55歳でファーストクラス世界一周という夢を叶えた旅する投資家・ 藤川里絵さんが、投資1年生のギモンをわかりやすく解説!今回は、新NISAの説明と一緒によく耳にする「オルカン」とは何か、についてお答えします。今さら聞けない「積立投資」のキホンを整理しましょう!藤川さんの最新刊『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』は好評発売中!
目次
新NISAを始めようとして情報を集めていると、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。「オルカン」です。
「とりあえずオルカンを買っておけばいい」「オルカン一択」――そんな言葉を聞いて、なんとなくわかった気になっているけれど、実は「世界に分散って、具体的にどういうこと?」と腑に落ちていない人も多いのでは?
この記事では、オルカンがなぜ初心者に圧倒的に支持されているのか、その中身と理由をシンプルに解説します。
オルカンとは何か
オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託です。
投資信託とは、多くの人からお金を集め、運用のプロが代わりに株式などに投資してくれる金融商品のことです。自分でひとつひとつの株を選ばなくても、まとめて分散投資できるのが最大の特徴です。
その中でもオルカンは、日本・アメリカ・ヨーロッパ・新興国など、世界約50カ国・約3000社の株式にまとめて投資できる商品です。「全世界株式」という名前の通り、世界中の株を一度に買えるイメージです。
「世界に分散」って、具体的にどういうこと?

たとえば、日本株だけを買っていたとします。日本経済が低迷すれば、資産はそのまま下がります。アメリカ株だけでも同じで、アメリカが不況になれば大きなダメージを受けます。
しかし、世界中に分散していればそのリスクも分散されます。ある国の経済が落ち込んでも、別の国が成長していればその恩恵を受けられる。世界全体で見れば、長期的には経済は成長し続けてきた歴史があります。その成長の波を、まるごと受け取ろうという発想がオルカンです。
現在の組み入れ比率はアメリカ株が約60%を占めています。「それってアメリカ株では?」と思うかもしれませんが、これは今の世界経済においてアメリカ企業の規模が圧倒的に大きいから。
今後、別の国が台頭してきたら、オルカンは自動的にその比率を高める設計になっています。スポーツチームの監督が、つねにベストメンバーで臨むように、世界の強い経済に自動でついていく仕組みです。
オルカンが初心者に選ばれる3つの理由
(1)世界中の超優良企業が、少額で買える
Apple、Google、NVIDIA、Meta……これらの企業の株を個別に買おうとすれば、相当な資金が必要です。ところが、オルカンを通じれば、月1000円からこれら世界トップクラスの約3000社に同時に投資できます。個人では絶対に組めないポートフォリオが、ワンクリックで手に入ります。
(2)中身が自動で入れ替わる
オルカンの組み入れ銘柄は、世界の市場規模に合わせて自動的に更新されます。「あの会社、最近調子悪いから売って、別の会社に乗り換えよう」という判断を自分でしなくていい。プロが自動で最適化してくれるので、買ったらほったらかしでOKです。
(3) 手数料が業界最安水準
投資信託には「信託報酬」という保有中にかかる手数料があります。これが高いと、長期投資では大きなコストになります。オルカンの信託報酬は年率0.05775%(税込)と、同タイプの商品の中でも最安水準。しかも、オルカンが属するeMAXIS Slimシリーズは、純資産総額が大きくなるほど信託報酬が段階的に引き下げられる仕組みを採用しています。つまり、買う人が増えれば増えるほど、保有コストがさらに下がっていく。長期投資家にとってこれ以上ない設計です。
オルカンは「絶対に増える」わけではない
オルカンに人気が集まる一方で、誤解されがちなことがあります。「オルカンを買えば必ず儲かる」――これは正しくありません。
株式に投資している以上、価格は上がる年もあれば下がる年もあります。リーマンショックやコロナショックのような大きな暴落では、一時的に資産が大きく目減りすることもあります。
ただし、重要なのは「長期で積み立てる」という点です。毎月コツコツ積み立てることで、高い時も安い時も自動的に買い続け、平均購入コストを下げる効果(ドルコスト平均法)が働きます。10年・20年という時間軸で見れば、世界経済全体の成長に乗れる可能性が高い。下がった時に焦って売らないことが、オルカン積立の最大のコツです。
逆に、急騰した時も「今売って利益を確定したほうがいいのでは?」と思うことも。長期での積立投資は、種銭と呼ばれる投資額が大きくなればなるほど、複利効果が効いてきます。ちょこちょこ売ってしまうとその効果が半減しますので、上がった時も売らない鈍感力が必要です。
オルカンは新NISAの「つみたて投資枠」と組み合わせるのがベスト
オルカンは、新NISAの「つみたて投資枠」の対象商品です。つみたて投資枠は、金融庁が長期投資に適していると認めた商品だけが対象になっており、オルカンはその筆頭格。積立投資枠での人気ランキングでも常に上位にランクインしています。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で運用すれば非課税。オルカンをNISAで積み立てることで、世界経済の成長を受け取りながら、税金ゼロで複利を積み上げていける――これが多くの初心者に勧められている理由です。
ちなみにわたし自身のNISAのつみたて投資枠も、オルカン一本です。300本近い選択肢の中から一つ選ぶとしたら、現状ではオルカンが最も合理的だと思っています。
まとめ:オルカンは「世界経済に乗り続ける仕組み」
・正式名称:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・世界約50カ国・約3,000社の株式にまとめて投資できる投資信託
・世界の市場規模に合わせて、中身が自動で入れ替わる
・信託報酬は業界最安水準。長期投資に有利
・新NISAのつみたて投資枠の対象商品。非課税で積み立てられる
・価格変動はある。上がっても下がっても売らず積み立て続けることが大切
「世界に分散」とは、どこか一つの国や企業に賭けるのではなく、世界経済全体の成長に乗り続けるという発想です。難しい知識も、毎日の値動きチェックも不要。今後も世界が成長すると思うなら、迷いなく選ぶ一本、それがオルカンです。
文/藤川里絵
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