ゴールデンウイーク明けの5月7日、過去最高値(終値)の6万2833円84銭を記録した日経平均株価。おさらいしておくと、日経平均株価は日本経済新聞社が東京証券取引所プライム市場に上場する225社を対象に算出する株価指数で、対象銘柄の株価合計を「除数」(※)で割る「株価平均型」を採用している。取引時間中は5秒間隔で更新される。
※「除数」について https://indexes.nikkei.co.jp/atoz/2017/04/divisor.html
一方、東証株価指数=TOPIX(Tokyo Stock Price Index)は、プライム市場のほぼ全銘柄(約1661銘柄)を対象としており、基準日である1968年1月4日の時価総額(8兆6020億5695万1154円)を100ポイントとすれば、現在の時価総額が何ポイントに相当するかを示した指数になる(浮動株時価総額加重型)。取引時間中は15秒間隔で更新される。
そんな国内を代表する二つの株式指標について、5月7日の最高値更新を踏まえた考察リポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので概要をお伝えする。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
週明けも日経平均株価は上昇基調維持、ただ過熱感もみられ複数の指標が買われすぎを示唆
先週の日経平均株価は、5月7日に前営業日比3320円72銭(5.6%)高の6万2833円84銭で取引を終え、4月27日の終値ベースでの過去最高値(6万537円36銭)を大きく更新した。
併せてこの日の上げ幅も2024年8月6日の3217円04銭を超え、過去最大となった。翌8日は利益確定とみられる売りに押され、下げ幅は一時700円に迫る場面もみられたが、結局、前日比120円19銭(0.2%)安で終了した。
しかしながら、週明け5月11日の日経平均は反発して取引が始まっており、上昇基調は継続しているとみられる。
こうしたなか、相場には過熱感が出始めており、日経平均の相対力指数(RSI)は5月8日時点で買われすぎとされる70%水準に達している。また、同日の終値(6万2713円65銭)は、25日移動平均線の上方かい離率5%(6万408円04銭)を超えて10%(6万3284円61銭)に接近しており、買われすぎが意識される水準に到達している。
■TOPIXは買われすぎ水準になく、日本株全体での回復基調は緩やかで、さほど過熱感なし
日経平均の上昇基調が続いている要因の1つとして、米ハイテク株の堅調な値動きが挙げられる。実際、米国株式市場では、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数や、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が、過去最高値を更新中だ。
この流れを受け、日経平均構成銘柄のうち、半導体関連の値がさ株が大きく上昇しており、日経平均を大きく押し上げる様相を呈している(図表1)。

一方、東証株価指数(TOPIX)に目を向けると、RSIは5月8日時点で59.6%にとどまっており、また、同日の終値(3829.48ポイント)は、25日移動平均線の上方かい離率5%(3912.87ポイント)を下回っているなど、日経平均ほどの過熱感はみられない。
つまり、日経平均は一部値がさ株の上昇を受け、上げ幅が大きくなっているものの、日本株全体でみれば、回復基調は緩やかで、過熱感は高まっていないと判断できる。
■TOPIXは一部出遅れている大型株にいくらか影響されているものの、上昇余地はあるとみている
TOPIXは、値がさ株の動きに影響を受けやすい日経平均と異なり、時価総額の大きい銘柄、すなわち大型株の動きに影響を受けやすい傾向がある。東証33業種別株価指数のうち、代表的な大型株を含む輸送用機器指数(自動車)、銀行業指数(メガバンク)、卸売業指数(大手商社)の動きをみると、現時点で相対的にやや出遅れ感があり(図表2)、これがTOPIXの回復度合いにいくらか影響していると考えられる。

ただ、4月28日付レポートで解説したとおり、日本株を取り巻く総じて良好な環境は変わっていないことを踏まえると、中東情勢の不透明感がもう一段後退するにつれ、出遅れている大型株にも修正が入る可能性は高まると思われる。
当面は、人工知能(AI)・半導体関連企業の成長期待が、米ハイテク株や日経平均の追い風になりやすい状況が続くとみられるが、まだそれほど過熱感のないTOPIXにも、上昇余地はあるとみている。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希







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