ヤマハ発動機は、“クロスプレーン・コンセプト”に基づく水冷・4ストローク・DOHC・直列2気筒・688ccエンジンを搭載したスーパースポーツ「YZF-R7 ABS」をモデルチェンジし、2026年5月29日に発売することを発表した。また、ヤマハ発動機創立70周年を記念する「70th Anniversary Edition」を200台限定で同日発売する。
今回の「YZF-R7 ABS」は、「The textbook of SuperSport for your “Fun”, “Confidence” and “Growth”(「楽しさ」「自信」そして「成長」のための、スーパースポーツの教科書)」をコンセプトに開発された。レースマシンを彷彿とさせる機能・性能・スタイルを洗練させるとともに、ストリートでも気負わず扱える機能が多数盛り込まれている。
YZF-R7の主な新しい特徴
■電子制御スロットル採用と多彩なライダー走行支援システムの搭載
新たに「YCC-T(Yamaha Chip Controlled Throttle=ヤマハ電子制御スロットル)」を採用。これによりCP2(クロスプレーン・コンセプトの2気筒)エンジンが備える全回転域での滑らかでリニアなトルク特性を洗練させた。さらに慣性力を検知し車体姿勢を検知する「6軸IMU(Inertial Measurement Unit)」を搭載。「YCC-T」との連動により、以下の走行支援制御を可能にした。
・ YRC(Yamaha Ride Control):路面状況や好みに合わせ、エンジン出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能
・ BSR(Back slip regulator):過剰なエンジンブレーキによって後輪のホイールロックが起こった際、出力を制御し車両の挙動を穏やかにするシステム
・ 第3世代クイックシフター:シフトアップに加え、新たにシフトダウン側にも対応
・ クルーズコントロールシステム:高速道路などでスロットルを操作することなく一定速度での巡航を可能にし、長距離走行時の負担を軽減(3速以上・速度が約50km/h~で設定可能)など
・ YVSL(Yamaha variable speed limiter):ライダーが設定した速度に最高速度を制限できるシステム
■トルク感と高揚感をもたらす吸気サウンド
CP2エンジンが弾く不等間隔爆発特有のサウンドは、高音と低音が混じり合ったハーモニー(和音)がベース。今回、吸気ダクト形状や不等長ファンネルのバランスを最適設計することで、スロットル開度とエンジン回転数の上昇に伴い、よりトルクフルにサウンドが響くようになった。
■剛性を高めたフレーム及び軽量ホイール
バックボーン型高張力鋼管フレームは、パイプワーク、径、肉厚、板金などを最適化。これにより従来モデル同等の重量を維持しながら、ねじれ・縦・横の各剛性を向上させ、優れたスタビリティに貢献させている。左右非対称形状のリアアームは、上面を削ぐようなカットを施すなどデザインを一新。あわせてリアサスペンション後端を支持するリンクも見直され、ブラケットの板厚を変更、優れた安定性の実現と接地感の向上が図られた。またホイールは、新たにスピンフォージドホイールを採用、軽量化と慣性モーメントの低減に寄与、俊敏かつ軽快なハンドリングを支える。
これらフレームやホイールの一新にあわせ、フロントサスペンションの設定を変更。ピストンロッドのアルミ化やコイルスプリングの変更により、従来モデル比350g軽量化、併せてアクスルブラケットの締結部剛性を最適化した。軽快なハンドリングや直進安定性と接地感に寄与させている。さらに、強度と質量のバランスを最適化し肉抜き加工を施した新形状ハンドルクラウン、新意匠のメーター、フラッシャービルトインミラーなどを採用。なおカウルステーは、スチール製からアルミダイキャスト製に変更し、従来モデル比273gの軽量化と質感の向上を実現した。
■上体自由度をポイントに設定したライディングポジション
上体自由度をポイントに、新しいライディングポジションを設定。従来モデルに対しハンドル位置を3.6mm上方/8.4mm後方へ移設。また、燃料タンク形状の変更で前後方向への自由度も拡大させた。コーナーへの進入から旋回、切り返しといった場面で、積極的な体重移動を支える。またフロントシートを新作。表皮のシボを「YZF-R1/R9」と共通にし、乗車感とグリップ力を向上。さらにシート高を従来モデル比で5mm下げることで、足つき性の向上とアクセシブルな乗車姿勢を実現した。
■ラップタイム計測や走行データの可視化が可能なアプリ「Y-TRAC Rev」など“つながる”機能
5インチのフルカラーTFTディスプレイを採用。併せてステーの設計やリザーブタンク、メインスイッチの配置、クラッチワイヤーの取り回しを変更し、良好な視認性を実現した。メーター画面には、速度やデジタルバーによるタコメーターのほか、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。これら情報の操作・選択は、FPC(フレキシブルプリント基板)を組み込むことでコンパクト化と直感的な操作を両立したハンドルスイッチで行なう。表示パターンは、4種のテーマに加え、ラップタイムをメインにしたTrackモードがあり、好みや走行シチュエーションに応じて選択が可能。
また、専用アプリ「Y-Connect(YAMAHA Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンとペアリングすると、「YRC」セッティングや「Y-TRAC Rev(ワイトラックレヴ)」アプリを楽しめるほか、ディスプレイに、電話やメールの着信、スマートフォンの電池残量などを表示。一方、スマートフォン画面では、エンジン回転数、スロットル開度などの表示、オイル・バッテリーのメンテナンス推奨時期のお知らせや燃費管理、車両の最終駐車位置の確認などが行える。さらに無料のナビアプリ「Garmin StreetCross」をインストールしたスマートフォンと車両を接続すると、ディスプレイをナビ画面として使うことができる。
「Y-TRAC Rev」は、サーキット走行を楽しめる無料アプリ。ラップタイム表示をはじめ、ピットクルーからの指示や情報をディスプレイに表示するバーチャルピットボード機能、さらに車体のCANデータに基づく走行データをスマートフォンやタブレットで確認・解析できる。
■M字型ヘッドランプなど一目でRシリーズと分かる新スタイリング
YZF-Rシリーズの伝統であり、ハイスピード・スタイリングの象徴でもある「M字ダクト」の意匠を継承しつつ、ダクト状になっていたヘッドランプまわりの造形は、表面をレンズで平滑化。これによりCd・A値*の低減やフロントタイヤの揚力抑制など、空力性能をさらに向上させた。ヘッドランプには優れた照射性とコンパクトさを両立した小型レンズモジュールを採用している。
※Cd値(車両の持つ空気抵抗係数)にA(前面投影面積)を乗じた係数で、数値が低いほど空気抵抗をうけにくく、最高速に有利となる
また、左右のポジションランプもレンズ面の意匠を変更し、ミニマムな配置にすることで、スキニーさを強調。低く、薄く、ジオメトリックな造形によって、クリーンでモダンなフロントマスクに仕立てている。さらに、今回新たにフラッシャービルトインミラーを採用。空力特性を高めるとともに、よりタイトですっきりとしたフォルムを実現した。
■3色設定のカラーリング
標準色の“ブルー”、“ブラック”と限定色“ホワイト”の計3色を設定。“ブルー”は2026年モデルの「YZF-Rシリーズ」と共通で、ヤマハレーシングを象徴、レースシーンとパフォーマンスを予感させる。“ブラック”は、従来モデルのマット系を含んだ“ブラック”に対し、今回はメタリック系をベースに調和させワントーンで品位ある落ち着いた佇まいに仕上げられた。「70th Anniversary Edition」の“ホワイト”は、1955年創立以来レースとともに歩んできたヤマハ発動機の歴史を表現するカラー。
【フィーチャーマップ】
【メーカー希望小売価格】
【主要諸元】
関連情報:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r7/
構成/土屋嘉久







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