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〝7500万画素で9800円〟なら買い?怪しさ満点の激安コンデジ「WD07」を徹底検証!

2026.05.27

昨今の物価高の影響は、カメラ市場にも及んでいる。報道によれば、コンパクトデジタルカメラの平均単価は「5年で3倍」になったという。ハイエンドの一眼ミラーレスカメラもその例に漏れず、「3倍」とまではいかないが、かなりの割高感がある。

これは、キヤノンやSONYといった著名メーカーの話。実は、あまり聞かないメーカーから、ちょっと考えられないような低価格のカメラが、次々とリリースされている。

これまでそうしたものは、「安かろう悪かろう」と一顧だにしなかった筆者だが、ふと興味が向いてその1つを入手した。製品の名称は「WD07」。箱には「Made in China」と大きく書かれているが、メーカー名はちょっと見当たらない。日本では、電子機器・家電ECのライブリーライフ(株)が総販売元になっている。

価格は9800円。必須のmicroSDカードは別売だが、「5K 7500万画素 18Xズーム」というスペックを見るに、ずいぶんと安い。実際どんなものなのか、レビューしてみたい。

バッテリーが2個付属で長時間使用に耐える

「WD07」は、サイズ的にはコンデジ。自重はバッテリー込みで約250gと、軽量級ではないが、さほど重いとも感じない。上の写真のとおり、付属品はレンズキャップ、Type-C USBケーブル、カメラストラップ、レンズキャップ落下防止用の細紐、レンズクロス、多言語説明書となっている。

大半のカメラと同様、バッテリケースは下部にあり、三脚の取り付け穴を挟んで、microSDカードのスロットもある。バッテリーの容量は1500mAhで2個付属しており、無充電の長時間撮影にも耐える。

バッテリーの充電は、カメラ本体に入れたままUSBケーブルを接続して行う。ゼロから満充電まで約2時間、満充電で約80分の録画ができるそう。なお、充電しながらの撮影も可能なのはポイント高い。

撮影データのPCへの転送も、USBケーブルを介して実行する。このときは「充電モード」から「ストレージモード」に設定を切り替え、microSDカードのDCIMフォルダから画像を移すかたちとなる。

盛りだくさんの機能と設定

電源やシャッターを含む各種ボタンは、本体上の右側に集中配置され扱いやすい。ズームイン/アウトは、シャッターボタンを取り囲むホイールを指先で回す。モードダイヤルというのもあって、連続撮影、録画、タイムラプスといった撮影方式の変更は、これを回して行う。一眼レフカメラでは普通にあるAvやTvといったモードがないのは、シャッタースピードや絞り(F値)を調節する機能がないからだ。

モードダイヤルとは別に、3インチの液晶パネルで様々な設定ができる。画素設定(3M~75M)、画質(標準~超高画質)、測光モード、シャープネス、ISO感度(~3200)など、大概のコンデジに備わっている機能が、一通り揃っているのには驚く。しかも、「美しさ」「小顔」「フィルター」といった補正機能まであり、価格の割にかなりの欲張り設計である。また、絞りは調節できないと書いたが、露出設定はあり、-3~+3の範囲で変更できる。ちなみに設定操作は、タッチパネルではなく、画面右横のボタンで行う。

また、画面上には、自撮り用のリアカメラと、補助光のライト(下写真)をポップアップさせるボタンがある。

静物は手ブレなしで忠実に撮れる

それでは実際に撮影してみよう。まずは室内の静物から。晴れた日中の、右側から外光が入る環境で、テーブルにある果物と鉢植えを撮る。設定は、解像度は24M、ISO感度は100、それ以外はデフォルトのままとした。電子ビューファインダーはないので、液晶画面を見ながら、約50cmの距離からズームなしで撮ったのが以下の写真。

写真の比率は4:3で、データ形式はjpgの一択。「時間透かし」がオンになっているため、左上に小さく撮影時の年月日・時間が白抜きで入っている。色や影は、忠実に再現されている。三脚に固定せず、シャッターを押す瞬間にあえて手をわずかに動かしたが、手ブレとなっていない。説明書には、手ブレ補正機能について言及はないが、その機能は備わっていると見るべきだろう。

少し気になったのは、大きく拡大したときにわかる粒子の粗さ(下写真)。24M(5632×4224)なら、もう少し高精細ではないかと感じた。この点については、単に解像度だけでなく、センサーの性能など複数の要素がからんでくる。ここはお値段相当というべきか。

そこで、画素の設定をマックスの75M(9984×7488)にして同じ被写体を撮って、拡大したところ、割と鮮明な撮れ具合となった(下写真)。以降の作例では、75M固定で撮っていく。

5K動画がスムーズに録れる

外に出て、雑草に交じって咲く花の群れにレンズを向けた。真昼で日光の照り付けが激しかったが、白飛びせずに紫色の花や緑の葉がよく撮れている。

次に、ズームインの性能を確認。まず、未舗装の一本道を1Xの倍率で撮り、続いて最大の倍率(16X)にして撮った。

1Xの写真
16Xの写真

大きくズームすると、それだけ粒子感が粗くなるのがわかる。樹木の葉々は溶け合ってしまい、道の向こうにある踏切も判別しがたくなっている。SNSにアップして、スマホで閲覧するぶんには支障ないが、2L判以上でプリントすると粗が目立つはずだ。

続いて動体を撮影してみる。被写体は、目の前を数十km/hの速度で通り過ぎる電車だ。

まったくブレることなく、通過の瞬間を切り取った。撮影データのプロパティを調べると、シャッタースピードは1/200秒で固定されている。この短さなら、たいていの動体はブレずに撮れる。反面、「長時間露光によって滝の流水を白布のように見せたい」といったテクニックはできない。

最後に動画にチャレンジ。設定できる解像度は、720P/30FPS~5K/15FPSと幅広い。最も解像度の高い5Kに設定し、同じく電車を録画する。それにしても15FPS(1秒あたり15コマ)というスペックは始めて見た。カクカク感が出るのではと案じたが、意外にも杞憂に終わった。

ご覧のとおり、動きは滑らかだし、電車の動きをボケずにしっかり追えている。動画編集ソフトでレンダリングした際と、YouTubeにアップした際に解像度は自動的に落とされており、YouTubeで見えているのは5Kを正確に再現したものではないが、元動画はかなり鮮明である。ただ、動画の場合は、手ブレ補正機能が働かないのか、細かく揺れ動いてしまっている。しっかり撮るなら、三脚に固定すべきだろう。

以上、基本的な機能をひととおり見てきたが、根幹となるセンサー性能の低さが、粒度の粗さとして見えてしまうのは、どうしても弱点となる。しかし、9800円でこれだけ機能盛りだくさんである点は、その弱点をカバーして余りある魅力となる。これからカメラを始めて、いろいろな機能になじんでみたいという方なら、入門機としておすすめしたい。

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文/鈴木拓也

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老舗翻訳会社役員を退任後、フリーランスの仕事人となる。ライターとして手掛けるテーマは、トラベル、ガジェット、著名人取材、アートなど幅広い。また、クリエイターとしての活動にも力を入れている。ライフワークは秘境と神社仏閣めぐりで、撮った写真をInstagramに掲載している。 https://www.instagram.com/happysuzuki

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