日本では高校の時点で文系と理系に分かれるケースが多く、大学入試でも学部系統によって科目が分かれることが多い。そんななかで提唱されているのが、人文や社会科学といった文系と自然科学などの理系を組み合わせて幅広く学ぶ文理融合教育だ。リクルートの進路情報メディア『スタディサプリ進路』は、「スタディサプリ」編集部の高校生エディターと公式LINE登録者、保護者に「進路の文理選択」に関するアンケートを実施して「文理融合教育」に関する関心などを調査した。高校生が文理選択で軸にしていることでは、「好き・得意な科目だった」や「将来就きたい仕事・職業に明確に必要な学問だった」が上位で、保護者の「文理融合教育」に関する質問では、不安や懸念点の上位に子どもの学習負担や専門性の低下が挙がった。「文理融合教育」に期待することでは、「視野が広がり、進路の選択肢が増える」がトップだった。
現役高校3年生の希望進路の割合は文系が半数超え
・今、希望する進路は文系・理系どっち?
・なぜその分野を選びましたか? もっとも自分に合致するものをひとつ選んでください
高校3年生に希望する進路を質問すると、文系が54.7%で理系が41.0%だった、未定は4.2%。分野を選んだ理由のトップ5は、1位「好き・得意な科目だった」、2位「将来就きたい仕事・職業に明確に必要な学問だった」、3位「苦手科目を避けるため」、4位「気になっている将来の仕事・職業の大多数が関連していた」、5位「なんとなく勉強内容が好きだと思った」というランキングになった。大きな軸は「得意・苦手」と「将来就きたい仕事」の2つだった。
保護者の文理融合教育のイメージは「文系・理系どちらの強みも活かせそう」
・「文理融合教育」に関してどう思いますか?
・「文理融合教育」に期待することは何ですか?
保護者に文系・理系のどちらの要素も併せ持ち横断的に学んでいく“文理融合教育”について質問すると、イメージでは1位「文系・理系どちらの強みも活かせそうで魅力的」、2位「視野が広がり、発想力が伸びそう」、3位「将来の仕事や社会で役立ちそう」とポジティブな項目が上位だった。期待することでは、1位「視野が広がり、進路の選択肢が増える」、2位「社会課題を多角的に考えられるようになる」、3位「文系・理系どちらの強みも活かせる」がトップ3だった。ピンポイントのスキル装着などではなく、どちらの良さも取り入れながら視野を広げることに期待している声が多かった。
・進路を文系・理系に決定の過程で、保護者の方の意見は影響しましたか?
・「文理融合」教育に関してどう思いますか?
今回の調査について、『スタディサプリ進路ブック』の金剛寺千鶴子編集長は、次のようにコメントしている。
「文理選択のプロセスについて「保護者のアドバイスを聞きながら自力で決める」生徒が48.8%と、「保護者への相談なく自分の意思で」の46.1%を超えていました。こうした調査結果からも、高校生の進路検討全般に対する保護者の関与や影響力は高まっているようです。 現代の複雑な社会課題を解決するには、ひとつの専門性だけでなく、多様な分野を横断した広い視点でのイノベーションが不可欠です。こうした背景から注目される文理融合教育に関しても、保護者がポジティブに捉えているのと同様に、高校生自身も「将来の仕事や社会で役立ちそう」や「視野が広がり、発想力が伸びそう」、「文系・理系どちらの強みも活かせそうで魅力的」といった項目を上位に挙げました。一方で「学習範囲が広がって負担が増えそう」や「専門性が浅くなりそうで心配」といった声は極めて少なく、文理の枠を超えた学びが必要なものとして受け入れられていることがうかがえます。
将来の社会においては、「専門性の深さ」に加え、多様な視野や視点、角度から物事を多角的に捉える「幅の広さ」が必要とされています。保護者世代が進学によって得ようとしていた「専門となる学問の追究」だけではなく、多角的な視点が求められる時代へと変化しており、高校や高等教育の学びも少しずつ進化しようとしています。家庭内でも世代間を超えた対話をしたり、いわゆる「寄り道」や「越境」のような未知の経験を通じて、第三者の視点や新しい価値観に触れたりする機会を持つこと。そうした機会との出会いが、変化の激しい現代において、納得感のある進路選択を支える鍵となるかもしれません」
現在の社会は、「専門性の深さ」だけでなく「幅の広さ」が求められるといえる。将来を考える高校生には、文系と理系という区分けされた学習ではなく、バランスを考えたカリキュラムや社会に適応するための総合的な知識が養えるシステムが必要といえそうだ。
『進路の文理選択に関するアンケート』概要
調査対象:(1)全国高校3年生男女(『スタディサプリ進路』の高校生エディター/公式LINE登録者)、(2)高校生の子どもの保護者
有効回答数:(1)592人(男子242件、女子344件、回答しない6件)、(2)310人(男性155件、女性155件)
調査期間:(1)2026年2月10日~2026年2月12日、(2)2026年2月13日~2026年2月14日
調査方法:(1)(2)インターネットリサーチ
https://shingakunet.com/journal/fromsapuri/20260317000013/?vos=scrmot00148
構成/KUMU







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