イラン情勢が、我々の生活を圧迫している。
日本で石油が産出できるところは、ないわけではないが極めて限られている上、いずれもごく小規模。石油を自国で賄うことはできない。そこで、国外から石油を輸送するためのルートが非常に大きな意味を持つようになる。このルート上で紛争や戦争が勃発すれば、我々の生活にも多大な変化が生じる。
現在、様々な商品が大幅に値上げされているが、プラモデルもその一つである。プラモデルは言い換えれば「石油製品」であり、ホルムズ海峡での紛争と大きな関連性があるからだ。
そんな中、3月に「プラモデル議連」が立ち上げられた。

静岡県中部選出の衆院議員が中心に
3月24日、国会内で『MOKEI(模型)文化推進議員連盟』の設立総会が行われた。この議員連盟は、以下「プラモデル議連」としたい。
この設立総会の開催呼びかけ人は11人。中心にいるのは自民党の上川陽子氏と深沢陽一氏である。上川氏は静岡1区選出の衆院議員、深沢氏は同4区選出の衆院議員。議連の会長は上川氏が務める。
以下は上川氏のXでの投稿(3月26日)である。
MOKEI(模型)文化推進議員連盟2026設立総会
◎本議連は、「MOKEI(模型)」を日本の重要な文化資産として位置づけ、その振興を政策面から後押しするため設立。会長に就任。
◎「吉本プラモデル部」の部長もされていたパンクブーブーの佐藤哲夫さんを特別ゲストにお迎えし、「模型」ユーザーの裾野をヘビーユーザーからライトユーザー、さらに見て楽しむ層に大きく広げる手段として「エンターテイメント化」のアイデアの数々をご提案頂きました!
◎「模型」は、日本のものづくりの精神を体現する文化であり、世代を超えて受け継がれてきた大切な財産です。
◎組立て、改修、塗装といった工程を通じて、子どもたちの創造性と将来の可能性を育む豊かな教材でもあります!
◎日本文化の魅力を世界に発信するマンガ、アニメに続く重要なコンテンツの新たな柱として、教育・文化・産業・観光、さらには国際交流へとつながる成長産業としてしっかりと応援して参ります!
◎うれしいニュース!先般静岡市のプラモデル産業を核とした取り組みが「コンテンツ地方創生拠点」として採択。地域活性化の観点からも挑戦して参ります。
プラモデルは、静岡県中部地域の主要産業である。タミヤ、アオシマ、ハセガワ等のメーカーの名は、日本に住む者であれば殆どの人は一度は聞いているはずだ。特にタミヤはそれに留まらず、世界中にファンがいる。
静岡県中部にとってのプラモデル産業とは、「世界で勝つことができる分野」なのだ。
しかし、その土台は決して盤石ではない。3月、静岡市内のとある有名老舗小売店が閉店した。この店舗は個人経営で、実に70年以上も営業を続けていた。地元のみならず、県外にも多くの客がいた有名店でもあった。
プラモデル産業の出口を支えるこうした店が、少しずつ、そして確実に減っている。
消える個人経営の店舗
プラモデルはどこで買えるのか?
実際問題、この問いにすぐ答えられる静岡市民は決して多くないのではないか。
タミヤのミリタリーモデルが一世を風靡した70年代、そしてガンプラやミニ四駆が社会現象になった80年代、プラモデルは地域のどこかに必ずある駄菓子屋で買うことができた。「なぜ駄菓子屋?」と言われるかもしれないが、静岡市の場合は玩具店としての性格を備える駄菓子屋が数多く存在したのだ。ただし、それも今や昔話。かつての繁栄を崩れかけの看板にだけ残している空き家が、今では多く見られる状況だ。
「今はインターネットというものがあるのだから、実店舗など必要ない」などという単純な解決策を当てはめることはできない。ネット通販には「転売」という問題がある。実店舗で買い占められた商品を高額で転売する者がいて、それが供給調整を大きく狂わせている。
その上で、ホルムズ海峡での紛争という災難が業界に重しを与えている。
プラモデル用シンナーの供給不安
石油由来のナフサの不足は、実際には「供給不安」である。しかし、ナフサの供給問題がプラモデル製品にも影響を及ぼしていることは事実だ。
ここで言う「プラモデル製品」とは、プラモデルそのものに留まらない。プラモデルに塗る塗料や、プラモデル用シンナーもそのうちに含まれる。このシンナーに、どうやらネット転売の兆候が表れているという。そのため、塗料メーカーが必要分だけの購入をユーザーに呼びかける事態になった。
以下は模型用塗料メーカーのガイアノーツのXの投稿である。
【情報ください】オンラインショップで販売したプリズムカラーを転売されている方を見つけたらご報告ください。特定できるようでしたら出荷を止めます。転売は許しません!
プラモデルファンに注目されながら華々しく設立されたプラモデル議連だが、その目の前にはいくつもの課題や問題が横たわっている。
繰り返すが、プラモデル産業は大きな対ユーザー訴求力を持った産業であるが、その土台は決して盤石ではない。プラモデル議連には、そのような柔らかい足元を支える何らかの役割が期待される。
文/澤田真一
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