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アジア初!「LimeBike」がついに都内導入。激戦のシェアモビリティ業界はどう変わる?

2026.05.22

都市部の短距離移動に便利で、環境に優しい公共交通として拡大するシェアサイクル。『LUUP』、『HELLO CYCLING』、『ドコモ・バイクシェア』(新ブランド『NOLL』に移行予定)の主要3社が市場をけん引し、今では利用するユーザーや車両を置くポートを、様々な場所で見かけるようになった。

世界約30か国で電動モビリティのシェアリングサービスを展開する『Lime』も、2024年8月より日本でサービスを開始。当初のサービスエリアは東京6区だったものの、現在では東京16区、横浜、那覇、石垣へと拡大。稼働台数は17倍の約3500台に、ポート数は32倍の約1300へと成長した(いずれも2026年1月時点)。

そんな『Lime』が新たな車両と料金プランを発表。また、シェアサイクルの今後の展開についても説明されたので、その内容について紹介する。

日本に最適化された新型『LimeBike』とは

まず『Lime』の車両ラインナップだが、新たに電動アシスト自転車『LimeBike(ライムバイク)』が加わった。この『LimeBike』の本展開はアジア初で、まずは東京16区において順次サービスを開始する。

日本での展開当初は立ち乗りタイプのスクーターのみだったが、2025年8月に座って乗れる『Limeラクモ』を導入。立ち乗りよりも安定感があり、荷物などもカゴに入れられるのが便利で、利用が伸びてきたことを踏まえて、首都圏エリアでは2026年3月に『Limeラクモ』に一本化した。沖縄エリアでも2026年春中の移行完了を予定する。

新型の電動アシスト自転車『LimeBike』
座って乗れる『Limeラクモ』

今後は『LimeBike』と『Limeラクモ』の2種類の車両を展開。電動アシスト自転車は海外でも展開しているが、今回、日本に導入された『LimeBike』は、日本の道路環境に最適化され、アクセシビリティに配慮して設計された車両になる。

具体的には、タイヤのホイールを小さくし、またぎやすいようフレーム位置を下げたことで、身長150cm台から190cm台まで、幅広いユーザーに適応。また、サドルの高さ調整をするストッパーをワンタッチで操作しやすくした。

また、バッテリーの消費量や駐輪中などのディスプレイ表示を明確にし、手軽に装着できるスマホホルダーの設置や、人間工学的に握りやすいハンドルを採用。後部には追加でカゴを付けたり、チャイルドシートの設置も可能なので、車両のバリエーションを拡大することも検討できる。

サドルを最適な高さに調整後、ストッパーを下げることで固定できる。
ディスプレイが見やすく、ハンドルが握りやすい。
スマホをワンタッチでホルダーに固定できる。

料金面でも新しいプランが登場し、従来の基本料金+利用料金という料金モデルに加えて、サブスク型の『LimePrime』を開始。月額999円のメンバーシップに加入することで、基本料金無料で、1回20分まで90円で何度でも利用できるようになった。5分以内なら45円で、20分超過後は1分あたり21円となる。通勤や通学などで毎日利用する人は、低価格で利用できるようになった。

また、通常、車両を予約できるのは利用10分前からだが、『LimePrime』では利用30分前から予約が可能。車両を早めにキープして利用しやすくなるのもメリットだ。

歩道走行をAI検知するなど安全対策を強化

このようにシェアモビリティ市場が活発化するにつれ、問題となっているのが交通マナーの徹底だ。4月1日からは自転車の交通違反についても、青切符(交通反則通告制度)が導入され、信号無視や一時不停止、右側通行、ながらスマホなど、100種類以上の違反に対して、反則金が課せられることになった。

電動モビリティやシェアサイクルサービス各社では、アプリ利用時に交通ルールテストを実施し、全問正解しないと利用できないなど、交通ルールを徹底する取り組みを行なっている。

加えて『Lime』では、車両が誤って高速道路に進入しないよう、首都高の出入口にジオフェンシングを導入。これは車両が走行禁止区域に入ると、自動的に速度を低下するなど、走行不可能にさせる仕組みだ。そして従来のGPSに加え、LimeポートにBluetoothビーコンを設置。このビーコンから半径約3m以内でないと車両が検知されないため、ポートの返却マナー向上の取り組みも行なってきた。

今回、新型の『LimeBike』には、位置情報の精度向上を目的に「Lime Location Engine」を実装し、各車両の居場所をより精度高く管理する。また『Limeラクモ』には、AI搭載の「Lime Vision」を導入。車体の正面に設置された内蔵カメラで走行中の画像とデータを収集し、走行画像から歩道であることを検出すると、減速するか歩道を出るまでアラームが鳴り続けることで、歩行者とのトラブルを回避する。まずは実証実験でこの取り組みを進めていく計画だ。

シェアモビリティはマルチポート化へ

シェアモビリティ市場が活発化するに従って、各サービスが設置するポートの数も増加。今後、より拡大するに当たってポートの確保が課題になることから、各サービスのポート連携が始まっている。

全国に約1万3700か所のポートがあり、約5万8000台の自転車を展開するシェアサイクルサービス『HELLO CYCLING』は、2025年6月に『ドコモ・バイクシェア』と横浜市のポートで連携を開始。

そして5月からは『Lime』とのポート連携が始まり、将来的には数千ポートでの展開を予定する。当初の連携対象ポートは池袋、浅草、下北沢、二子玉川、恵比寿など、東京都心部が中心。

利用者は『Lime』で借りた車両を『HELLO CYCLING』のポートに返却でき、その逆も可能になることで、利便性が高まる。これまで対象サービスがないことで移動を断念していたエリアへも、移動も可能になる。今後はアプリ連携も計画しており、『HELLO CYCLING』アプリから『LimeBike』を利用可能にすることも予定する。

『HELLO CYCLING』のポートに『LimeBike』が置かれている様子(左)と、『Lime』のポートに『HELLO CYCLING』の車両が置かれている様子(右)。

また、三井不動産リアルティのパーキング事業『三井のリパーク』では、複数のシェアモビリティサービスの拠点となり、1つのポートで乗り入れがシームレスにできるマルチモビリティポートを整備。4月から一部の『三井のリパーク』に『Limeラクモ』を配備。5月中旬以降は『LimeBike』も加わり、2026年度中に500カ所への拡大を目指す。

『三井のリパーク』は全国に約1万6000か所を展開。それらの駐車場を単なる車を停める場所から、地域に密着した拠点へと進化させる「まちえき化(まちの駅)」構想を掲げる。シェアサイクルや電動モビリティ、同社のカーシェアリングサービス『三井のカーシェアーズ』を含め、短距離と中長距離への移動拠点となるポートとして、『三井のリパーク』を転換。首都圏や関西、名古屋のほか、観光地で展開を進めていく計画だ。

『三井のリパーク』が掲げる「まちえき化」構想のイメージ。

人々の移動手段として欠かせない存在になりつつあるシェアモビリティ。ますますマルチポート化が進み、より大規模なマルチモビリティポートへの進化も計画されているだけに、今後の展開が楽しみだ。

文/綿谷禎子

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