米が一番おいしいのはもちろん収穫時から12月までの“新米期”だが、実は1月から3月までのお米も熟成によって旨み成分であるフィチン酸の濃度が増し、適度に水分が抜けてさっぱりした食感になるという。一方、米が最も嫌うのが高温と湿気なので、梅雨の時期から夏にかけては一気に味が落ちてしまう。これは温度が高いと米の内部の脂肪酸が酸化しやすくなり、コクゾウムシなどが繁殖しやすくなること。そして多湿だと内部の水分によりカビが発生しやすいことだ。
日本人の役8割が、お米を常温で保存している
これを防ぐために、米は冷蔵保管が推奨されているが、意外に実践していない人が多い。パナソニックが2025年7月7日に炊飯器を持っている20歳以上の男女600名行った「お米に関する調査」(インターネット調査)によると、「お米は主にどの温度で保存していますか?」の質問に対し、78%の人が「常温保存」と回答しているとのこと。またお米を常温で保存している人の半数が「密閉できる専用の米びつ・ライスストッカー」、38%が「購入時の米袋」のまま保管していることがわかった。
8割の中には、「冷蔵保存したほうがいいのはわかっていても、冷蔵庫がパンパンで入れられない」という人も多いかもしれない。かく言うわが家も、毎年夏はかさばるお米と冷蔵保存しなければならない食品の優先順位に頭を悩ましている。
常温で3年間、お米を保存できる保存袋を発見!
だが、たまたま訪れた「FOODEX JAPAN 2026」という展示会で「プロガード・ライスキープ」という商品を発見。聞けば、新米の時にこの袋にお米を入れておけば、3年間常温で保存しても、新米と同じ状態が保てるとのこと。
本当にそんなことが可能なのだろうか。検証してみたいが、次の新米シーズンから始めても、結果がわかるのは3年後になる。そこで販売元のジェイケミカル株式会社の代表取締役 高梨英通氏に、なぜそんなことが可能なのか、話を聞いた。
米食味鑑定士協会が監修、五つ星お米マイスターが推薦する「プロガード・ライスキープ」
高梨氏によると、秘密はプロガード・ライスキープに使用されている「プロガード」という特殊素材なのだという。プロガードは約20年前のジェイケミカルが独自開発した三層フィルムで、一番外側が保護フィルム、中間がガスを通さないガスバリアフィルム、内側が抗菌・抗酸化剤を配合したフィルムになっている。独自の高機能バリアフィルムが酸素と水分の移動を抑制し、精米後の酸化や乾燥を防止するため、長期間にわたり入れた時の状態をキープできるのだという。
「多くの方が『袋に入れればある程度は匂いを防げる』と思われるのですが、実際には通常のポリ袋などの素材にはミクロなレベルで小さな穴が開いている状態に近く、水分や酸素、香りなどが外に漏れてしまいます。一方で当社のプロガードは高いバリア性能によってそれらをほぼ通さない構造になっています。酸素の流入も抑えられるため、内部環境が変化しにくく、結果として虫の発生や繁殖も起こりにくいという検証結果が出ています」(高梨氏)
ジェイケミカルでは7年以上にわたる実証実験を繰り返し、3年間、常温保存をしても風味が変わらないことを確認。米食味鑑定士協会が監修し、五つ星お米マイスターが推薦している商品なのだ。
千葉県警の科捜研との共同研究で検証
じつはプロガードの基礎的なデータの多くは千葉県警の科捜研との共同検証によって裏付けられたものだという。なぜなら「プロガード」はもともと、亡くなったペットの遺体の変化を防止することを目的として開発された素材。死因が特定できない遺体の数は年間20万体以上ともいわれ、その一部の保管に頭を悩ましていた科捜研が、プロガードの高い機能に着目し、人間用の遺体袋を共同開発することになったのだという。
ちなみに科捜研との共同開発によって生まれた非透過性遺体納体袋「セレモバッグ」は警察の捜査の現場でも使われ、「第23回警察装備資機材開発改善コンクール 警察長長官賞」などを受賞。またコロナ禍では厚生労働省・経済産業省による「新型コロナウイルス感染症による死亡者の処置、搬送、葬儀、火葬に関するガイドライン」で推奨商品に指定されている。そのほか、博物館や大学の研究機関で標本の保存用としても採用されているという。
何度も繰り返し使え、さまざまな用途に可能性
気になるのは1枚990円という価格だが、「プロガード・ライスキープ」は使い捨ではなく、使用後に洗浄すれば繰り返し使うことができる。つまりお米以外にもさまざまな用途に使用可能なのだ。
「菌の増殖試験では、水道水をこの袋に入れて常温で1カ月保管しても菌が増殖しなかったというデータもあります。これは抗菌作用が機能していることを示すもので、災害時の水の一時保存といった用途にも応用可能性があると考えています」(高梨氏)
そもそもプロガードを使用した同社の商品で最もよく売れているのは、2009年に発売された着物用保管袋「きものキーパー」。17年間で約300万枚出荷しているロングセラー商品だ。つまり食品だけでなく、貴重なコレクションアイテムなどの状態を保ちつつ長く保管したい場合にも「プロガード・ライスキープ」が最適だということだ。「お米の保存を入口として、さまざまな利用法を多くの方に発見していただけると嬉しいですね」(高梨氏)。
取材・文/桑原恵美子
取材協力/ジェイケミカル株式会社
参考資料/『お米に関する調査』(パナソニック株式会社)







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