■連載/阿部純子のトレンド探検隊
仏壇、墓石の販売等を手掛けるはせがわは、仏壇の購入にためらいを持つ顧客層に向け、仏壇業界初となるサブスクリプションサービス「買わないお仏壇 『tutumu』プラン」を順次展開する。
このサービスは、月額990円からの新品の仏壇を利用でき、購入・リース・レンタルと柔軟な選択肢の提供や、将来の引き取り、供養までをセットにして、初期費用や将来の処分に関する不安を解消することを目的としている。
高齢者施設入居者や仏壇の継承に不安を持つ層を主なターゲットとし、このサービスを通じて顧客との新たな接点を創出し、相続の相談や遺産整理などの「ピースフルライフサポート事業」へ繋げる戦略的意義も持つ。
「仏壇は買わないが手を合わせる場所は欲しい」というニーズに応えるサービス
日本全体で死亡者数は2040年まで増加傾向にあり、関東では2060年がピークという説もあり、弔いの必要性そのものは高まっている。一方で仏壇市場は1997年の約3600億円から2026年は約1100億円と約3分の1に縮小している。
「縮小の要因は、仏壇の小型化により単価が下落したことに加え、そもそも『仏壇を購入しない層』の増加があると推測しています。仏壇は、従来は『買う』以外の選択肢がありませんでしたが、核家族化で承継・管理・家族負担への不安が増大し、購入判断が困難になっており、供養したい気持ちはあるが、事情により購入を諦める層が一定数存在しています。
こうした時代背景から、はせがわとして『買わない』という選択肢を提案し、手を合わせる場と不安解消を提供する新しいサブスクサービスをスタートさせました。今後も時代に合った供養の形を提案し、次世代へ価値を継承していきたいと考えています」(株式会社はせがわ 代表取締役社長 新貝三四郎氏)
「買わないお仏壇 『tutumu』プラン」は、仏壇の引取り供養が付帯した定額利用サービス。現代の住空間になじむモダンな新品仏壇を、1~4年間のいずれか年単位で初回利用期間を選ぶことができ、利用開始後は、利用者の状況に応じて、月単位の利用延長、利用商品の買取り(購入)、解約(引取り供養)を選択できる、自由度の高い仏壇のサブスクサービスとなっている。
月額990円(税込)から利用可能で、支払い方法は一括・月額・年額から選択でき、初期費用を抑えて仏壇を導入できる。また、利用終了後は、仏壇の引取りから供養まで一貫して対応するため、将来的な負担も軽減する。
「tutumuプランの特徴は4つあります。将来、お子様に処分で負担をかける心配がない『未来への安心』、月額990円から始められる『ハードルの低さ』、一周忌までなど期間限定で利用できる『利便性』、いつでもやめられる『心理的な不安の解消』です。
このサービスは仏壇の購入を否定するものではなく、購入とサブスクリプションという2つの選択肢を提供するものです。月々990円から新品の仏壇が利用可能で、リース、レンタル、購入を組み合わせた業界初のモデルとなります。
返還時は使用年数にかかわらず、弊社が責任を持って無料で引き取り、ご供養させていただきます。返却された仏壇の再利用は現在のところ考えておりません。
2023年12月から西日本の店舗で実験導入をスタートさせ、大々的な告知を行わなかったにもかかわらず、現在まで460件の利用がありました。利用者の約4割は、もともと仏壇を購入する意思がなかった層の方々です。利用者の平均年齢は60~70代で、92%の方が4年プランを選択されています」(株式会社はせがわ 取締役 兼 営業グループ長 田村岳二氏)
対象商品は、現代の住環境やライフスタイルに配慮したコンパクト、かつモダンなデザインの仏壇を中心にラインナップ。限られたスペースにも設置しやすく、リビングなど日常空間に自然に溶け込む商品を35種類、取り揃えている。
今サービスは2024年10月に西日本全店に導入、今年の4月に東日本でのスモールスタート、2027年4月に全国展開とEC展開を目標としており、東日本でのスモールスタート初年度は600件の契約を目指す。
【AJの読み】自由度の高いサブスクサービスで仏壇に対する悩みを解消
「買わないお仏壇 『tutumu』プラン」の特長は、変化へ柔軟に対応できるという点が挙げられる。例えば、実家じまいをする際に、大きな仏壇は自宅に持ってこられないし、法事の際の対応について悩むという場合は、リビングタイプを2年プランで申し込み、仏壇のある生活を続けながら、今後どうするか決めることができる。
また、高齢者施設へ入居する際に、スペースがないため位牌だけでも手元で祀りたいという場合、小スペースになじむコンパクトタイプを4年プランで申し込むパターンも。万一、本人が逝去した際の返却もしくは解約は施設関係者からの依頼も可能とのこと。
筆者は実家の母が亡くなった際に、実家じまい、墓じまいをまとめて行った。大きな仏壇は供養して処分、自宅に位牌だけ祀るためコンパクトタイプの仏壇を新たに購入した。
供養や購入には思った以上の費用がかかるため、仏壇をどうしようか?と悩む人にとって、自由度の高いはせがわのサブスクサービスは選択肢のひとつとして検討できると思う。
取材・文/阿部純子







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