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もしも電気とガスの補助金が終了したらどうなる?おさえておきたい家計への影響

2026.05.21

2026年3月分(4月請求分)をもって政府による電気・ガス料金の支援は終了した。補助金がなくなったあとの家計への影響と、夏以降の支援再開の可能性についてまとめた。

2026年1月から始まった電気・ガス料金補助金は同年3月で一旦終了した。しかし、夏のエアコン需要が高まる時期に向けて光熱費の値上がり心配な人も多いはず。

本記事では、電気・ガス料金の補助金終了が家計に及ぼす影響や、光熱費支援がいつから始まりどのような経緯をたどってきたか、夏以降の再開の可能性について解説する。

電気・ガス料金の補助はいつから始まり、どう変わってきた?

電気・ガス料金への政府補助は、2023年1月にスタートして以来、終了と再開を繰り返しながら今日まで続いてきた。まずは、その歴史を振り返り、今回の終了が「何回目の節目」なのかを確認してみよう。

■最初の支援は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月〜2024年5月)

ロシアのウクライナ侵攻による世界的な燃料価格の高騰と円安とが重なった2022年後半、電気・ガス料金は急激に上昇した。これを受けて日本政府は、2023年1月使用分から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施。電気・ガスの使用量に応じて料金を値引きする仕組みで、各家庭の月の請求額から自動で差し引かれた。この支援策は2024年5月使用分をもって終了している。

■再開と追加支援を繰り返しながら続いた補助制度

最初の支援策以降も、政府は状況に応じて電気・ガス料金の補助をおこなってきた。2024年8〜10月には、記録的な猛暑と熱中症対策の名目で「酷暑乗り切り緊急支援」として再開。翌2025年1〜3月には、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として追加支援が実施された。

2025年7〜9月には、石破首相(当時)の表明により「電気・ガス料金支援」を実施。そして、いったん最終となる2026年1〜3月分の支援は、「『強い経済』を実現する総合経済対策」に基づいておこなわれた。

実施時期(使用分)制度・事業名電気(低圧)都市ガス
2023年1月〜2024年5月電気・ガス価格激変緩和対策事業最大7.0円/kWh最大30.0円/㎥
2024年8〜10月酷暑乗り切り緊急支援4.0円/kWh17.0円/㎥
2025年1〜2月電気・ガス料金負担軽減支援事業2.5円/kWh10.0円/㎥
2025年3月電気・ガス料金負担軽減支援事業1.3円/kWh5.0円/㎥
2025年7月・9月電気・ガス料金支援2.0円/kWh8.0円/㎥
2025年8月電気・ガス料金支援2.4円/kWh10.0円/㎥
2026年1〜2月電気・ガス料金支援4.5円/kWh18.0円/㎥
2026年3月(当面の最終)電気・ガス料金支援1.5円/kWh6.0円/㎥

※参考

2025年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました (METI/経済産業省)

2026年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました (METI/経済産業省)

電気・ガス料金の支援終了で光熱費はどう変わる?

2026年4月使用分(5月請求)から光熱費は補助金なしの水準に戻る。さらには支援終了に加えて複数の値上がり要因が重なり、電気・ガス料金の上昇に追い打ちをかけるかたちだ。

■電気・ガス料金支援の終了と「再エネ賦課金」の引き上げが同時に発生

補助金の終了と同じタイミングで、2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が引き上げられ、2026年5月検針分から適用される。経済産業省によると、2026年度の単価は1kWhあたり4.18円(前年度3.98円)で、月300kWhを使う標準的な家庭では、年間約1万5,000円を超える計算だ。

補助金の終了と賦課金の引き上げが同時におこなわれるため、4〜5月以降の電気料金は大きく値上がりすることが予測されている。

■夏のエアコン需要が光熱費の負担を高める原因に

エアコンは家庭の電力消費に占める割合が大きい。特に気温が上がる夏場は使用頻度が高く、補助金がなくなった状態では電気代を押し上げる原因となるだろう。

さらに、原油・LNG(液化天然ガス)価格の上昇は、数か月程度のタイムラグを経て電気・ガス料金に反映される。2026年春以降の中東情勢や国際エネルギー市場の動向によっては、夏以降の電気・ガス料金に燃料費上昇の影響が現れるだろう。

補助なし・再エネ賦課金増・燃料費上昇という複数の要因が重なった場合、光熱費の上昇幅は想像を超えて大きくなり得る。

今からできる光熱費の節約対策は?

電気・ガス料金の値上がりは外部要因のため避けようがないが、家庭内での工夫で光熱費の負担を減らすことは可能だ。

■エアコン・家電の使い方を見直す

エアコンは冷房設定を28℃前後に設定し、扇風機やサーキュレーターと組み合わせることで体感温度を下げながら消費電力を抑えられる。また、エアコンは起動時に最も電力を消費するため、短時間の外出であれば電源を切るよりも運転したままのほうが、エネルギー効率が良い。

冷蔵庫は設定温度を「強」から「中」程度に変えるだけで年間数百円程度の節約効果があるとされる。LED照明や省エネ家電への切り替えは初期投資がかかるものの、長期的には確実にランニングコストを下げられる。洗濯はまとめ洗いで洗濯機の稼働回数を減らす、風呂は家族で続けて入り、追い焚き回数を減らすなど、日常の小さな工夫の積み重ねも家計の助けになるだろう。

■電力・ガス会社のプランを見直す

2016年の電力自由化以降、電力会社や料金プランは消費者が自由に選択できる。夜間や深夜の電気使用が多い家庭は、時間帯別料金プランを提供する電力会社がおすすめだ。電気とガスをまとめることで、セット割が適用される電力会社もある。ライフスタイルに合ったプランへの切り替えで、年間数千円〜1万円以上の差が生まれることもあるためチェックしてみよう。

夏以降に電気・ガス料金支援が再開される可能性はある?

電気・ガス料金の支援は、「終了→夏に再開」「終了→冬に再開」というパターンが繰り返されてきた。2026年夏も同様に補助が戻る可能性はゼロではない。政府の姿勢と再開の可能性を見てみよう。

■過去の「再開パターン」から読み解いてみる

2023年1月から始まった電気・ガス料金の補助は、一度終了したあと何度も再開されている。結果として夏・冬のエネルギー消費ピーク時に支援がおこなわれてきた。

ただし、政府が「夏冬に集中支援する」と公式に方針化しているわけではなく、あくまでそのつどの政策判断として決定されてきたものである点には注意が必要だ。2025年夏の支援も、石破元首相の発言を機に急きょ実施が決まった経緯があり、経済情勢・物価動向・気候の見通しが判断の鍵を握ると言える。

■2026年夏の再開はある?電気・ガス料金支援の復活を左右するポイント

2026年夏も補助金が復活する可能性はあるのだろうか。

政府は、2026年3月時点で、状況次第では追加支援を検討する可能性を否定していない。中東情勢の長期化による原油価格の高止まりや国内の物価動向によっては、夏の補助金が復活する可能性は十分あり得るだろう。

その一方で、2026年5月現在において正式な再開の発表はなく、現時点では電気・ガス料金の支援復活は未定だ。最新の情報は、ニュースや経済産業省・資源エネルギー庁の公式サイトで確認したい。補助が再開されるかどうかにかかわらず、契約の見直しや日々の省エネ対策を先に進めておくことが、家計を守るうえでもっとも確実な備えとなるだろう。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

Author
ライター歴18年。2018年に独立し、フリーランスに。複数のWebメディアで記事を執筆中。育児・教育をはじめ、住宅ローン、保険、金融、エンタメなど幅広い分野の取材・執筆を手がける。【資格】消費生活アドバイザー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。子ども3人を育児中のママでもある。

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