ニュースで頻繁に耳にする「CPI上昇」「コアCPI」「インフレ率」といった言葉。しかし、「何となく重要そうだけど、正直よくわからない……」という人も多いのではないだろうか。
実は、このCPIという数字は、私たちの生活にかなり直結している。食品や日用品の値上がりはもちろん、給料の“実質的な価値”、住宅ローン金利、株価、円安まで、大きな影響を与える重要指標なのだ。
では、CPIはどこを見ればいいのか? 「コアCPI」「PCE」など似た言葉が多い中で、何をどう読み解けばよいのかを、できるだけわかりやすく整理していく。
インフレの指標、CPIとは?
消費者物価指数は、Consumer Price Indexを略して「CPI」といい、日本全国の人が購入する財やサービスの価格変動を測定するものだ。物価が上昇しているのかが分かり、インフレの指標となっている。
上記は、4月24日に公表された2026年3月分のCPIである。CPIは、物価がどのぐらい変動しているかを表すため、ある基準の年を100として、今の物価を表す。
3月のCPIは、基準が2020年であり、総合指数は112.7であるから、2020年から12.7%も物価が上昇しているということになる。
そして、前年同月比も同時に公表されるが、前年の同じ月と比べてどのぐらい上昇しているかを示し、3月は前年同月比1.5%上昇している。
CPIには、「総合指数」、「生鮮食品を除く総合指数」、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」の3つがある。
個人が、生活でどのぐらい物価が上がっているかの参考とするときには、総合指数を見ればよいだろう。
一方で、生鮮食品は、台風などの突発的な事由により価格が大きく変動するため、日銀が金融政策の判断の参考とする場合は、生鮮食品を除く総合指数を参考とし、コアCPIともいわれる。
最近のように中東情勢悪化によるエネルギー価格の高騰があった場合には、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数も併せてみることで、エネルギー以外でも物価が上がっているかどうかを見ることができる。
CPIは、毎月、前月分のCPIが20~24日ごろに公表されている。ニュースや新聞はもちろん、総務省統計局のホームページで見ることもできる。
CPIからなにを読み取る?
CPI総合指数の上昇率が高く、かつ賃金上昇が追い付いていない場合、賃金が増えていたとしても、実質賃金が下がっている可能性がある。その場合、賃金が増えていたとしても、油断せず、消費は抑えた方がよい。
また、現金は、その価値が物価上昇分目減りしていくことになるため、利回りの高い債券や株式への投資も検討するとよいだろう。
日銀は、物価目標を2%としているため、CPI生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)が2%を超える上昇をしていれば、利上げの可能性が高まる。政策金利が上がれば、住宅ローンの変動金利の適用金利も上がる。
2025年のCPI生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は、前年同月比で3%前後上昇しており、日銀は12月に政策金利を0.25%引き上げた。2026年にはいってコアCPIは2%を割り込んでいたが、2月末に中東情勢が悪化し、エネルギー価格が高騰しているため、その影響が4月以降のCPIに出て、2%を超える上昇になる可能性がある。
アメリカのCPIが注目される理由
アメリカのCPIは、毎月前月分を10~14日ごろに公表される。アメリカのCPIは、日本のCPIと比べて、市場の注目度が非常に高く、その公表により、為替や株価が大きく変動することがある。日本の経済や株式市場も、アメリカの影響を大きく受けるため、注目したい指標である。
アメリカのCPIの上昇率が高い、さらに市場が予想する上昇率よりも高ければ、インフレが懸念され、インフレを抑制するためFRBは利上げするのではないかと、市場が考えることになる。
12日に公表された4月のアメリカのCPIは、前年同月比で3.8%と大きく上昇した。2024年以降、FRBは利下げをすすめてきたが、2026年に入ってからは利下げをストップしていた。4月のCPIの大幅な上昇により、利上げを再開することが懸念されている。利上げがあれば、高い金利であるドルの魅力が高まり、ドル高がすすむ。そのため、CPIが上昇すれば、ドル高円安がすすむのだ。
このように、大きく注目を集めるアメリカのCPIだが、FRBはCPIを基準としているわけではない。
FRBも物価目標を2%としているが、CPIではなく、コアPCE(個人消費支出)デフレータを指標としている。
PCEは、個人が直接購入する財・サービスだけでなく、企業や国が個人のために支払う医療費も含まれている。PCEから食料とエネルギーを除いたものをコアPCEといい、その上昇率をコアPCEデフレータといい、FRBは政策判断を行うときの指標としている。
CPIは、家計においても大事な数字である。CPIの上昇率が賃金上昇を上回っていれば、賃金が上昇したからといって無駄に消費するのは控えた方がよい。そして、CPIの上昇により、住宅ローンの変動金利の適用金利が上がる可能性も出てくる。また、今なら高い金利で運用できる債券投資なども検討するとよいだろう。
文/大堀貴子
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