投資は難しいもの、我慢するもの――そんなイメージをまだ抱いているあなたへ。週3000円から、好きな企業を〝推す〟感覚で始める「ゆる投資術」を、旅する投資家・藤川里絵さんが紹介。最新トレンドをいち早くキャッチして〝推し株〟を見つけるヒントをお届けする。
目次
■旅する投資家・藤川里絵の「推し株で始めるゆる投資」
2026年2月28日に、アメリカとイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、始まったイラン戦争。
イラン戦争では、ホルムズ海峡の封鎖でイラン周辺の石油の通り道が閉鎖され、世界中のタンカーが通れなくなっている。原油の9割を中東に依存している日本は、ガソリンや日用品の価格高騰が止まらない……。
100万円を目標に、個別株投資をはじめた筆者は、ファイナンシャルプランナーであり「旅する投資家」の藤川里絵さんのもとへ。こんな時代だからこそ、何をすればいい?
解説するのは、旅する投資家・藤川里絵さん

2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。新著『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円を貯める本』(小学館)が発売中!
まずは日々のニュースをチェックしよう

ーーニュースを見ていると、遠い国で起こっている戦争が、日本の株価にも大きく影響していると感じます。今回のイラン戦争で、里絵さんが注目している動きはありますか?
藤川里絵さん:やっぱりいちばんは、ホルムズ海峡の封鎖によって物流が途絶えることですね。原油や石油だけじゃなく、農産物もあるかもしれないし、プラスチックや合成繊維などの原材料になるナフサが届かないことも気になります。だから今は、ホルムズ海峡の封鎖が解除されるかどうかが、個別株投資をするうえではいちばん大事な問題だと思いますね。
ーー日々のニュースを見ておくことが基本。
藤川里絵さん:そう、まずはそこからでOK。より経済に特化した情報が得たいなら、テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト(WBS)』と『Newsモーニングサテライト(モーサテ)』は、内容がわかりやすくて過不足がありません。
ーーYouTubeはどうですか?隙間時間にさくっと見るのに重宝しています。
藤川里絵さん:時事ネタや個別株について解説しているYouTubeもいろいろあるけれど、サムネで不安を煽ったり、大袈裟で内容が偏っていたりする場合もあります。知識があれば自分で取捨選択できるけれど、そうじゃないのなら、見ても余計に不安になるだけ。オールドメディアの経済ニュースのほうが、信頼できるし安心です。どうしてもYouTubeを見たいのなら、番組が運営するYouTubeチャンネルをチェックしてみるといいですよ。
ーーほかに、里絵さんがチェックしているものはありますか?
藤川里絵さん:内閣府の「景気ウォッチャー調査」です。これは株価の先行性があるといわれているもので、タクシー、デパート、飲食店など、現場で景気の浮き沈みを感じている人たちに聞くもの。
2026年3月末にアンケートを取った「景気ウォッチャー調査」によると、中東情勢の緊迫化にともなう原油とガソリン価格の上昇を受けて、前月比よりも大幅に悪化していました。とくに飲食店はひどかったですね。
いま、さまざまな原材料が値上げしていたり、製造業は部品が調達できなかったりしています。3月末の「景気ウォッチャー調査」が発表された時点の株価は景気を織り込んでいないので、2026年4月末に発表される決算の結果が落ちていると、株価もがくっと下がるでしょうね。
「先読み力」をつけて、リスクを回避

藤川里絵さん:個別株投資は「こうなるかも」の先読みです。上がる株というのは、投資家の期待が高まった結果、たくさん買われたから上がる。下がる株は、低迷するだろうという予想から、たくさん売られるから下がるんです。
だから個別株投資をするうえで、どこにリスクがあるかをつねに考えておいたほうがいいですね。
ーー先読み……。なんだか難しそう。たとえばどんなふうにすればいいですか?
藤川里絵さん:スーパーを見渡してみてください。わたしはお料理によくハーブを使うんですが、昨日近所のスーパーで、いつも80円で買うハーブが160円になっていて!2倍に値上がりですよ。しかも「ハーブ急騰中」っていうPOPがつけてあったんです。物価高の影響は、こんなふうに身近なところで、肌で感じられますよね。
それなのに、いま日経平均株価はすごく上がっています。一方でハーブが2倍に値上がったみたいに、いろいろなものが物価高で買い控えが目立ち、経済状態はあまりよくありません。
つまり、もし自分がいつも行くスーパーの株を保有していたとします。いまは株価は悪くない。でも、もしかしたら今後、これまで80円でハーブを買っていたお客さんが「高くなったから買えない」と離れてしまって、お店全体の売り上げが落ち、株価も下がるかもしれません。
株価は先ほども言ったように「こうなるかも」の先読みだから、いまは「回復する」という期待のもと上がっているけれど、スーパーのような小売業はそうじゃないのかもっていうことがわかりますね。
ーーなるほど!
藤川里絵さん:そういうふうに先読みして、もし持っているスーパーの株が買った時より上がっているのなら、利確(利益確定)したほうがいいかもっていうふうに考えるんです。
個別株投資をしていないと「いつものスーパーが値上がったな」ぐらいにしか景気を実感できないけれど、個別株投資をしていると、株価の上昇とスーパーの値上がりのズレを考えられるようになりますよ。
もしもに備える投資家の行動とマインド
ーー今はイラン戦争の影響を受けていますが、こうした出来事は繰り返し起こっているのですか?その時、投資家はどうしたらいいんでしょう?
藤川里絵さん:今回に限らず、3・11やコロナ禍など天災の時も、こうしたズレは何度もありました。身の回りで大きな出来事が起こった際、どの業界に影響があったか、そして株価はどうなったか、一つひとつ考えて記録しておくとよいですよ。
それから、そもそもじぶんに見合った投資ができているか、日頃からリスク管理をすること。投資に回しているお金がなくても生活に困らない、身の丈にあった投資をすることが、一生投資を続ける秘訣です。もし、持っている株が暴落したら夜も眠れない!上がったり下がったりすると一喜一憂してしまう……というのなら、冷静になれるだけに減らしましょう。目安は、投資額の20〜30%は減っても大丈夫と思えるぐらいです。
あとは、お仕事をしていると、毎日チェックするのはむずかしい場合もありますよね。それに、突発的に開戦したり、大地震がきたりすることもあります。わたしは3・11の時、売りたかったけれど買い手がつかず売れませんでした。そういう不測の事態にどうするか、シミュレーションしておくことも大切です。
石油不足にも負けない銘柄&業界

ーー石油不足の時も、強い株はあるのでしょうか?里絵さんが注目している銘柄や業界があれば教えてください。
藤川里絵さん:材料や光熱費がかからない、情報通信系やIT系でしょうか。いわゆる「SaaS(サーズ)」といわれる「マネーフォワード」とか「freee」とか、ツールやデータを売っているところは株が買い戻されています。
ーーそういう情報は、どこで得ているんですか?
藤川里絵さん:『会社四季報』ですね。読んでいると、だいたい流れがわかってきますよ。
ーーその中で、最近買った銘柄があれば教えてください。
藤川里絵さん:「ミーク(332A)」です。『四季報』に「フィジカルAI」と書いてあって、何だろうと調べたら、工場で自動操作で動いてくれるロボットAIのこと。いままではAIってパソコンやスマホの中にある実態のないものだったけれど、進化してロボットがAIで勝手に動いてくれるんですよ。
あとは原子力関係の「岡野バルブ(6492)」も、原油不足の影響で電力不足になるから買われるでしょうね。
ーーこれまでは知っている会社や興味のある業界ばかり注目していたんですが、『四季報』をウォッチしなきゃ!
藤川里絵さん:知識は浅くてもいいから、幅広く見渡しておくと、短期的な個別株投資には役立ちますよ。逃げ道を知っていれば、何か起こった時も慌てず、分散投資もしやすいですからね。
取材・文/ニイミユカ
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