小中学校でタブレット学習が普及するなど文具のデジタル化が進む中、本を開いたまま固定するだけのアナログ文具〝ブッククリップ〟に注目が集まっている。現在、多数のメーカーが参入、文具の1カテゴリーとして定着する勢いだ。
なぜなのか? ブームのきっかけとなった『ウカンムリクリップ』開発の、サンスター文具クリエイティブ本部イノベーション部の人見友佳子さんはこう解説する。
「ブッククリップ自体は以前からある文具です。目立つ存在ではありませんが、ずっと売れつづけている商品がありました。弊社の『教科書クリップ』も安定して人気だったので、ブッククリップには一定の需要があると確信したのです。当初は社内で売り上げを不安視する声もありましたが、SNSで女子高生を中心に口コミが広がり、一時は製造が追いつかないほどの人気に。ちょっとした不便に手が届く機能と、SNS映えするカラフルなデザインが刺さったのではないでしょうか」
シリーズ累計380万個突破!ブームの火付け役

サンスター文具『ウカンムリクリップ』660円
最大8cmまで開き大判書籍にも対応

ヘアクリップから着想を得たフォルムを採用。軽い力で大きく開き、片手で本が固定できる。中央部を隠さない構造は本の文字が隠れにくい。豊富なシリーズ展開も魅力で、6月に『ウカンムリクリップPRO』を新発売。
参考書、レシピ本、楽譜…見たいページを、開いたままに!

意外にも、大人層の需要の高さが人気をさらに加速させた。勉強メインで使う学生に対し、大人層は仕事や勉強のほか、趣味や日常生活でも活用している。レシピ本、編み物本、楽譜、マザーズバッグにゴミ袋を留めるのに使う人もいるそう。
「学生向けに発売しましたが、社会人の反響も大変大きかったです。立たせてカードスタンドにするなど意外な使い方をされている場合もあり、幅広いシーンで重宝されていると感じます」(コクヨ リージョン開発部・岡野颯太さん)
資格取得を目指す社会人をターゲットとした商品も発売された。
「落ち着いた雰囲気と厚い参考書も挟めるデザインを意識しました。期待通り30~50代がメインユーザーになってくれています」(キングジム デジタルプロダクツ開発部ワークイノベーション課・伊東匠さん)
デジタルと併用しつつアナログの良さを見直す流れが来ているようだ。
くるっと畳んでペンケースにIN!

コクヨ『キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ』550円
約2.2cmまで挟めるミニマルサイズ!

クリップが折り畳めるコンパクトタイプ。収納時はペンとほぼ同じサイズになるので、ペンケースで持ち運べる。クリップが短めでクリアカラーを採用しており、挟んだ部分の文字が隠れにくい。
ページをめくる動作を最小限に抑えて開発

キングジム『ツイップ』1540円
約3cmの厚さまで固定!開きっぱなしにもできる

横から本を挟む構造を採用し、本の固定とページのめくりやすさを両立。クリップには窓があり、180度回転するので文字を隠さないのも嬉しい。本体は伸縮可能で、A6~B5判までの本に使える。
取材・文/金山 靖 編集/髙栁 惠
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年3月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。







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