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開業1年で来場者は25万人!読売ジャイアンツのファーム施設が稲城市にもたらしたもの

2026.05.11

中日ドラゴンズの2軍拠点の移転先に、14もの自治体が名乗りを上げている。プロ野球施設と地域の関わりに注目が集まるなか、読売ジャイアンツのファーム本拠地の移転先として選ばれた東京都稲城市では、開業から1年で来場者が25万人に達した。施設の開業前後に市が行ってきた取り組みを取材した。

プロ野球施設と地域活性化

2023年3月、北海道北広島市に北海道日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心とした複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」が開業した。人口6万人弱の市に約3万5,000人収容の球場が誕生し、初年度の来場者は300万人を超えた。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算によると、北広島市への経済効果は年間約500億円、北海道全体では1,000億円を超える。

この流れはファーム施設にも広がっている。読売ジャイアンツと阪神タイガースは2025年3月に新しいファーム球場を同時に開業。東京ヤクルトスワローズは移転工事中で、広島東洋カープも新施設を計画している。

中日ドラゴンズのファーム拠点公募

2025年11月、中日ドラゴンズはファーム本拠地のナゴヤ球場(名古屋市中川区)からの移転方針を発表した。2030年代前半の移転を目指し、2026年度前半にも東海地方の自治体を対象に移転先の公募を開始する。

公募の条件は、バンテリンドームナゴヤから車で1時間以内の立地、約6万㎡以上の土地面積など。2026年3月時点で、愛知県の犬山市、春日井市、小牧市、安城市など11市、岐阜県の羽島市と笠松町、三重県の桑名市と、合わせて14の自治体が誘致に名乗りを上げている。

こうしたなか、2025年3月に読売ジャイアンツのファーム本拠地「ジャイアンツタウン スタジアム」が開業した東京都稲城市の担当者に話を伺った。稲城市のケースは中日ドラゴンズのような公募型の誘致とは異なり、球団側が移転先として選んだものだ。ここでは、市が施設の開業前後にどのような取り組みを行ってきたかを紹介する。

開業までの稲城市の取り組み

ジャイアンツタウン スタジアムは2025年3月1日、稲城市矢野口の南山地区に開業した。収容人数は約2,900人。グラウンドは両翼100m、中堅122mの人工芝仕様で、読売ジャイアンツのファーム公式戦が年間約60試合開催されている。

この施設は稲城市が誘致したものではない。一帯は南山東部土地区画整理事業の区域内にあり、2016年に読売巨人軍が土地区画整理組合と土地売買予約契約を締結。球団側が移転先として稲城市を選んだ形だ。

住民との接点づくりは開業前から進めた。読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社が実施した住民説明会では、読売グループからの相談を受けて市が公共施設を会場として手配した。また、市が主催し読売グループの協力を得て、読売ジャイアンツのOBや現役選手を招いた市民向けシンポジウムを開催。TOKYO GIANTS TOWNの全体像を事前に伝えている。

よみうりランドが開発事業に加わり、水族館や飲食施設を併設する計画に拡張された。開業は当初の2023年予定から2年延期されたが、複合施設としての構想が固まった。

開業から1年で来場者25万人を達成

スタジアムの来場者は、2026年2月末時点で25万人に達した。ファーム公式戦に加え、JDリーグ(女子ソフトボールリーグ)の公式戦や東京クラフトフェスティバルなど、野球以外のイベントでも活用されており、試合やイベントのない日もコンコースやスタンドが一般に開放されている。

来場者の増加による影響は、周辺の店舗にも波及している。

「近隣の店舗からは、試合がある日はお客様の来店が増えたという声をいただいています。渋滞や騒音といったクレームも市には特段入っておらず、大きなトラブルはありませんでした」と担当者は話す。

包括連携協定のもとで進む取り組み

開業後、市はスタジアムと街との接点の拡大に取り組んでいる。2023年8月に読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社と稲城市が締結した包括連携協定がその土台だ。

市内の街路灯にはTOKYO GIANTS TOWNのフラッグが掲示され、スタジアム周辺にとどまらず市全体で認知度の向上を図っている。

スタジアムへの主なアクセスルートにあたる根方谷戸公園にも手を加えた。京王よみうりランド駅からスタジアムへ向かうこの公園には、300段を超える階段がある。読売グループ3社と市の連携事業として、「TOKYO GIANTS TOWN」と「INAGI city」の文字サインや看板を設置した。

「ただ登るだけの場所にするのではなく、楽しく登るための工夫を施しています。フォトスポットとしても使っていただいていて、街にとってのひとつのシンボルにもなりました。定期的に読売グループと打合せを行い、こうした連携事業の進捗を確認しながら次の取り組みを相談しています」と担当者は話す。

ソフト面では、市と読売グループがそれぞれの役割で連携している。選手OBらが指導を務めるジャイアンツアカデミーによる部活動支援は市が読売グループに委託して実施。学校訪問や、ファームの試合に市民デーを設けての市民招待は、読売グループの事業として展開され、市が協力している。

市はグランドオープンに向けたインフラの整備も進めている。区画整理地内では周辺道路の開通を予定しており、京王線の稲城駅と京王よみうりランド駅では駅前広場の改修に取りかかる。

プロ野球2軍施設と地域が共存するために

稲城市は誘致によって施設を呼んだわけではない。だが開業からの1年で、プロ野球2軍施設と地域が共存していくための取り組みを積み重ねてきた。

開業後の運営は読売グループが主導しており、試合やイベントの企画・実施も読売グループが担っている。こうした体制のなかで、市は自治体としての関わり方を探っている。

「読売グループが主催するイベントだけに頼るのではなく、市と球団が一緒になって共同イベントを企画・実施することが大切だと考えています。定期的に会議も行い、読売グループ任せにならないよう努めていきたいと思っています」と担当者は今後の目標を語る。

スタジアムの外への波及も課題のひとつだ。

「商店街や地元の飲食店にも協力いただきながら、共同イベントへの出店や、市内全体に人が流れるような施策を検討しています。来場者と地域経済を結びつける仕組みをつくることが目標です」と担当者は話す。

一方、読売グループの地域貢献事業も進んでいる。約2,900人収容のファーム施設は1軍の本拠地と比べて選手との距離が近く、交流のハードルが低い。選手が地域の学校を訪問して子どもたちと交流したり、地域清掃に参加したりといった活動は、すでに始まっている。

中日ドラゴンズの2軍拠点公募を控え、誘致を検討する自治体は今後さらに増えるだろう。誘致とは異なるかたちではあるが、読売グループと稲城市が歩んできたこの1年は、プロ野球施設を新たに迎える地域にとっても先行事例になるはずだ。

取材・文/宮﨑駿 写真提供/よみうりランド、読売巨人軍

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