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9年ぶりに進化したマツダの看板モデル、新型「CX-5」を徹底解説!

2026.05.24

9年ぶりの全面刷新!新型CX-5は〝毎日が心地いい〟次世代ミドルSUVへ進化

2012年にマツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」と、優れた走行性能・環境性能を実現する「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」を全面的に採用した第 1弾となる初代がデビューし、2017年に2代目となったマツダのミッドサイズSUV、CX-5はマツダの国内販売の1/4を占める、グローバルで累計 500万台以上の生産・販売を達成した量販車種だ。そのCX-5の3代目が2026年5月に9年ぶりにデビュー。開発コンセプトは「新世代エモーショナル・デイ リーコンフォート」。「魂動デザイン」と「人馬一体の走り」をさらに磨き上げるとともに、心地よく過ごせる居住空間や高い実用性を備えた荷室を大幅に刷新。新たな電子プラットフォーム「MAZDA E/E ARCHITECTURE+(マツダ イーイー アーキテクチャー プラス)」を採用した新型だ。

一目でCX-5と分かるサイドビューを持つボディは全長4690×全幅1860×全高1695mm。ホイールベース2815mm。つまり、2代目より115mm長く、15mm幅広く、30mm高いプロポーション。ホイールベースも115mm伸びている。とはいえ、ドアミラー形状の工夫でドアミラーを含む全幅はむしろ38mm幅狭で、ドアミラー格納時の幅も8mm減少。ボディサイズの拡大に伴う使い勝手は、こと全幅に関してはむしろ向上していると言っていいかも知れない。なお、悪路走破性にかかわる最低地上高は本格SUVと言っていい205mmを確保している(2代目は210mm)。

エクステリアデザインは魂動デザインを進化させたもので、厚みを増したフロントグリル、内部に赤い「5」のロゴがこっそり仕込まれたLEDヘッドライトに新しさがあり、例えばボディサイド、フロントドア前下部の斜めに切れ上がるライン、フロントセクション左右下部のえぐりは、一見、空力に配慮したものと思えるのだが、実はデザイン。とくにフロントドア前下部の斜めに切れ上がるラインはフロントフェンダーを長く見せ、そこまでがフロントフェンダーであるかのような伸びやかさを演出しているというから、魂動デザインへのこだわり、デザイナーの意欲はかなりのものと言えるだろう。

インテリアはマツダらしい「走る歓び」を感じるコックピットと、リラックスできる空間の両立がテーマ。運転 席周辺に水平要素を取り入れ、運転中の姿勢変化を感じやすくすると同時に、ドアからイン パネにかけての造形を水平方向につなげることで、落ち着いた、広々とした空間を表現している。そこでの新しさは、これまでマツダ車のセンターディスプレイは小さい、縦方向にスペースがない・・・といった声を一掃する12.9インチ(S、G)、または15.6インチ(L)の大型ディスプレイが、なんとGoogle搭載(通信機器込み)で採用されていることだ!! また、360度ビューモニターに加え、駐車のしやすさ、安全に貢献するシースルービューモニターまで用意されているのである。

パッケージングの進化も著しい。Aピラーを9mm細くし、およびAピラーとドアミラーの隙間やリヤクォーターウインドーの面積を拡大し、全方向の視界を広げるとともに、リヤドアの開口部を後ろに70mm伸ばして乗降性を向上させている。それだけではない。2代目比で後席のヘッドルームは29mm増し、ニースペースに至っては64mm増しの余裕がもたらされているのだ!! つまり、ニースペースはかつてのCX-8の2列目席より広く、CX-60を圧倒する広さなのだから驚きである。

荷室についてもさらに重い荷物の出し入れ性を向上させるべく荷室開口部地上高を18mm低めた727mmとしている。しかも、荷室奥行きを45mm伸ばし、容量は2代目の423Lから466Lへと拡大。これまで横積みしかできなかったベビーカーを新型では縦積みできるようになったのだから、ファミリー層はもちろん、アウトドア派にとっての積載効率は格段にUP。ベビーカーを荷室に積んで移動する子育て世代(と一体型ペットカートを使う愛犬家)の使い勝手が大幅に向上したことになる。ズバリ、かつてマツダSUVのフラッグシップモデルだったCX-8並みの荷室の広さをCX-5で実現したことになる。後席が4:2:4に分割できるところはしっかり継承されている。

荷室について細かい進化ポイントを紹介すると、新型は開口部の段差がなく、重い荷物の出し入れがよりしやすくなっている。2代目はそこに145mmの段差があったのだ。

荷室開口部に段差のない新型
約145mmの段差があった2代目

新型CX-5ではパワーユニットも一新。これまでは2.5L NA、2L NAとともに好評の2.2Lクリーンデイーゼルエンジンを用意していたのだが、新型ではプラットフォーム、6ATとともにキャリーオーバーされたバランスシャフト付き2.5Lエンジン(178ps、24.2kg-m)にモーター(6.5ps、6.2kg-m)を加えたマイルドハイブリッドのみとしているのだ。これまで日本国内ではクリーンデイーゼルモデルの人気が圧倒的だったのだが、時代の要請でもある電動化と、じつは世界市場に目を向ければ、CX-5のクリーンデイーゼルモデルの販売台数が極めて少なかったことが、クリーンデイーゼルモデルの廃止の理由とされている。しかも、2027年度中にはSKYACTIV-Zと呼ばれる、フルハイブリッドモデルの導入が予定されているのだ!! ちなみにマイルドハイブリッドを採用した新型CX-5のWLTCモード燃費は2WDで15.2km/L、4WDで14.2km/Lとなり、先代2.5L NAモデルの2WD13.8km/L、4WD13.0km/Lを上回っているのはもちろんだ。

先進運転支援機能の基本機能は全グレードに標準装備されているが、滑らかさを増したというクルージング&トラフィックサポートに40km/h以下でのハンズオフドライブ機能、自動レーンチェンジ機能が備わるとともに(GにOP、Lに標準)、一般道で威力を発揮する、現在のトヨタ車のほとんどに付いている、20km/h以上で作動するプロアクティブドライビングアシストを全グレードに採用。アクセルオフを前提に、全車との距離が近づくと、自動的に減速、車間距離を保ってくれる一般道での安心・安全のための機能である。

足回りの考え方も新しい。2代目CX-5では乗り心地が硬めで、段差などでの突き上げが気になる・・・というユーザーの声を反映し、新型ではダンパーサイズの大径化、ガス圧UP、内部構造の最適化によってスプリングを柔らかくセッティングすることが可能になり、2代目同等の走りを実現するとともに、接地感、フラットな乗り心地の向上が図られているというのだ。合わせてブレーキのコントロール性も高められているという。なお、タイヤサイズはG、Lグレードが225/55R19、Sグレードのみ225/65R17となる。

そんな新型CX-5だが、大きな魅力のひとつが「ストロングプライス!!」である。12.9インチ(S、G)、15/6インチ(L)のセンターディスプレイ、通信機能(1年間無料)、ナビ機能を含むGoogle搭載でS=330万円、G=352万円、L=407万円というライバルを圧倒するリーズナブルな価格をマイルドハイブリッドで実現。2代目CX-5の最終、2.5L NAモデル、25S Sports Appearanceが2WDで358.16万円、4WDで381.26万円なのだから、もう、びっくりである。プラットフォーム、2.5Lエンジン、6ATなどを2代目からキャリーオーバーさせ、しかし新型として徹底的に磨き上げ、新たな価値をふんだんに注ぎ込んだプロダクトマネージメントの勝利・・・ということになるだろうか。

新型CX-5の試乗記、室内、荷室の具体的な広さなどに関しては、このあと、改めてお伝えしたい。

文・写真/青山尚暉

プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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