中国発のスクイーズ『Mellojoy(メロジョイ)』をご存じだろうか。これまでにはなかった新感覚の触り心地を武器に、若い世代を中心にSNSで爆発的なブームを巻き起こしている。
一方で、保護者世代からは「どこで買えるの?」「なんでこんなに人気なの?」「そもそもメロジョイってなに?」といった疑問の声も増えている。
そこで今回は、4ヶ月間のチャレンジの末に本物のメロジョイを手に入れた筆者が、その正体と人気の秘密に迫ってみたい。
新感覚スクイーズ『メロジョイ』とは?
『メロジョイ』を一言で表すなら、シリコン製の高品質スクイーズ。価格は1点あたり2000~4000円ほどのものが多い。
非常にやわらかくペタペタとした質感のため、基本的にはビニール製の専用バッグ越しに触って楽しむのが一般的。TikTokなどのSNS上では、開封動画や「むにゅっ」と潰す動画がバズり、若者の間ではすでにひとつのカルチャーとして定着している。
(ちなみにバッグから取り出して遊ぶには『マジックパウダー』という専用の粉が必要だが、スクイーズの寿命を縮めるため、最後の手段として使うユーザーが多い)
デザインはパン・スイーツといった食べ物や、イヌやクマといったキャラクターなど可愛らしいものが中心。中身がランダムなブラインドボックスの商品もあり、人気デザインやシークレットはフリマサイトで定価の5倍近くで取引されることもあるのだ。
メロジョイはどこで買える?
2026年5月現在、メロジョイは一般的な小売店やECモールでは購入できない。(稀に販売しているショップもあるが、多くはプレミアム価格での提供)
公式販売経路は、TikTokショップ・TikTokライブ・自社サイトの3カ所のみ。そのどれもが一瞬で売り切れるほどの狭き門だ。(今回の記事には、海外向けの販売経路は含みません)
それではひとつずつ見ていこう。
・TikTokショップ(毎日12時補充)
TikTokの公式アカウントMellojoyJapanにて、毎日12時に在庫が補充される。補充される商品の種類や数は日によって違い、1秒もたたずに売り切れることがほとんど。
メロジョイ購入すべてに共通していることだが、買えるかどうかは操作スキル・電波状況・運にかかっている。在庫が追加された直後に素早く購入ボタンをタップできたとしても、「少々お待ちいただくかもしれません…」というアラートが出た時点でほぼアウトだ。
・TikTokライブ(毎日20時開始)
TikTokの公式アカウント MellojoyLive にて毎日20時より配信を開始。同時視聴者数は数万人で、競争率は非常に高い。配信の流れは以下の通り。
・20:00~:追加在庫や新商品の紹介
・20:05~:在庫追加
・売り切れ後:ブラインド商品の開封配信
開封配信では、購入者のブラインド商品を配信者がその場で開封し、視聴者全員で中身を楽しむ。配信者に名前を呼んでもらえる、推し活的な楽しさも併せ持っている。
・公式サイト(毎日12時補充)
メロジョイの公式サイトにて、毎日12時に在庫が補充される。
平日は比較的買いやすいという声もあるが、それでも1秒もしないうちに売り切れる。加えてエラーが起きることもあり、簡単には買わせてもらえない。
メロジョイはなぜここまで人気になったのか?
筆者自身すべての方法で購入を試みたが、今日まで4ヶ月間で買えたのはわずか3回。もちろんスマホの操作が下手ということもあるのだが、それにしても難易度が高い。
SNSには「今日もダメだった」「買える気がしない」「毎日チャレンジしているのに」といった声があふれ、争奪戦の激しさがうかがえる。
それでは、一体なぜメロジョイの人気がここまで加速したのか。理由を5つに整理してみた。
・人気の理由1:集めたくなる可愛いデザイン
メロジョイ人気のひとつめの理由は、やはりビジュアルの可愛さにある。それも単に可愛いスクイーズというだけでなく、本体・パッケージ・付属タグ・キャラクターなどすべてが統一された世界観で作られている。
たとえば筆者が購入した『焼きマシュマロ』。
鮮やかなピンクのパッケージがまず目を引き、開封するとこんがり焼けたマシュマロのリアルな焦げ目、カラースプレーのような装飾が特徴的。まるで本物のお菓子のようだ。
メロジョイにはこのような完成度の高い商品が多数あり、季節限定モノもある。随所に「集める楽しさ」を刺激する仕掛けが施されているのだ。
・人気の理由:2 新感覚の触り心地
メロジョイ最大の特徴ともいえるのが、従来のスクイーズとはまったく異なる触り心地だ。
シリコン製の本体は、握ると「むにゅ~っ」とゆっくり潰れ、手を離すと時間をかけて元の形に戻る。まるでパン生地やつきたてのお餅のような揉み心地で、従来のスポンジ製スクイーズにはない癒しがある。
さらに、ビニールバッグ越しに触るという新しいスタイルが、汚れや劣化を防ぎながらどこでも楽しめる「持ち歩ける癒し」を実現しているのだ。
・人気の理由:3 ライブショッピングとの相性の良さ
メロジョイのブームを語る上で欠かせないのが、TikTokライブとの相性の良さだ。特に「しげつちゃん」「そにえるちゃん」をはじめとした、明るく元気な公式配信者たちの存在は大きい。
ライブ配信には、
・実際に触っている様子が伝わるリアル感
・その場で在庫が追加されるイベント性
・視聴者とのコミュニケーション
・ブラインド商品の開封で盛り上がるエンタメ性
といった購買意欲を刺激する要素が詰まっており、ユーザーの熱量を最大化している。
・人気の理由:4 ユーザーによる動画投稿と拡散力
実を言うと、シリコン製スクイーズを製造するメーカーは他にもたくさんある。その中でメロジョイが独り勝ち状態になった背景には、ユーザーによる動画投稿と爆発的な拡散力がある。
メロジョイの華やかで可愛いビジュアルは、開封動画・ASMR動画・触り心地レビュー・コレクション紹介など、動画映えする要素が多い。従来の写真と文章が中心のSNSでは伝わりにくかったむにゅむにゅ感も、動画なら一目で魅力が伝わる。
動画中心のSNSが当たり前になった現在、メロジョイはその特性と完璧にマッチした商品だったと言えるだろう。
・人気の理由:5 手に入らない希少性
最後にメロジョイの人気を決定づけたのが、「手に入らない」という希少性だ。
SNSで話題になり始めた2025年冬ごろは2~3分で売り切れ、そして現在は1分以内に売り切れ。「今逃したらもう手に入らないかもしれない」「次こそは絶対に買いたい」あるいは「こんなに貴重なものを所有している」というユーザーの心理が、購買意欲を大幅に上昇させていることは間違いない。
さらには、フリマサイトで高額取引される状況が「価値のあるもの」という認識をユーザーに植え付け、人気をさらに押し上げている可能性もあるだろう。
人気の裏にある「スクイーズ破産」
ここまでメロジョイの面白さや人気の理由について触れてきたが、人気の裏では「スクイーズ破産」「スクイーズ依存」という言葉をSNS上で見かけるようになった。
毎日購入にチャレンジするうち、「争奪戦に勝った興奮が忘れられない」「到着までの約2週間を待ちきれず何度も注文してしまう」「気づけば欲しくない商品まで買っている」といった状況に陥るユーザーが少なくないのだ。
ブラインド商品に関しては「次こそは欲しいデザインを当てたい」と追加購入を繰り返してしまうケースもあり、中には数十万円分を購入している人も。メロジョイの買えなさと当たらなさが、良くも悪くも強い中毒性を生んでいると言えるだろう。
まだ続きそうな『メロジョイ』ブーム
とはいえ普通に触って遊んでいる分には、メロジョイはただのスクイーズ。むにゅっと潰すだけで気持ちがほぐれ、日常にちょっとした癒しを与えてくれる存在だ。
最近ではテレビやネットニュースでも取り上げられ、人気はさらに勢いを増している。まだしばらくは「買いたいのに買えない」状況が続きそうだが、それもまたこのブームを支える一因となっていくのだろう。
メロジョイがここまで大きなブームへと成長した背景には、SNS文化やライブ配信の盛り上がりなど、今の時代ならではの要素が重なっていた。この先、さらにどんな広がり方をしていくのか──その行く末にも注目したいところだ。
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.







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