4月11日に仲介国のパキスタンで開かれたアメリカとイランの停戦交渉。協議は21時間に及んだが合意には至らず、トランプ米大統領はホルムズ海峡の海上封鎖を宣言した。
これに対して、イランのガリバフ国会議長が「脅されている状況で交渉を受け入れることはない」とSNSに投稿したこと伝えられるなど、事態は混迷の度合いを深めている。
しかし、そんな不安定な中東情勢のなかでも、市場では日本株が堅調に推移しているという。その原因と今後の展開について、三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から分析リポートが届いたので概要をお伝えする。
中東情勢は依然として不透明感の強い状況が続くが、週明けの日経平均とTOPIXは堅調に推移
中東情勢は依然として不透明感の強い状況にある。先週末からの動きを簡単に振り返ると、イランメディアは4月18日、米国の停戦合意違反を理由に、イラン精鋭軍事組織の革命防衛隊がホルムズ海峡を再び封鎖したと報じた。
翌19日には米中央軍がイラン船籍の貨物船を拿捕(だほ)したと発表すると、イラン外務省のバガイ報道官は20日、「現時点で米国と次回の協議をする予定はない」と述べた。
また、トランプ米大統領は週明け4月20日、米ブルームバーグ通信の電話取材で、イランとの停戦期限は米東部時間22日夜(日本時間23日午前)との認識を示して、期限延長の可能性は低く、合意に至らなければ戦闘が再開されると強調した。
こうしたなか、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)は20日、それぞれ順に前営業日比で0.6%上昇、0.4%上昇となり、21日もそろって続伸して取引が始まるなど、堅調な動きをみせている。
■背景には米株高、原油高一服、協議の合意期待などがあり停戦期限は延長との市場の見方も
中東情勢不安が続くなかでも日本株が堅調に推移している理由として、
(1)ハイテク株高がけん引する形で、ナスダック総合株価指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)、S&P500種株価指数が連日過去最高値を更新していること、
(2)原油価格に上昇一服感がみられること、
(3)米国とイランの戦闘終結に向けた協議は最終的に合意に至るとの期待が市場に一定程度あること、
などが考えられる。
特に(3)については、これまでのトランプ氏の言動を踏まえると、イランとの協議が進展しない場合、停戦期限を延長する可能性が高く、市場でもそのような見方が多いように思われる。
また、米国もイランも停戦期限を前に強気の姿勢を示しているが、これは表向きの「けん制」で、2回目の和平協議に向け水面下で準備を進めていることも十分考えられる。
このあたりも市場で相応に想定され、最終合意への期待につながっているとみられる。
■戦闘終結シナリオがある程度想定されたとすれば、日本株上昇の持続性のカギは日米企業決算
つまり、「米国とイランの停戦が続く限り、協議自体は継続され、多少時間を要しても最終的には合意に至り、戦闘は終結する」というシナリオの実現を見越して、米国株や日本株は早々に上昇している公算が大きいと考える。
なお、改めて日経平均とTOPIXの値動きを確認すると、日経平均は米国とイスラエルによるイラン攻撃前水準をいったん回復したが、TOPIXはまだ回復していない(図表1)。

日経平均は直近で大きく上昇したが、貢献したのは主にアドバンテストやソフトバンクグループ、東京エレクトロンといった値がさ株で(図表2)、これらは米ハイテク株高が追い風になったとみられる。
中東情勢に関する前述のシナリオが、ある程度想定されたとすれば、日本株上昇の持続性は、この先発表が予定されている国内企業(特に図表2の企業)や米ハイテク企業の決算内容によるところが大きくなりつつあるように思われる。

◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希
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