小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

量産されるAI詐欺メールの対抗策は?カギを握る「AI判別ツール」の存在

2026.05.17

生成AIは、我々の生活に良いものも悪いものももたらしている。「悪いもの」という断定的な表現は本来するべきではないかもしれないが、迷惑メールを「良いもの」としている人はさすがにいないだろう。

残念ながら、生成AIツールの登場により迷惑メールが大量生産されるようになっている現状がある。

この記事で引用するアンケート調査によると、多くの会社員が「生成AIのせいで迷惑メールが増えた」と実感している模様。それについて、詳しく見ていきたい。

迷惑メールの物量攻勢

ライターという商売に、筆者はもう10年以上も携わっている。

その経験の中で感じたことは、多くの人は400字(原稿用紙1枚分)の文章ですらも書く機会がなく、またそのためのスキルを持ち合わせていないという現実である。つまり、「書くこと」自体が一つのスキルなのだ。それが生成AIプラットフォームの登場により、それらしい文章であれば誰しもが数秒で作り出せるようになってしまった。

これは新しい価値観をもたらすインパクトになり得ると同時に、悪用される可能性も含んでいる。

クラウド型メールフィルタリングサービス『MR-SF:MR-SPAM FILTER』を提供する株式会社テクノルは、「生成AIを悪用した迷惑メール被害とその対策」に関する実態調査というものを去年8月に行っている。

【調査期間】2025年8月14日(木)~2025年8月15日(金)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,020人
【調査対象】調査回答時に23~59歳の5年以上オフィスワークをしている会社員であると回答したモニター
【調査元】株式会社テクノル
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

まずは「迷惑メールの件数はこの数年でどう変化したと感じてますか」という質問。これについては「明らかに増えた(31.9%)」「やや増えた(29.4%)」と、実に6割以上の人が「増えた」と感じている。その一方で「明らかに減った(3.5%)」「やや減った(7.3%)」は、それらを合計しても1割強に留まった。

次に、前問で「明らかに増えた」「やや増えた」と答えた人に対する質問。「あなたが受け取っていた、または受け取っている迷惑メール(スパムや詐欺メール)の件数に近いものを教えてください」という内容だ。これは調査実施日の5年前にも同様のアンケートを集計している。

■5年前
『週に200件以上』0.0%
『週に150件程度』6.4%
『週に100件程度』12.5%
『週に50件程度』20.3%
『週に10件程度』29.6%
『週に1件程度』15.0%
『ほとんど受け取っていない』16.2%

■現在
『週に200件以上』16.3%
『週に150件程度』13.6%
『週に100件程度』19.4%
『週に50件程度』27.0%
『週に10件程度』16.0%
『週に1件程度』7.7%
『ほとんど受け取っていない』0.0%

5年の時を経て、迷惑メールの量が段違いに増えていることがよく分かる調査結果である。

大手IT企業のデフォルトフィルターじゃダメなの?

この物量攻勢に、我々はどう立ち向かうべきか。

上の調査を実施した株式会社テクノルの『MR-SF:MR-SPAM FILTER』は、「スパム撃退率99.8%」をアピールするフィルタリングサービスである。が、ここでは「なぜサードパーティー製のフィルターサービスが存在するのか?」「MicrosoftやApple等のメジャー企業のデフォルトのメールフィルターではダメなのか?」について考えていきたい。このあたりは『MR-SF:MR-SPAM FILTER』のサービス紹介ページにもあるように、「PCにインストールされているウイルス対策ソフトでは防げないものがほとんど……」という事情があるのだ。

また、筆者自身も経験があるが、「大事なメールが迷惑メールボックスに行ってしまう」という現象もある。これが非常に厄介で、たとえば「ライター澤田真一に対して、今回初めて取材案内の連絡を差し出した人or企業のメール」はかなりの確率で迷惑メールボックスに行ってしまう。恐らく、デフォルトのメールフィルターは単純に「初めてメールを送信した人」という基準で仕分けてしまうのだろう。

ITジャイアンツの提供するメールフィルターには、どうしてもそのような欠点がある。故に、サードパーティー製のサービスが台頭する余地が生まれるのだ。

国は問題を認識している

『MR-SF:MR-SPAM FILTER』ではAIで大量生成されているであろう迷惑メールに対抗するため、独自の自己学習型AIシステムを組み込んでいる。まるで飛来する弾道ミサイルに迎撃ミサイルで対抗するような具合だが、「AIにはAIを」の発想から開発されたセキュリティー製品はここのところ多く登場するようになっている。

ただし、ここまで書いたことはあくまでも一企業による努力とその発露である。押し寄せる生成AI製迷惑メールに対して、国はどのような対策を講じているのかについても言及しなければならないだろう。

2025年9月、総務省は、「フィッシングメール対策の強化に関する要請」という文書を公表した。以下、その引用である。


フィッシングメール対策について、政府は、「国民を詐欺から守るための総合対策2.0(令和7年4月22日犯罪対策閣僚会議決定)」において、「詐欺メール、詐欺SMSによる被害防止等のための取組」として、「送信ドメイン認証技術(DMARC等)への更なる対応促進」を掲げているところです。

最近では、実在する証券会社を装ったフィッシングメール等から窃取した顧客情報(ログインIDやパスワード等)によるインターネット取引サービスでの不正アクセス・不正取引(第三者による取引)の被害が急増しています。

電気通信事業者においては、従前よりフィッシングの被害防止に向けて、送信ドメイン認証技術の導入含め、様々な対策を推進しているところですが、生成AIを用い、自然な日本語を大量に生成できるようになり、これまで以上に精巧なフィッシングメールの送付が容易となっている中、こうしたフィッシングメールへの更なる対策が求められるところ、総務省は、本日、事業者団体を通じて、電気通信事業者に対して、より効果的な対策に取り組むことを要請しました。
(フィッシングメール対策の強化に関する要請 総務省 太字は筆者)


生成AIは進化するものだ。筆者がこの記事を書いている最中にも、より巧妙で手の込んだ詐欺メールが大量生成されている。

それに対して、国が「通信事業者に対する要請」という対応を既に行っている。「要請」とするあたりはいかにも日本らしく、モバイルバッテリーの出火騒動と同じように国がトップダウン型の指示を繰り出せない事情が見て取れる。

が、いずれにしても国がこの問題をしっかり認識していることには変わりない。あとは企業がどのような努力を講じ、どのようなサービスを開発するのか。我々はこの流れを見守り続ける必要がある。

参考
【7割が実感、AI活用で迷惑メールが巧妙化】5年前の2.5倍に増加、2人に1人が週100件超受信という実態で業務への影響を感じる声も 株式会社テクノル PR TIMES
MR-SF:MR-SPAM FILTER 株式会社テクノル
フィッシングメール対策の強化に関する要請 総務省

文/澤田真一

Xの言語翻訳機能がデフォルトになって1か月!その効果と問題点を検証する

2026年3月末日頃から、Xが大きく変わった。海外言語で書かれたポストの翻訳がデフォルト機能になったのだ。 この翻訳機能は、Xにとっては特段新しい機能というわけ…

1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年5月15日(金) 発売

映画『正直不動産』と大コラボ!不動産の買い時を徹底検証、住宅価格高騰の今知るべき不動産の「ウソ・ホント」を専門家と解き明かす!最新メンズ美容アイテム特集では頭皮・UV・汗などこれからの時期へ徹底対策!さらにunoオールインワンシャンプーも付録についた充実号!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。