昼夜問わず、生活に必要なものや嗜好品が手に入り、いまや〝コンビニがない〟世界は想像もつかない。贔屓のコンビニがある方も多いだろう。
なかでも「ファミマ」こと『FamilyMart(ファミリーマート)』といえば、看板商品の「ファミチキ」に、おむすびアンバサダーの大谷翔平選手。そして「いい素材、いい技術、いいデザイン。」がコンセプトのオリジナルアパレルブランド『コンビニエンスウェア』が人気だ。
2026年4月には『コンビニエンスウェア』から、シチズンと共同開発した税込1998円の「腕時計」を発売。即品薄となり、次回は秋ごろ入荷予定であるという。そのラインナップは、ソックスや下着をはじめ、Tシャツにボトムス、サンダルや日傘などと幅広く、いまや全身コーディネートが叶うから、さぁスゴい。
さらに2025年度には売上高200億円を突破し、2026年度には300億円を目指しているそうだ。そこで改めて『コンビニエンスウェア』について、ライフスタイル本部 CW・雑貨部 CW・コスメグループの須貝健彦さんに詳しく伺った。
コンビニで衣料品を買う文化を育てたい
コンビニで手に入る衣類といえばソックスや下着といった、急な出張や雨天など、緊急事態に見舞われたときの救済アイテムが主軸だ。ファミマはそこから一歩進み、もっと日常に溶け込むアイテムをつくりたい。そして、コンビニで衣料品を買う文化を育てたいと、2021年3月にオリジナルアパレルブランド『コンビニエンスウェア』を全国発売した。
「当初、自分たちの力だけでは長期的な商品づくりはむずかしいと感じていました。そこで、リオオリンピック閉会式の衣装などを手掛けたファッションデザイナーの落合宏理さんにご相談したところ、わたしたちの考えに強く賛同していただき、ご一緒することになったんです」

なぜコンビニで衣料品を買う文化を育てたかったかといえば、国内に『ファミリーマート』は1万6400店舗ほどある一方で、『ユニクロ』は800店舗ほど(2026年3月現在)。
「日本全国を見渡すと、近所に衣料品を気軽に買えるお店がないお客様もまだまだいらっしゃいます。だからこそ、店舗数が多く、身近なコンビニで日常的に着られる衣料品や雑貨が購入できるようになれば、より多くのお客様の生活が豊かになると考えました」(以下「」内、すべて須貝健彦さん)

インバウンドにも大人気!〝ファミマカラー〟のラインソックス
『コンビニエンスウェア』が最初に発売したアイテムは、インナーTシャツやソックスなどだ。これらはブランドを立ち上げる以前から並ぶアイテムではあるが、「いい素材、いい技術、いいデザイン。」というコンセプトのもと、全面刷新。
とりわけコーポレートカラーを配した「ラインソックス」(税込429円)を含むソックス類は、累計販売数3300万足という大ヒット商品であり、社内の思い入れもひとしおだという。

「お客様からは〝ファミマカラー〟と呼んでいただいている、青と緑のコーポレートカラーのラインソックスは、最初にデザインしてもらったアイテムです。
ブランドを立ち上げるとなったとき、落合さんが海外の友人から、日本のコンビニは便利で大好き。なかでも『ファミリーマート』のコーポレートカラーは日本の象徴的なカラーの一つで、すごくクール!と言われたそうです。
日本では当たり前のものがこんなにも愛されているということを、お客様はもちろん働くスタッフにも伝えたいと、落合さんはこのラインソックスをデザインしてくださりました」
SNSで話題になったこともあり、発売から数ヶ月で〝ファミマカラー〟の「ラインソックス」は品薄に。いまではインバウンドからも「クールなお土産」として大人気。1足ずつパッケージされていることもあり、お土産の〝ばらまき〟需要にマッチしているのだとか。

さらに、台湾に4000店舗あるファミマの一部店舗でも、2024年11月から『コンビニエンスウェア』を発売。現地の夜市やフェスでも「ラインソックス」を履く姿が見られたという。
「日本のコンビニからはじまったブランドが、アジアや欧米など、世界に広がっていることを実感しています」
売上高200億円に至るまでの軌跡
『コンビニエンスウェア』の1年目は、先述した「ラインソックス」のヒットをはじめ、カラフルな「ショートソックス」(税込429円)も話題になった。
「中でもピンク色は、店舗をはしごしてまでご購入いただくお客様もいらっしゃったようです。コンビニでビビッドなカラーのソックスが買えることに加え、品質の良さも支持していただきました」


2022年には、「はっ水パーカー」(税込2,990円)や一部店舗で「コンビニエンスダウン」(税込6,355円)などのアウター類を発売。2023年には、吸水速乾性のある「ショートパンツ」(税込1,998円)に初めてトライした。

「ボトムスをつくるという発想は、そもそもコンビニとしてなくて。社内でも、果たして売れるのか?と議論がありました。でも、夏が来る前にほぼ完売してしまい、試着しなくても衣料品を買ってもらえるという実績をつくることができました」
衣類の中でも、ボトムスを試着せずに買うのはかなり勇気がいる。そのハードルを越えられたのは、世界的にも知られるデザイナーの落合さんへの信頼をはじめ、ソックスで獲得した品質への安心感があっただろう。
加えて、着用イメージが湧きやすいPOPの制作や、サイズ展開をMとLに絞ることで迷わず選びやすくすること。ウエストはゴム仕様かつ紐で絞れるようにし、試着しなくても失敗しにくいことなど。顧客に寄り添った商品開発と細やかなコミュニケーションを行なったと須貝さんは振り返る。

そして、ブランドの立ち上げから3年目の2024年には全身コーディネートができる品揃えを実現。2025年度に売上高は200億円を突破した。
大切にしているのは、パッケージや販促物で丁寧に伝えること
驚くべきは、めちゃめちゃ売れているのに、広告を打ったりインフルエンサーにPRしてもらったりといったような、マーケティング戦略はあまり行っていないということ。須貝さん曰く「わかりやすいパッケージや、販促物を展開し、丁寧に伝えることでしょうか」……って本当!?まるで〝ものを売ること〟の原点にかえったかのようなスタイルだが、その確かな商品力もあり、じわじわファンが増え、主に口コミで自然派生的に火がついている。
実際、注目度の高いアイテムやコラボレーション企画は、大げさな宣伝をせずとも即品薄になるそうだ。先述した「腕時計」(税込1,998円)も、その一つ。発売からすぐに店頭から姿を消した。

宣伝はしない一方で、店頭に掲げるキービジュアルには並々ならぬこだわりがあるという。
こだわりの一つが、さまざまな体型や年齢、人種のモデルを採用すること。どのような人が着てもバランスが取れることを訴求し、手に取ってもらいやすくなるよう心を砕いている。
「主な購買層は、お店を訪れる40〜50代の男女が主なウェイトを占めていますが、伸び率でいえば若い男女がすごく伸びています。落合さんのデザインは、年齢や体型、性別を問わず、着ていただいたときに様になるところも特徴です。一度、お試しいただけるとうれしいです」

実はパッケージにもこだわりアリ
『コンビニエンスウェア』といえば、エシカルな取り組みにも注目したい。リサイクル素材を使用したり、国内のメーカーや産地と製品づくりをしたりするなどといったことも、積極的に行っている。
なかでも、実はこだわっているのがパッケージだ。

「パッケージをつくるときに、商品名の入れ方やデザインのバランスはもちろん、二次利用していただけるようにと考えています。例えばレシートを入れたり、小物を入れたりするなど、なるべくお客様に捨てさせないようなデザインやつくりです。
ただ、二次利用については声高に『こうしてください!』と言っているわけではありません。でもお客様が自ずとそうした行動が取りたくなるようなものづくりができたらということも、落合さんとともにこだわっていることの一つです」

4月に発売された「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」とのタオルハンカチは、パッケージにも美しい花柄があしらわれている。ファンならずとも、捨てられない!

次なる目標は、着方のバリエーションと機能・雑貨の拡充
今後の注目アイテムの一つが、6月に店頭に並ぶ綿麻素材の衣類。シャツワンピースのようにも着られる「綿麻開襟シャツコート」(税込3,990円)に、セットアップでも着られる「綿麻開襟シャツ」税込2,990円)と「綿麻イージーパンツ」(税込2,990円)の、2カラー・同素材の3アイテムが、数量限定で発売予定だ。

また、4月に発売したUVカット機能を備えた「機能キャップ」(税込1,998円)に続き、6月には「機能Tシャツ」を発売予定。乾きやすく接触冷感を備えた素材で、昨今の酷暑対策に一役買ってくれるにちがいない。
そして、日傘、サングラスなどの雑貨も一層拡充していく予定とのこと。

「全身コーディネートの目標は達成したので、今後は着方のバリエーションや、機能性、雑貨の拡充を目指しています。『機能Tシャツ』は、ビジネススタイルやスポーツをするときなど、さまざまなシーンで着ていただけるのではないでしょうか」
さらに、売り場はこの春から棚3.5台に増強した。当初は1台から始まったというから、5年で3.5倍。その期待度が感じられる。

「数年前まで、コンビニ各社は同質化していていました。それがここ数年で、それぞれがちがう方向に向かい、目的買いや指名買いをするお客様も増えています。
だからこそ、同じ距離にちがうコンビニが2店あったら、『コンビニエンスウェア』を見に行きたいからファミマへ行こうと考えるお客様が一人でも増えてくださるよう、今後もよりよい商品をお届けしていきたいと考えています」
『コンビニエンスウェア』の快進撃は、まだまだ続く。今年も要注目であることは間違いない。
最後に、ビジネスパーソンにおすすめのアイテムを教えてもらったぞ。まだチェックしていない人はファミマへ急げ!







DIME MAGAZINE











