産がどこにあるのか正確な場所が分からない」「何から手を付け、どこで確認すれば良いのか」といった、調査段階での行き詰まりに関する質問が増えているという。

相続登記については、「そうぞくドットコム」の利用が一つの手段となる。従来は多大な労力を要した手続きをオンラインで完結できる。収集に手間のかかる戸籍謄本等の取得をすべて代行するほか、専門知識が必要な登記申請書や遺産分割協議書の作成も、ネット上の操作だけで簡単に行うことが可能だ。

住所・氏名変更登記は「スマート変更登記」で

各種申請方法は、法務局の公式サイトを確認したり、問い合わせをしたりして正確な情報を確認しよう。

住所・氏名変更登記については、近年「スマート変更登記」という手間が省ける申請方法が生まれたため、知っておくと良さそうだ。

この制度は、あらかじめ、法務局に対して、氏名や住所、生年月日、メールアドレス等を届け出ておくことで、法務局の登記官が職権で住所等の変更登記を行ってくれるもの。

引っ越しや結婚等を理由に住所や氏名が変わることが多いが、そのようなときにも自ら登記申請をする手間を省ける。加えて、節税効果もある。自ら申請する場合は、不動産1個につき1,000円の登録免許税がかかる(戸建てなら土地・建物で2,000円が一般的)が、職権による住所などの変更登記に登録免許税はかからない。複数、不動産を所有している人は朗報だ。

詳細については、法務局の公式サイトを参照し、不明点があれば直接問い合わせて正しく利用・申請しよう。

【監修】

板垣 隼氏
司法書士法人 不動産名義変更手続センター代表。相続登記・名義変更を専門に、全国対応で年間2,000件超の相談実績を持つ司法書士。
https://www.meigi-henkou.jp/16130337523182

取材・文/石原亜香利

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