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物価高騰の影響は?NISA利用者に聞いた運用状況、10人に1人は「無理して継続」

2026.05.12

緊迫する中東情勢。こうした地政学リスクによる世界的な株価変動、および継続的な物価高騰は家計にどれほどの影響を与えているのだろうか?

家計診断・相談サービス『オカネコ』を運営する400Fはこのほど、全国の『オカネコ』ユーザーのうちNISAを利用している241人を対象に「オカネコNISAによる家計圧迫の実態調査」を実施し、その結果を発表した。

家計:昨年度よりも「ゆとりない」28.2%、要因は「物価高」

2026年4月現在の家計状況について、昨年度と比較して「ゆとりがなくなった(やや+かなり)」と回答した人は28.2%となった。

その要因として「生活用品や光熱費などの物価高騰」が83.8%と群を抜いて高く、外部環境による強制的なコスト増が家計を圧迫している主因であることがわかる。一方で、4月特有の「入学・進級・引っ越しなどの新生活特有の支出」は16.2%、「収入の減少」は19.1%に留まっており、一時的な出費や所得減以上に、継続的な物価高が家計の体力を削っている実態が浮き彫りとなった。

新NISA:「計画通り継続中」78.8%、一方で10人に1人は「無理をして継続中」

こうした厳しい家計環境にありながら、新NISA等の積立投資については「計画通り継続中」とする層が78.8%を占めている。一方、全体の10.4%が「多少無理をして継続中(生活費を削っている)」と回答している。長期資産形成への強い意欲の裏返しであると同時に、日々の生活余力を削って投資を優先する「家計の歪み」が発生している兆候とも捉えられる。

資産:約4人に1人「生活防衛資金3ヶ月未満」、特定のインデックス指標へ集中投資に変化

家計の回復力、生活防衛資金を示す「すぐに使える現金(銀行残高)」の状況は、よりシビアな実態を示唆している。月間生活費の3ヶ月分未満しか現預金を持たない層は合計で24.9%に達し(「1ヶ月分未満」7.5%、「1~3ヶ月分未満」17.4%の合算) 、約4人に1人が突発的な支出やさらなる物価高といったリスクに対する「現金の備え」が極めて薄い状態で投資を継続していることが確認された。

現在の主な投資先(ポートフォリオ)については、「【地域分散型】 米国だけでなく、日本、欧州、新興国など複数の地域に分散している」が37.3%、「【集中投資型】 米国株や全世界株のインデックス指標1~2種類に絞っている」が35.3%、「【資産分散型】 株式だけでなく、債券、金(ゴールド)、リート等にも分散している」31.1%という結果になった。

昨今の地政学リスクの高まりを受ける中でも、「以前は「集中投資型」だったが、最近不安になり「分散型(地域・資産)」への変更を検討中・実施した」は6.6%に留まっており、多くの投資家は現時点において既存の投資方針を維持している状況がうかがえる。しかし、十分な生活防衛資金を確保できていないまま特定の指標へ投資が集中している実態は、さらなる相場急変時に投資家の心理的レジリエンス(回復力)を低下させ、狼狽売りを招きかねないリスクを孕んでいると推察される。

世界的な株価変動:「損失を見るのがストレスで確認減らしている」7.1%、相場急変時は「保有継続の自信(握力)がない」8.3%

相場急変時、投資家のメンタルが投資継続に与える影響も無視できない。世界的な株価変動を受け、証券口座のログイン(評価額の確認)頻度の変化について、「【メンタル回避型】 以前は見ていたが、損失を見るのがストレスなので、意識的にログインを減らした」と回答した人が7.1%存在する。

さらに、今後仮に保有資産がさらに「20%以上」の急落局面を迎えた場合の「保有継続の自信(握力)」について、「自信がない」「どちらかというと自信なし」を合わせた合計8.3%が、早期売却や投資中断を検討する可能性がある、継続への不安層となっている。

家計に余力がなく、かつメンタル面でも防衛本能が働いている層にとって、直近の本格的な調整局面は極めて高いストレスとなっていることが推察される。

見直しニーズ:専門家による「適正投資額の診断を希望」42.3%、「持続可能な投資プラン」へ

本調査では、新NISA利用者の42.3%が「お金のプロに、自分に合った正しい投資額を診断してほしい」と回答した。新NISA開始から3年目を迎え、物価高や地政学リスクといった様々な変数が重なる中で、画一的な「入金最大化」のフェーズから、個々の家計状況に即した「持続可能な投資プラン」への見直しを求めるニーズが顕在化している。

今回の調査では、新NISA開始から3年目を迎え、物価高騰という厳しい外部環境下においても、多くの投資家が資産形成を継続しようとする強い意欲が確認された。しかしその一方で、約4人に1人が生活防衛資金を3ヶ月分未満であっても投資を優先しており 、家計の余裕が限られた状態で投資を優先する、バランスの見直しが必要な実態が明らかになった。

また、相場急変時における投資家の心理面においては、損失を直視できない「メンタル回避型 」や、自身の「保有継続の自信(握力) 」に不安を抱く層が一定数存在している。理論上の「長期保有」を理解していても、家計の余力不足が心理的なレジリエンス(回復力)を低下させ、一時的な動揺による売却(狼狽売り)を招きかねないリスクが懸念される現状がうかがえる。

<調査概要>
調査名:オカネコNISAによる家計圧迫の実態調査
調査方法:WEBアンケート
調査期間:2026年4月10日(金)~2026年4月12日(日)
回答者:全国の『オカネコ』ユーザーのうちNISA利用者241人
回答者の年齢:30代以下 13.2%、40代 27.0%、50代 38.6%、60代以上 21.2%
回答者の世帯年収:400万円未満 19.1%、400万円以上600万円未満 19.5%、600万円以上800万円未満 15.4%、800万円以上1,000万円未満 14.1%、1,000万円以上1,200万円未満 7.1%、1,200万円以上 19.1%、わからない 5.7%

出典元:家計診断・相談サービス『オカネコ』調べ

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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