裁判所のジャッジ
夫の勝訴です。裁判所は「Y男は夫に慰謝料170万円を支払え」と命じました。Y男の反論はすべて撃沈しています。以下、見ていきましょう。
■ヴァーチャル恋愛ごっこ?

―― Y男さん、不服そうな顔ですが?
Y男
「A子さんと親密なメッセージのやりとりをしていたことは認めます」
「しかーし!」
「これは【ヴァーチャル恋愛ごっこ】だったのです!」
―― はぁ?
Y男
「ご説明しましょう。【ヴァーチャル恋愛ごっこ】とは、旦那さんに対してA子さんとの離婚を促そうとする戦略だったのです」
―― はぁ……。裁判所さん、いかがですか?
裁判所
「荒唐無稽というほかなく信用に値しない!だって、夫がA子さんに離婚を提案したあとも、あなたたちは親密なメッセージを送りあってるじゃない(「好き」「愛してる」「ベッドで抱きしめたい」「キスして」)。
夫は離婚を提案してたんだから、それ以降にメッセージをやりとりしてわざわざヴァーチャル恋愛ごっこみたいなことを続ける必要ないでしょ。あと、あんたたちホテルに行ってるじゃん。探偵が撮影に成功してますから」
■ラブホテルでSEXしてない?
―― Y男さん、挙手してますね。どうぞ。
Y男
「ホテルに入りましたがSEXしてません!A子さんから『旦那と円滑に離婚したい』との相談を受けたのでホテルに入ったのです」
―― はぁ……。裁判所さん、いかがですか?
裁判所
「そんな弁解が通るワケないでしょ……。ホテルに入る前にはデートしてるし、手をつないだり、キスまでしてるじゃないですか。探偵がキチンと撮影してますよね。あと、ホテルに入ったあとA子さんから『探偵に尾行されている』って告げられたんでしょ。にもかかわらず、あなた、ホテルから出ようとしてないじゃない。出ないとしても、本当に不貞行為をしてないなら録音や録画など、ご自身の身の潔白を証明する行動を起こすのが通常なんだけどね。というわけで不貞行為があったと認定します」
■婚姻関係は破綻していた?
―― ん?A子さん、何か?
A子
「私は、夫から暴力を振るわれていました。あと、夫が乱暴な性交渉を強要してきたり、私との性交渉を撮影したりしてたんです」
Y男
「そうです!なので、この夫婦の婚姻関係はすでに破綻していたんです。なので私が仮に不倫をしていたとしても私に責任はありません!」
―― 裁判所さん、いかがですか?
裁判所
「暴力を振るわれていたとの証拠がないし、A子さんの供述は全体的に信用できませんね」
■慰謝料170万円
裁判所は、以下の事情を考慮して、慰謝料を170万円と認定しました。
・不倫によって結婚生活が破綻に追い込まれた
・結婚期間は17年にわたっていた
・Y男は反省せず、夫に謝罪もしていない。そればかりか、裁判で不合理な弁解を続けて(ヴァーチャル恋愛ごっこ)、夫の精神的苦痛を増大させた
・夫が抑うつ状態となり、3か月半の休職を余儀なくされた
・それが原因で課長に降格となった
Y男が、【ヴァーチャル恋愛ごっこ】などというフザケタ反論をしたことも、慰謝料アップにつながっているようです。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
webメディアで皆様に知恵をお届け中。「こんなこと解説してくれや!」があれば、下記URLからポストお願いします。
https://hayashi-jurist.jp(←プロフィールもコチラ)
https://twitter.com/hayashitakamas1
なぜ、不倫はバレるのか?SNSへの書き込みが〝決定打〟になった泥沼裁判劇
こんにちは。弁護士の林 孝匡です。宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。 ホントウにあった不倫裁判を解説します。 ーー 旦那さん、なぜお怒りなんですか?…







DIME MAGAZINE













