税金が払えない場合は延滞税(延滞金)や加算税(加算金)が課されるほか、いずれは給与や預貯金などの財産を差し押さえられてしまいます。どうしても払えないなら、税務署や自治体の窓口に相談してください。
税金を払えないとどうなるのか、および払えないときの対処法を解説します。
1. 税金が払えないとどうなる?
税金が払えないと、次のような事態が発生してしまいます。
(1)延滞税・延滞金が発生する
(2)加算税・加算金が課される
(3)給与や預貯金などを差し押さえられる
1-1. 延滞税・延滞金が発生する
税金の納期限が経過すると、国税の場合は「延滞税」、地方税の場合は「延滞金」が1日ごとに発生します。
延滞税・延滞金の割合は、次のとおりです(令和8年度)。
納期限の翌日から2か月を経過する日までの期間:滞納額に対して年2.4%
納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以後:滞納額に対して年8.7%
特に納期限を2か月以上経過すると、延滞税・延滞金の割合が一気に上がります。支払いが遅れれば遅れるほど、税負担がどんどん重くなってしまいます。
1-2. 加算税・加算金が課される
申告を要する税金について、申告自体を怠った場合や不適切な申告をした場合は、国税の場合は「加算税」、地方税の場合は「加算金」が課されます。
加算税・加算金の種類および割合は、次のとおりです。
(a)過少申告加算税・過少申告加算金
期限内に申告したものの、修正申告や更正処分によって税額が増えた場合に課されます。金額は増えた本税の額の10~15%です。
(b)無申告加算税・不申告加算金
期限後に申告した場合や、期限後に税額が決定された場合などに課されます。金額は原則として、増えた本税の額の15~20%です。
(c)重加算税・重加算金
申告について仮装や隠蔽があった場合に課されます。金額は増えた本税の額の35~50%です。
1-3. 給与や預貯金などを差し押さえられる
税金の滞納が続くと、督促状が発せられた後、最終的には「滞納処分」によって給与や預貯金などを差し押さえられてしまいます。差押えは予告なしで行われ、生活に大きな影響を及ぼします。
2. 税金が払えないときの対処法
税金が払えないときの対処法としては、次の方法が考えられます。(1)~(3)については税務署や自治体の窓口、(4)については弁護士や司法書士に相談してください。
(1)換価の猶予を申請する
(2)納税の猶予・徴収猶予を申請する
(3)税金の減免を申請する
(4)借金などの債務整理をする
2-1. 換価の猶予を申請する
納税によって事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがある場合は、申請によって「換価の猶予」が認められることがあります。
換価の猶予が認められれば、原則として最大1年間、滞納処分による預貯金や給与などの差押えが行われなくなります。また、延滞税の利率も軽減されます。
2-2. 納税の猶予・徴収猶予を申請する
災害や盗難、本人や同一生計親族の傷病、事業の休廃止や著しい損失などの事情によって税金が支払えなくなったときは、国税であれば「納税の猶予」、地方税であれば「徴収猶予」が認められることがあります。
納税の猶予・徴収猶予が認められれば、原則として最大1年間、滞納処分による差押えが行われなくなるほか、延滞税も減免されます。
2-3. 税金の減免を申請する
災害や失業・廃業、疾病、盗難などによって生活が困窮している場合は、申請によって税金の減免が認められることがあります。また、生活保護受給者は税金が免除されます。
2-4. 借金などの債務整理をする
税金のほかにも借金などの債務を抱えているときは、債務整理を行うことも解決策の一つです。
債務整理は、債務の負担を軽減するための手続きです。債権者との交渉や裁判手続きを通じて、債務の減額や免責が認められることがあります。
税金は債務整理の対象になりませんが、借金などの負担が減れば、税金の支払いに充てるためのお金を捻出できるようになるでしょう。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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