「WBCのネットフリックス有料配信」を見て、スポーツ放送の時代の変化を考えてみました
3月に行なわれた「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)では、日本放映権料が前回大会の30億円から5倍の約150億円でネットフリックスが独占取得したことが話題となりましたね。高騰するスポーツコンテンツの権利を地上波テレビ局が支払えず、「地上波じゃないのか」「有料だと見られない人が増える」といった声が多くありました。この気持ちはすごくわかるのですが、僕自身としては「この流れは止まらないだろうな」と感じています。
昔は娯楽の中心がテレビで、みんなが同じものを見て、視聴率も一極集中しやすかった。プロレスやドラマがものすごい視聴率を取っていた時代って、まさにそういう構造の上に成り立っていたわけです。でも今は違います。動画配信サービスもあればSNSもあるし、YouTubeもある。「みんなが同じ時間に同じ番組を見る」こと自体が起こりにくくなっています。
世界的に見てもスポーツコンテンツはどんどん「有料視聴型」や「サブスク型」に移行しています。そもそもスポーツの大会を開催するにも、選手の移動費や運営費、スタジアムの使用料、映像制作費など莫大なコストがかかっています。それを無料の地上波だけで回すというのは、昔よりも難しくなってきていると思うんです。そう考えると、有料配信にシフトしていくのは自然な流れとも言えます。
しかし、有料配信にもメリットはあります。資金力のあるところがまとめて権利を取ることで他国同士の試合までまとめて見られるので、日本戦を見たときの理解も深まるし、より楽しめます。しかも、ネットフリックスのような配信サービスは、家にいなくてもスマホやタブレットで見られます。操作に慣れていない人にとってはハードルもあると思いますが、使ってみたら「思ったより便利だった」と感じる人も多いはずです。
無料じゃないとスポーツは広がらないのか?
それでもやっぱり、「有料だと裾野が広がらない」「子供が見られないと、その競技は衰退する」という意見もあるみたいです。たしかに野球だけが有料で、ほかのスポーツは全部無料で誰でも見られるという状況なら、野球だけ不利になる可能性はあると思います。でも、いろいろな競技が有料配信にシフトしていくなら、野球だけが不利になるとは限りません。
また、今の時代って、ショート動画だったり、いろんな形で情報が流れてきます。昔と比べてスポーツに触れる入り口がものすごく増えていますよね。子供が気軽に見られる環境は大事だと思いますが、それをすべてテレビの無料放送に頼る時代ではなくなっているのも事実でしょう。
大きなスポーツの大会が有料配信やPPV(ペイ・パー・ビュー)になっていく流れは止まりません。「昔はよかった」と不満を言い続けるより、「新しい形の中で何が便利になったのか」「どう付き合えば楽しめるのか」を考えたほうがプラスになると僕は思っています。無料で見られないことへの寂しさはあっても、そこで終わるんじゃなくて、新しい視聴体験の良さや可能性も含めて受け止める。そういう姿勢のほうが、この先の時代には合っている気がします。

WBCやサッカー・ワールドカップなどは普段見ない人まで巻き込む〝お祭り〟として、新しいファンを生み出している
流行を斬る!
【1】スポーツ配信の有料化は時代の流れ。無料の地上波中心から確実に変わっている
【2】「子供が見られないとその競技は衰退する」とは限らない。接点はテレビ以外にも増えている
【3】大事なのは無料か有料かより、新しい時代の新しい視聴環境をどう楽しみ、使いこなすか

テスタさん
2005年、300万円を元手にデイトレを中心に株式投資を開始、6年目で億トレーダーに。2015年からは中長期投資も始める。収支は20年連続プラスで、生涯獲得利益は100億円を超える。監修本『マンガでわかるテスタの株式』(大和書房)が発売中。
文/テスタ 構成/向井翔太 編集/千葉康永







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